人手不足を解消して物流の未来を明るくしたい「MMLogiStation」開発秘話

2024.02.20 11:03
は1978年の創業以来、IoT技術の活用により、さまざまなビジネス課題を解決してきました。


そのひとつ、自動倉庫システムなどの物流倉庫向けのシステム開発には1980年代から取り組んでいます。


そして2021年、満を持して
を満を持してリリースしました。
物流DX事業推進部部長の浅成直也(組込・制御システム本部)に構想から開発までを聞きました。
●肥大化する倉庫管理システムを解決したい
当社は、40年近く、自動倉庫を中心とする自動化設備の制御・連携に40年近く取り組んでいます。


2015年ごろには、海外の自動化機器(「AutoStore(※)」やAGVなど)が物流倉庫にも導入されるようになり、当社も2017年ごろから、これらの設備と「倉庫管理システム(WMS)」とを接続する業務ことが増えていました。
※AutoStoreは、AutoStore Technology ASの登録商標または商標です。


自動化機器の接続にはWMSの改修が必要です。最初のうちは順調でしたが、2個、3個と連携させるたびに<このまま機器を増やしていくのは難しい>と感じるようになりました。
お客様のなかにも、度重なる改修によるWMSの肥大化を懸念されする方が出始めたころのことです。お客様も少なくありませんでした。
自動化機器に伴うWMSの改修費用は数千万円に上ります。機器の数が増えるにつれて費用がかさみ、物流会社や荷主には大きな負担になっていました。


倉庫自動化システムを考え始めたのは、<この状況をなんとかしたい!>と思ったのがきっかけです。
●複数社の設備を連携・統括制御ー「MMLogiStation」構想へ
2020年2月、三井不動産株式会社が「MFLP ICT LABO 2.0」を開設しました。すべての物流業務フローを自動化した物流モデルを展示するショールームです。


「フルオートメーション物流モデル」を展示する物流ICT体験型ショールームは、業界初※の施設となります。当社は各設備を統括制御するシステムを開発して提供しました。
※物流施設を開発運営するデベロッパーがICT に特化した体験型ショールームを設置することは、初の取り組みになります。


フルオートメーション物流モデルでは、各分野で最先端の物流ICT機器を導入し、それらを接続・制御する必要があります。
新システムにより、商品が入荷してから、トラックコンテナに積載・搬出するところまで、人の手が入ることなく、荷物が搬送される一連の流れの統括制御が実現しました。
異なるメーカーの機器やシステムを「AutoStore」やその他製品と連携させる上で、物流倉庫のシステム開発で培ってきた当社の技術や経験が大いに役立ったと思います。


他の類似案件などの開発経験の積み重ねが、
の構想につながりました。
従来のWMSやWCS(倉庫制御システム)といった構造を分解しながら、複数の自動化設備との連携・統括制御する役割をうまく振り分けできるよう、試行錯誤を繰り返しました。
調査するなかで、「倉庫実行システム」(WES)を知りました。国内ではまだ知られていませんでしたが、海外では一部で発信され始めていたのです。
●役割を分散させたシステム設計がWESと重なる
2020年に入ると、自動化された倉庫への関心が市場でも高まり始めます。一方私は、<WMSだけで自動化設備を連動させるのは難しい>と感じていました。


従来、自動化設備を新たに倉庫に導入する際は、業務変更を最小限に留めるため、既存のWMSをカスタマイズして対応してきました。
ですが自動化設備の連動と、WMSの本来の機能である全体の在庫管理を一緒に行うため、2回3回と設備導入を進めることでWMSが複雑肥大化するのを招いてしまうからです。
調査を進めて知見を深めるうちに、前述のWMSの役割を分散させてシンプルなシステムを作る道筋が見えてきました。これがWESと重なったのです。


物流分野に長年取り組んできた上司に、市場の動向やWES開発の必要性を訴えたのは2020年10月でした。経営幹部にも説明して、開発に着手することが決まります。
●「MMLogiStation」開発始動! 技術者の理解が突破口を開く
2020年12月、いよいよ「
」の開発が始まりました。まったく新しいものを作るためには、従来の考え方を変えなければなりません。パッケージ製品としてリリースするには、あらゆるお客様に適応できることも要件です。


そのためには、物流業務を抽象化・汎用化したデータ設計が必要です。
WESとは何か、仕組みをどうするのかなど、自分の頭のなかで思い描いてきたものを周囲に伝え、理解してもらうまでにはかなり時間がかかりました。


模索を続けていたそのようなとき、共に物流部門で開発にかかわってきた社内の技術者が私の考えていることを理解し、イメージ通りのシステムを具現化してくれたのです。
そのお陰で、「MMLogiStation」の開発は大きく一歩前進しました。


その後、2021年11月のリリースに向けて開発を進めていたところ、同年6月に他社からWES製品が出ました。<先を越されてしまった!>と最初は思ったのですが、方向性が間違っていなかったことが裏付けられて、うれしく思いました。
●技術と経験でお客様のニーズを実現

」発売から2年が経ち、倉庫自動化を検討しているお客様にはWESが浸透してきました。「何が優れているのか教えてください」と聞かれることが増えたのは、WESが普及したからこそだと思います。


WESは、倉庫管理と倉庫制御の機能を兼ね備え、倉庫自動化をスピーディーに実現可能にするシステムです。
「MMLogiStation」は将来の倉庫自動化の拡張性を提供する、良質な製品であることをしっかりと伝えたいと思います。


他に先がけてWESに取り組んだために、当社は多くのお客様の声を聞く機会に恵まれました。物流業界のニーズを把握したことにより、いち早く実現したソリューションもあります。


物流倉庫向け意思決定支援ダッシュボード「Analyst-DWC」は、お客様の声から生まれたサービスのひとつで、2024年度4月にリリースします。
「Analyst-DWC」は、WES(当社「MMLogiStation」を含む)だけでなく、WMSを中心に物流倉庫で使われているさまざまなシステムと連携します。
稼働データを収集、蓄積するデータ基盤を提供し、倉庫運営の上での意思決定の各場面に応じたデータ活用手順を標準化して搭載しました。
現状や今後の予測、分析やシミュレーション結果をダッシュボード上に提供することで、現場での迅速な判断を可能にし、生産性の向上が図れます。また、判断基準の共有により倉庫管理業務の属人化を解消できます。
●倉庫自動化のプロフェッショナルとして物流業界の課題解決を支援したい
倉庫の自動化は当社のWES「MMLogiStation」におまかせください。


いざ始めてみると自動化は大変と感じる方も多いと思います。倉庫運営では、自動化以外にも、顧客へのサービスレベル向上や、いわゆる2024年問題など、優先して解決すべき課題が多くあります。
倉庫自動化の部分を「MMLogiStation」に担わせることで、負担が軽くなった分の時間や労力を他の課題の解決に振り向けてはいかがでしょうか。


当社は、40年にわたる技術と知見を提供しながら、物流業界の皆様と一緒に課題解決に取り組んでいきたいと思います。
(文中敬称略)


●プロフィール
組込・制御システム本部 物流DX事業推進部 部長/マーケティング本部 事業推進部 ソリューション担当部長 浅成 直也
技術部長としてスマートロジスティクスを推進し、事業拡大のためのマーケティングを牽引。EC需要が拡大する一方、人手不足に悩む物流業界の課題解決のために、倉庫自動化をスピーディーに実現するシステム「MMLogiStation」を企画し、製品化。




物流業界で培ったノウハウを活かし、各メーカーの自動化設備との連携も進め、いっそうの機能向上に努めている。

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