サンダーバードが田んぼに降臨!? テムザックの手掛けるロボットたちのデザインが秀逸すぎる

2024.03.06 17:20
この記事をまとめると
■サンダーバード2号に似た多機能型農業ロボット「雷鳥2号」などを製造するテムザック
■2000年から人と共存しながら働くロボットの研究・開発を続けている
■テムザックのロボットはどれもユーモアに溢れていながら実用的なのがポイントだ
二度見必至のロボットたち
  宮崎県延岡市の田んぼを疾走(?)する、サンダーバード2号によく似た何らかのマシンの動画。ここでは仮にそのマシンの呼び名を「2号そっくりさん」とさせていただくが、2号そっくりさんは田んぼの真ん中で急停止し、車軸のようなものをギリギリと回転させ始める。……この後は、お尻あたりからのジェット噴射によって空高くを目指すのか?  と思いきや、2号そっくりさんはその場に留まり、農作業らしき行為をやり始めた。
  筆者が勝手に「2号そっくりさん」と名付けたこのマシンの、正しい名称は「雷鳥2号」。株式会社テムザックが開発した多機能型農業ロボットだ。
  テムザックがロボット開発の専門会社として誕生したのは2000年のこと。もともとは「高本商会」という製造ラインメーカーで、漁業に用いられる船内ベルトコンベアの製造ラインなどを製造していたという。
  ロボット開発に参入することになったきっかけは、1993年に本社新社屋を建て替えた際、無人搬送台車に手と足をつけて受付案内させようと考えてロボットを作ったことだった。これがテムザックの第1号機だ。ちなみに「テムザック(TMSUK)」とは「高本商会受付警備」の頭文字から取ったものであるとのこと。
  その後、1996年には「35通りの大阪弁の会話ができる」という2号機を製作し、1997年にはPHSで遠隔操作が可能な3号機をローンチ。1999年には、機動戦士ガンダムに登場する「ジオング」のようなシルエットのロボットを製造し、これはテレビ番組『THE!鉄腕!ダッシュ!!』にも登場したため、ご記憶の方もいるかもしれない。
  さらに、その後のテムザックは、人手不足が叫ばれるさまざまな業界(医療・介護・災害救助・建設・鉄道など)において、産業用ロボットではなくコミュニケーションロボットでもない、「人と共存しながら、より実用的な業務を遂行する働くロボット=ワークロイド」の研究と開発を真面目に重ねてきた。
  冒頭でその動きを商会した「雷鳥2号」も、耕作放棄が懸念される小規模な圃場や、不整形な条件不利農地でも稼働することが期待されているマジメなワークロイドだ。雷鳥2号は各種アタッチメントを付け替えることで、耕起や収穫などを完全電動で行うことができ、4輪それぞれをモーターで動作させることにより、前後移動や横移動、その場での旋廻といった動きが可能になっているとのこと。将来的には完全自律走行および「群れ化」により、農業のさらなる省力化を目指しているという。
シャレもデザインセンスも高い!
  ……とはいえ、テムザックの素敵なところというかツッコミどころは、「いちいちシャレが効いている」ということだろう。
  雷鳥2号のデザインは言うまでもなく「サンダーバード2号」へのオマージュであり、イノシシなどの害獣対策として、夜間に圃場に侵入した害獣を検知し、高圧で対象物に向けて放水を行うロボット「雷鳥3号」の造形は、意味もなくサンダーバード3号に激似となっている。
  そして、雷鳥シリーズの初号機である「雷鳥1号」は水田における雑草抑制&遠隔監視ロボットであるため、そのマシン自体を可愛く仕上げる必要はまったくないのだが、なぜか意味もなく可愛らしいライチョウのオブジェ(?)がマシン上に鎮座している。卓越した技術力だけでなく、このあたりの洒落っ気も、株式会社テムザックという企業の真骨頂なのだろう。
  また、いわゆるデザイン力もかなり高いようで、テムザックが開発したモビリティ型の乗れるロボット「RODEM」は、要するに「電動車いす」なわけだが、この素敵なデザインであれば、20年後ぐらいには足腰が弱りまくっていることが確実に予想されている筆者も、ぜひ利用したいと思う。スズキの「セニアカー」もシブくて嫌いではないのだが、やはり筆者のような「新世代の老人」としては(?)、デザイン的に洒落ているRODEMでお出かけしたいというのが正直なところなのだ。
  そのほかでは、下水道点検の作業効率化を助ける多脚歩行式の管内調査用クモ型ロボット「SPD1(プロトタイプ)」もかなり可愛い。現在は実証実験中であるとのことだが、このクモ型ロボットが群れをなして都市の地下をせっせと点検してくれている絵面を想像すると、それだけで幸せな気持ちになってくる――というのは少々大げさだろうが、「なんだか楽しい気分になってくる」というのは確かだ。
  今後はさまざまな分野にさまざまなロボットが登場し、クルマもまた、ある意味ロボット的になっていくのだろう。それはそれで仕方のない時代の流れではあるが、願わくば多くのロボットが、テムザックのワークロイドのような「ちょっと楽しい感じ」なモノになってくれますように……とは思っている。

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