世界で人気の高級SUVにBEV化の波が押し寄せる! Gクラスにレンジローバーと続々登場予定!!

2024.05.08 17:30
この記事をまとめると
■メルセデス・ベンツGクラスのBEVモデルがアメリカと中国で世界初公開された
■ランドローバー・レンジローバーのBEVモデルの発表も控えている
■今後はハイエンドSUVでも「BEV」がキーワードになってくる
ついにGクラスのBEV市販バージョンを初公開
  誰もが一度は憧れるハイエンドSUVの世界。その進化が止まらない。キーワードはもちろん電動化であり、これまでのオフロード性能を含めたパフォーマンスやデザイン、あるいはラグジュアリーなインテリアなどに加えて、このクラスのSUVを選ぶ社会的地位が比較的高いカスタマーは、ゼロエミッションという言葉にはとくに神経質だ。
  ここで紹介するのは、そのトレンドを反映するかのように先日誕生したメルセデス・ベンツGクラス、そして開発が最終段階にあり、先日は極地での厳しいテストの様子が公開された、ランドローバー・レンジローバーの2台で、いずれもBEVとして設計されている。
  45年前に発表されたGクラスは、その堅牢な作りと耐久性、そしてもちろんオフロードでの機動性が大きな特長だが、メルセデス・ベンツによれば、これまでに生産されたGクラスの80%は、現在でも現役で使用され続けているという。はたしてこのさまざまな厳しい環境のなかで使用されるGクラスとBEVには、親和性というものはあるのか。開発陣が最初に直面したのはその問題だったに違いない。
  Gクラスの新型BEVモデルの車名は、「G 580 with EQ テクノロジー(以下G 580)」。生産はこれまでどおり、オーストリアのシャクル山を臨むグラーツ社で行われるが、そのワールドプレミアイベントは、アメリカのカリフォルニア州ビバリーヒルズのフランクリン・キャニオン・パークと、北京モーターショーで前後して行われ、それはメルセデス・ベンツが販売面でとくに期待する市場をそのまま選択したかのようなチョイスだった。
  伝統的なデザインランゲージと、ユニークなドライブテクノロジーの融合。G 580というBEVをもっともシンプルに語るのならば、やはりこのような表現がベストだろう。とはいえ外観でG 580に独自のディテールが存在しないわけではない。ボンネットはこれまでのGクラスより若干高めの設定となり、リヤホイールアーチエクステンションのエアカーテンなども、同様にG 580独自のデザインだ。
レンジローバーのBEVも発表を控える
  オプションではブラックのパネルグリルも選択できる。アンダーボディのプロテクションもG 580では重要な課題。じっさいに装着されるそれは、カーボンを含む軽量素材で成型されたもので、厚さは26mm。重さは57.6kgでラダーフレームに取り付けられている。
  EQテクノロジーによるリチウムイオンバッテリーは、12個のセルモジュールで構成され、厚さ4mmのラダーフレームやアンダーボディプロテクション等によって保護されている。使用可能容量は116kWh、注目の最大航続距離はWLTP基準で473kmに達し、充電も直流と交流の両方でそれが可能。直流の急速充電用に最大200kWの充電容量を持つ直流充電システムが搭載されており、この場合10~80%までの充電時間は約32分とその利便性も高い。
  搭載されるエレクトリックモーターは、メルセデス・ベンツとしては初の試みとなる4モーター方式で、それらはもちろん前後左右のホイール近くにレイアウトされる。システム全体での最高出力は432kW(約580馬力)、最大トルクは1164Nmに達し、3500kgという車両重量を持ちながら、180km/hの最高速や4.7秒の0-100km/h加速を実現しながら、同時にこれまでのモデルと同様に適切な路面であれば、最大100%の勾配走行、また35度の横傾斜でもその安定性は保たれる。
  4つのモーターを個別に制御することで、ほぼその場で車両を旋回させたり、3速インテリジェントオフロードクロール機能で最適な推進力を維持できたりするのもG 580の機能では大きな話題だ。
  それでは現在、開発の最終段階にあるレンジローバーはどうか。最新のテスト車ではボディ全体をブラックにペイントし、まさにデザインにおいて隠すところはないという自信をアピールしながら、オンロードでのテストを続けるBEV仕様のレンジローバー。
  レンジローバーのラインアップにはすでに、2023年に行われたマイナーチェンジで、PHEV、MHEVがラインアップされるに至っているが、やはりゼロエミッションのBEVは、SUVの頂点に位置するブランドを主張するには、現代では必要不可欠な存在といえたのだろう。BEVの追加でレンジローバーのラインアップが、全モデル電動化技術を用いることになることで、ブランドのイメージはさらに大きく高まりそうだ。
「レンジローバー・エレクトリック」と呼ばれるであろうBEVモデルは、PHEV、MHEVモデルと同様に、モジュールタイプのアーキテクチャーを用いて設計されている。現在の段階でランドローバーは、このレンジローバー・エレクトリックに関する詳細な仕様を発表していないが、搭載されるバッテリーや駆動システムが内製であることは明らかにされている。
  いち早く人気のGクラスを投入することで先行者利益を狙うメルセデス・ベンツと、2020年代末までにはラインアップの全車にBEVを設定する計画だというランドローバー。SUVのハイエンドを狙う戦いは、BEVというキーワードでますます激しさを増しそうだ。

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