速度取締装置を検出して教えてくれる通称「レー探」! よく見たら「レーダー探知機」と「レーザー探知機」があるけどこれって何がどう違う?

2024.04.10 10:00
この記事をまとめると
■速度取り締まり機には「レーダー式」と「レーザー式」が存在する
■クルマ用のレーダー探知機には「レーダー」と「レーザー」に対応した製品が増えてきた
■取り締まり機も進化しており、探知機とはイタチごっことなっている
レーダーとレーザーって何がどう違う?
  クルマで遠くに出張した先のまだ走ったことがない道で、いつもの道を走るペースで運転していると、少し先の路肩で「こちらへどうぞー」と誘導のジェスチャーをしている水色の服の人が目に入ります。その瞬間わき上がる「あー、やっちまったわー」という後悔の念……。12km/hオーバーで青キップをいただきました。
  クルマに長く乗っていると、こういうことを何度か経験した人も多いのではないでしょうか。上の例のように15km/h未満なら違反点数1点の反則金が9000円で済みますが、一般道で30km/h以上の速度超過で捕まると、「6カ月以下の懲役、または10万円以下の罰金」と、6点の違反点数で1発免停となってしまい、ダメージは甚大です。
  そのダメージを避けるためのアイテムとしては「レーダー探知機」が筆頭に上がりますね。仕事で多くの距離を走る必要がある人や、スピード違反の経験がある人などのクルマに装着されているのをよく見かけます。
  一般的な名称としては「レーダー探知機」というのが定着していますが、製品紹介のページや、性能の解説などを読んでいると、「レーダー」の中に「レーザー」という言葉が混じっているのが気になります。「ん? レーザーってなに? 誤植?」と思ったりしますが、どうやら「レーダー」と「レーザー」は違うもののようです。なかには「レーダー&レーザー探知機」という表記もあったりします。
  ここでは、その「レーダー」と「レーザー」の違いについて、掘り下げてみようと思います。
■そもそも「レーダー」ってなに? 「レーザー」とどう違う?
「レーダー探知機」の「レーダー」とはどんなものなのでしょう? 一般で使われている場面としては、船や航空機の捜索シーンでよく見ます。緑色の丸い画面のなかで白い針が回っていて、捜索の対象が白い点で表されるアレです。
「レーダー(radar)」というのは、「Radio Detecting And Ranging」の略です。独立した単語かと思ったら略語でした。直訳すると「無線の探知と測距」となります。要は電波を使って対象物の位置を調べる装置ということです。
「レーダー」は、主に船舶や航空機、気象用の測定、観測に使われています。仕組みとしては、直進性と指向性の高い「マイクロ波」が使われていて、そのマイクロ波を出力する発信器を回転させながら電波を360度に放ち、反射してきた電波を受信機でキャッチ。その強さ(周波数)と角度を分析して距離と方角を画面に示すというものです。
  この仕組みを利用して、走行している車両の速度を測定しているのが警察の使う「速度違反自動取締装置」です。警察官がその装置を操作しておこなう取り締まりは「ネズミ捕り」、高速道路などに設置してある測定と写真撮影をおこなう装置が「オービス」と呼ばれています。
  この「速度違反自動取締装置」の場合は測定対象の方角がハッキリしているので、装置を回転させる機構は省かれて距離のみを測定するようになっています。距離の情報から測定対象のクルマの速度を割り出すために、放った電波と跳ね返ってきた電波の(周波数の)変化から速度を計算しています。
  野球などでボールの速度を計測する「スピードガン」とはほぼ同じ仕組みです。「レーダー」装置で使われる「マイクロ波」などの電波を「レーダー波」と呼びます。
  ちなみに、特殊な電波を発する装置を扱うには電波法に基づいた資格が必須になりますので、測定装置を扱う警察官は無線免許(第二級陸上特殊無線技士以上の資格)を所有している人に限られるそうです。
それじゃあレーザーってなんなの?
  では「レーザー」とはどう違うのでしょうか? 「レーダー」は電波(マイクロ波)を使用して測定をおこなう装置ですが、「レーザー」のほうは、その名のとおり測定に「レーザー光」を使用する装置です。
  実際の最新取り締まり装置では、その「レーザー光」の特性を活かして広い方位に光を発し、その反射光を広範囲で受信&解析が可能とのことです。つまりは3Dスキャンをおこなっている状態で、1度の測定で位置と速度が記録できるので、近距離で2台の車両が併走しているようなシーンでも、2台(以上)のクルマの位置と速度の記録が可能らしいです。
  こちらはその特性に加えて電波免許が不要というメリットがあり、2017年くらいから全国で採用件数が増えたようです。
「レーダー」方式の取り締まり装置に対応した「レーダー探知機」では「レーザー光」の探知が不可能なため、その出現は当時、驚異としてその界隈を大いにザワつかせました。しかし、探知機の製造メーカーは1〜2年で「レーザー」方式に対応した機種を開発し、従来の「レーダー探知機」に「レーザー」の探知機能を加えた「レーダー&レーザー探知機」が主流になりました。
  このように、結局のところ取り締まり側と探知機メーカー側の開発は「イタチごっこ」です。取り締まりを確実なものにするには探知機で探知できない方式に切り替えていくのが必然ですし、取り締まり装置が改良されれば、それに合わせて探知の性能を改良していかなくてはなりません。
  なんとか「レーザー」方式の取り締まり装置に対応させたと思ったら、それから数年後にはもう、従来とは異なる周波数帯の電波を可変で使用できる「MSSS」という方式の新しい「レーダー式」取り締まり装置が出現して、またこの取り締まりを警戒する人たちの界隈を騒がせました(2022年頃)。
  もはや「レーダー&レーザー探知機」の世界もスマホやPCと同様に日進月歩の状況です。型落ちの探知機では新しい方式の取り締まりは探知できないので、ドライバーの側にも情報にアンテナを張って備える「情強(情報強者)」の構えが必要な時代になっています。
  免許が使えなくなったら仕事に差し支えがある人や、ついつい周囲より速いペースで走りがちな人、あるいは懐具合が寂しくて罰金のダメージが致命傷になる人などは、このレーダー&レーザー探知機界隈の情報を定期的にチェックしておきましょう。

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