カントリーにプロにシャトルってこれ全部シビック! マニアでも全部は知らないホンダシビックの「派生車」の世界

2024.02.18 11:40
この記事をまとめると
■ホンダの看板車種であるシビックには多種多彩なバリエーションが存在した
■商用車からクーペ、セダン、クロスオーバーモデルと豊富に展開されていた
■海外専売モデルも存在しているほか、日本でも50年ぶりにシビックにRSが復活する
シビックには想像以上に幅広いバリエーションが存在した
  1972年に誕生した初代ホンダ・シビックは、第一次オイルショックにいち早く対応した低公害CVCCエンジンを搭載し、世界的な大ヒットを記録。当時、苦境だったホンダを蘇らせた、日本の、ホンダの自動車史に残る歴史的名車だった。
  以来、2代目スーパーシビック、3代目ワンダーシビック、5代目スポーツシビック、6代目ミラクルシビック、7代目スマートシビック……といった名称でも知られる、ホンダの基幹車種に育っていった。10代目からは主戦場たる北米のニーズにも合わせた全幅1800mmのワイドボディを用い、動力性能や操縦性を含め、地を這うようなワイドスタンスのスポーツモデルへと変身。もちろん、マニア垂涎のタイプRの存在も、シビックの根強い人気を後押ししてきた。
  そんなシビックには、かつて異種とも言えるバリエーションがあった。まずは1974年に発売されたシビックバンがある。ホンダが製造していた小型商用車のL700/800の後継車となるライトバンであり、顔つきは当時のシビックそのまま。2/4名乗車の働くクルマとして活躍した。
  1980年にはシビック・カントリーが登場する。もちろん、アメリカ車でも流行ったステーションワゴンタイプのシビックで、アメリカのステーションワゴンのアイコンでもあるボディサイドに貼られた木目調パネルが特徴(当初はオプション)。
  主力市場の北米ではシビックワゴンを名乗り、1980年にモータートレンド誌主催の北米インポートカー・オブ・ザ・イヤーを受賞したほどの人気ぶりだった。
  かなりの変わり種としては、1983年に発売された、3代目シビックの5ドアのワゴン版となる初代シビック・シャトルがあった(日米)。シャトルは商用車ではなく、一般ユーザー向けで、別に商用タイプも用意されていた。
  そのシャトルは1987年に4代目シビックの登場と合わせて2代目となり、比較的記憶に残る1台。1994年に追加されたビーグルグレードは、カンガルーバーやフォグランプをフロントに備えた、ある意味、ホンダ初のクロスオーバーモデルと言うべき存在である。
  そしてそのシャトルという車名は、フィットシャトル、ホンダ・シャトルという5ナンバーサイズのステーションワゴンに引き継がれることになる。とはいえ、じつに使いやすかった、愛犬家にも人気のホンダ・シャトルは2022年末、惜しまれながらも生産を終えている。
  ちなみにシビック・シャトルには4ナンバー、ライトバン=商用版もあり、シビックプロという車名で初代は1983年に登場。1996年までプロが存在した。
海外ではさまざまな形で展開されていた
  ここまではシビックの派生車種でも実用性重視のモデルを紹介してきたが、シビックにはパーソナルモデルの2ドアのクーペも存在した。それが1983年の3代目シビックの兄弟車、バラードの派生車として誕生したライトウェイトスポーツのCR-Xだ。国内ではシビックを名乗らなかったものの、中身はシビックであり、北米ではCIVIC CRXという車名であった。
  正式にシビックがクーペを名乗ったのは、1992年の5代目シビックに加わったシビッククーペからだ。それも国内生産ではなく、ホンダR&Dアメリカ(HRA)生産の逆輸入モデルであった。右ハンドル、左ハンドルがあったのも特徴で、初代は1995年に生産終了。1996年に2代目シビッククーペに受け継がれることになった。しかし、日本国内では不評のようで、3代目以降は北米をメインに販売されることになる。
  じつは、5代目、6代目(シビッククーペの最終型となってしまった)のシビッククーペはかなりスタイリッシュ。パーソナルカー的なキャラクターもあり、もし日本に逆輸入していたら、けっこう人気が出たんじゃないかとも思えるほどだ。
  話は変わるが、シビックにはハッチバック、ワゴンのほか、セダンタイプももちろん存在した。ややこしいのはその車名が、5代目から加わった1991年発売のシビック・フェリオという点。フェリオ(休日という意味らしい)といわれてもセダンを想像できる人はそうはいない。シビック=ハッチバックというイメージも根強く、セダンタイプの人気は高まらず、2005年、シビックが8代目になったのを機に、3代で消滅。
  それにしても、歴代シビックはその歴史の古さとともに、「バリエーション多すぎ!!」の印象は隠せない。とはいえ、バラードCR-Xや5/6代目シビッククーペ(日本未発売)のように、シビックのイメージを覆す名車、スタイリッシュ極まるシビックも存在したことになる。
  なお、2024年1月の東京オートサロンでは、ホンダのブースでシビックの新グレード、RSのプロトタイプが発表され、シビックのロードセイリング=RSモデルの復活として話題沸騰中である。

