乗用車ユーザーには意外! 日本のトラックが軽自動車などが採用する「ドラムブレーキ」を主流とする理由とは?

2024.02.24 17:30
この記事をまとめると
■日本の大型トラックはドラムブレーキが主流
■対して欧州ではディスクブレーキの採用が多い
■その理由について詳しく解説する
中低速域からの制動が多い日本ではドラムブレーキが向いている
  このタイトルを見て違和感を感じる一般ドライバーも少なくないだろう。乗用車ではディスクブレーキが完全に主流で、ドラムブレーキはFFコンパクトカーやミニバン、軽自動車のリヤブレーキに使われているくらいで、2000cc以上のクルマでは四輪ディスクブレーキが圧倒的に多い。
  ディスクブレーキは放熱性に優れるため、繰り返しの制動に強い。一方、ドラムブレーキはドラムとシューの接触面積の多さから制動力に優れ(これは意外と知られていない)、軽量でコストも安いというメリットがある。
  こう書くと日本の大型トラックの多くがドラムブレーキを採用しているのが、理解できるのではないだろうか。そう、日本の大型トラックはドラムブレーキがいまだに主流なのである。
  制動力が強く、コストも安ければ運送会社はそちらを選びたくなる。安心と効率を考えれば、当然のことだろう。
  大型トラックの場合、ブレーキドラムも結構な重量になるので軽量化には貢献しないが、制動力については制動の立ち上がりの速さも含めて、ドラムブレーキのほうが優れている。
  とくに一般道では速度域が低く、都市部ではストップ&ゴーが多いなど、中低速域からの制動が多い日本ではドラムブレーキのほうが向いていたのだ。これは過積載が常態化していたころの名残もあるかもしれないが、ドラムブレーキをドライバーが好み、運送会社もそれを推していたから、今までドラムブレーキ主流が続いてきたのだ。
欧州ではディスクブレーキが主流の理由とは?
  他方、欧州の大型トラックは基本的にディスクブレーキを採用しているモデルが多い。スカニアやボルボといった日本でも人気のブランドは圧倒的にディスクブレーキだ。
  これはディスクブレーキのほうが制動力の制御がきめ細かくできることと、放熱性に優れるため安全性が高いからだ。欧州各国を走り回るトラックは峠越えも珍しくなく、日本よりも長い下り坂が続くような道が多い。そうした場所では、エンジンブレーキ(トラックの場合は排気系を活用してより強力な排気ブレーキ)を利用するのは当然として、ディスクブレーキでなければまったく役に立たないのである。
  北米市場ではまだドラムブレーキも多く、ディスクブレーキはオプション装備となっているメーカーもある。これは目的に応じて選べるようになっている、ということだ。
  日本の大型トラックではUDトラックスがボルボグループに買収(現在はいすゞに譲渡)されたこともあって、現行のクオンではディスクブレーキを採用している。
  ABSは当然として衝突被害軽減ブレーキや横滑り防止装置など、ブレーキを活用することによって車体を安定させたり事故の被害を抑えることができるようになってきた。そういった使い方には、繊細に制動力を調整しやすいディスクブレーキのほうが向いている。
  今後は日本のトラックもディスクブレーキになっていくだろう。ドラムブレーキにも良い点はあるが、本当の意味で安全性を考えれば、ディスクブレーキのほうが安心なのだ。

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