トラックドライバーにとって苦行だった! かつては過酷でしかなかった物流倉庫が快適施設化しつつある理由とは?

2024.02.13 17:30
この記事をまとめると
■トラックドライバーにとって物流倉庫は荷物の受取や配送を行う仕事場だ
■運営者側の都合により空調を備えていない倉庫も多数存在する
■かつては過酷だった物流倉庫の状況も近年は考え方が変わり始めている
信託銀行が所有するケースも増えてきている
  トラックドライバーにとって、物流倉庫は荷物の受取や配送を行う仕事場だ。トラックを走らせている運輸事業者が運営する倉庫もあるが、ほとんどは製造事業者・小売事業者・卸売り事業者・倉庫業者などが運営しており、それぞれに細かなルールが定められている。
  たとえば、着荷時間を厳守することが厳しく求められ、到着が早ければ場外で長時間待機せざるを得なくなり、遅くなると入場を拒否されるといったことも少なくない。あるいは、トラックバースにある床やプラットフォームの高さや隙間などが、トラックに合致していなければ台車などが使用できないことがあり、手作業で荷物を運ぶはめになる場合もあるのだ。
  こういった慣習は、倉庫運営者側の都合によることがほとんどである。倉庫用地を有効に活用するためにトラック待機場を少なくするとか、建築費用を抑えるためにプラットフォームを簡便化するなど、あくまで倉庫運営の効率化を優先しているとしか言いようがない。地球温暖化が進んで夏場の気温は天井知らずに上昇しているが、こういった理由から倉庫やトラックバース近辺に、空調を備えていないケースが多数あるのは周知のとおりだ。
  ところが、ここ10年ほどの間にこういった考え方に変化が表れ始めた。その理由は、物流の「2024年問題」に代表される人手不足もあるが、物流施設が投資対象になってきたことも大きな要因になっている。先にも述べたとおり、それまでの物流施設は倉庫運営者が所有していることも多かったのだが、最近は信託銀行が所有して複数の投資家から資金を集め、施設を建設&運営するというやり方がとられるようになってきた。
現在のトレンドは「みんなが幸せになる」事業への投資
  基本的に、投資家は投資に際して回収を目論むものだが、バブル経済期のような短期で自らの利益だけを追うような、ハゲタカファンドは影を潜めた。現在のトレンドは、SDGsに沿った「みんなが幸せになる」事業への投資なのだ。そうなると、当然のことながらトラックドライバーや倉庫作業員に、負担を強いる運営システムや、環境のことを考えていないような施設は支持をされない。逆に、環境対策をしていたり、労働環境の改善に取り組んでいたりする施設のほうが、投資対象として検討されるようになってくるのである。
  そこで注力されるようになったのが、大型トラック向けの駐車場/待機場/プラットホームの増設だ。また、多層階倉庫の場合はランプウェイ式にするなどして、トラックドライバーの負担軽減や着荷・出荷時間の短縮化を図っている。
  さらに、倉庫内の機械化やDX化を進めて、作業の合理化・効率化につなげているのだ。ソフト面では、敷地内に休憩所/コンビニエンスストア/食堂/スポーツジム/シャワールームなどを設け、福利厚生に注力する施設も出てきた。
  一方、トレーラーやスワップボディを使用した中継物流や荷台納品・出荷といった、新たな運送方法に対応した物流施設も、今後ますます増えていくことになるだろう。同様に、トラックのEC化/ハイブリッド化/CNG化/水素化などに合わせて、充電設備やそれぞれの燃料供給拠点の併設も検討されているという。
  これからの物流施設は単なる倉庫としての機能だけではなく、輸送のためのインフラとして進化していくのではないだろうか。

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