あわせて読みたい

シビックRSは2024年冬登場か!? 200馬力に6MT仕様!! 今わかっている全ての情報を公開!
ベストカーWeb
上手くいけばレガシィ超えも果たせた逸材だった!? 時代に翻弄され1代限りで消えた「三菱レグナム」
WEB CARTOP
カゴメの新にんじん100%ジュース、そのおいしさの秘密は!?
antenna
WR-Vは逆輸入アコードワゴンに続くヒットか!? 今思えば失敗作も多々……ホンダ逆輸入車の悲喜こもごも
ベストカーWeb
シビックに「RS」が帰ってくる! 見た目は地味だけど「アラ古希」のハートをときめかせた初代シビックRSとは
WEB CARTOP
日本に上陸したこのトロフィーは一体? 歴史あるヨットレース「アメリカズカップ」を知ろう
antenna*
クラウンクロスオーバー特別仕様車「LANDSCAPE」のフォルムを見て思わず唸った……かつてのスバル「アウトバックセダン」じゃないか!!
ベストカーWeb
日本車は2台がランクイン! 世界で累計もっとも売れたクルマのTOP5が意外なラインアップだった
WEB CARTOP
世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」が追い求める「人の可能性」
antenna*
クラウンシリーズ最後に登場のエステート! 「クラウンにワゴン?」なんて思ったらじつは伝統あるモデルだった
WEB CARTOP
ホンダ4輪進出60周年! 改めて見ると「スゴいクルマ」が多すぎ!? 時代を動かした名車たち
ベストカーWeb
哺乳びんのプラスチック素材を再利用したジュエルリング「stone ring (baby bottle version)」販売
PR TIMES Topics
RX-8 パジェロミニ サンバー ブレイド……10年前の日本車はこんなに面白かった!! 2012年の「消えていったクルマたち」10選
ベストカーWeb
フィットの代わりにこれはどう? VTECターボもあり! ホンダ シティが東南アジアでバリバリ元気な件!
ベストカーWeb
dアニメストアCMに須田景凪氏の新曲起用
antenna
2024年はホンダに期待だ!! 新型フリードにSUV版のN-BOX登場予定……注目のホンダ車3選
ベストカーWeb
半目がセクシー!? ニッポンは個性派「セミリトラクタブルヘッドライト」大国だった!?
ベストカーWeb
限界に挑戦し続ける姿勢とサステナブルな価値観。ヨットレース「アメリカズカップ」に世界が熱視線を送る理由
antenna*
「三菱ミラージュってあのタイ製ハッチ?」とか言わないで! 「激熱スポーティハッチ」こそがミラージュの歴史だった
WEB CARTOP
ロードスター レガシィ セルシオ……思い返せば衝撃の連続だった! 「歴史的名車」が続々と生まれた1989年!!
ベストカーWeb
爽やかな初夏を彩る「Green」な季節限定商品
PR TIMES Topics