名前を捨てたランドクルーザー250はどうなる? ファンの心をガッチリ掴んでいた前身の「プラド」4代の歴史を振り返る

2024.04.08 17:30
この記事をまとめると
■ランクルのなかでは「ライトデューティー」なイメージとして販売されていたランドクルーザー プラド
■初代70系のライバルはパジェロだった?
■最後のプラドは最高のリセールバリューを誇るため人気は高い
ランクルのライトデューティー版として登場したプラド
  グループ内の不正行為により当初の予定からは延期されているが、新型ランドクルーザー250の発売が始まる予定だ。
  あらためて整理するとランドクルーザー250の、「ランドクルーザー」ファミリー内における立ち位置は『ライトデューティー』となっている。フラッグシップであるランドクルーザー300は「ステーションワゴン」、再販売が始まっているランドクルーザー70は「ヘビーデューティー」というのが、トヨタの公式見解だ。
※https://toyota.jp/landcruiserprado/brandhistory/
  ご存じのように、ランドクルーザー250というのは先代モデルまでは「ランドクルーザープラド」と名付けられていた。そしてプラドといえば、「リセールバリューがナンバーワンモデル」という印象を持っている人も多いだろう。ランドクルーザー250も、その伝統を受け継ぐことは確実と思われている。はたして、プラドは誕生当初から人気モデルとなることが約束されていたのだろうか。
  初代プラドが誕生したのは1990年4月。歴代モデルは型式に由来する数字で区別されるが、このときのモデルは「70系」と呼ばれていた。そう、ランドクルーザーのルーツであり、ヘビーデューティーを担う70系をベースにしたライトデューティー版として誕生したのが初代プラドであった。
  当時の日本市場において、この手のクロカン4WDとしては「三菱パジェロ」が絶大な人気と知名度を誇っており、ほかにも「いすゞビッグホーン」という人気モデルもあった。
  初代プラドに対するユーザーの正直な印象としては、「トヨタがパジェロやビッグホーンのライバルモデルをあとから出してきた」というものだった。素性としてはヘビーデューティーな70系であって、クロカン性能はともかく、乗用テイストとしては「後出しなのにライバルをキャッチアップできていない」という評価を受けていたとも記憶している。
ランクルの派生車ではなく「プラド」としての立ち位置を確立
  そんなプラドの評価がグッと高まったのは、1996年5月にフルモデルチェンジした2代目90系プラドだ。トップグレードに3.4リッターV6ガソリンエンジンを搭載するなどラインアップを充実させた。筆者として印象に残るのはTRC(トラクションコントロール)やVSC(ビークルスタビリティコントロール)といった電子制御を積極的に採用したこと。これによりヘビーデューティーの70系とは明確にキャラクターをわけ、クルマが信頼性の高い走りを担保するといった「プラドらしさ」をユーザーが認識するようになっていった。
  日本では2002年10月に発売開始となった3代目120系プラドは、スタイリングの面でも乗用テイストを強めたのが進化ポイント。後期型ではガソリンエンジンのトップグレードには4リッターV6エンジンを搭載するなどクロカンでありつつ、ステーションワゴン的な乗り味も追及していった。走破性の面では十分にランドクルーザーとしての期待を満たしてくれる性能ではあったが、欧州的なクロスオーバーSUVとしての評価軸でも高ポイントを得られるモデルへと進化したことで「プラド」というブランドを確立した。
  そして2009年9月、4代目であり最後のプラドとなる150系が誕生する。4リッターV6ガソリンエンジンといったパワートレインやシャシー設計などは120系から踏襲しつつ、スタイリングの押し出し感を強めることで、現在のプラド人気を作り上げた。モデルライフは長かったが、V6ガソリンエンジンが消滅するのにかわり、2.8リッター直4ディーゼルエンジンと6速ATを組み合わせたパワートレインを追加設定したり、先進安全システム「トヨタセーフティセンス」を搭載したりするなど、ユーザーニーズに応える進化を遂げることでプラドのバリューを不変のものにしていったのも150系では印象深い。
  と、まあ駆け足でランドクルーザープラド4世代の歴史を振り返ってみた。あらためて思うのは初代モデルのライバルだったパジェロやビッグホーンといったモデルが消えていくなかで孤軍奮闘しつつ、しかし確実に進化してきたことで、「プラド」という独自のブランドを確立してきたことだ。はたして、そのネームバリューを捨て、ランドクルーザー250とした判断が正しいのかどうか……。それは市場が決めることだろう。

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