海外ではどんな影響が? 日本とは違う捉えられ方の可能性もある「ダイハツの不正問題」

2024.01.22 06:20
この記事をまとめると
■ダイハツの不正問題は日本車の信頼性に対するユーザーの不安を煽る結果になっている
■海外では日本メーカーのダイハツとニュースが紹介される
■ダイハツがメジャーじゃない国では日本メーカー全体に対しての見方が変わる可能性もある
他メーカーのディーラーマンからの不安の声も
  ダイハツの認証試験不正問題は、ダイハツが生産する車種すべての出荷停止となる大スキャンダルとなり、世間に衝撃が走っている。当初は海外専売車、その後にロッキー(トヨタ・ライズ、スバル・レックスなどOEM[相手先ブランド供給]車含む)にて不正が発覚、そしてついに2023年末の第三者委員会の報告で、ダイハツのメインとなる軽自動車も含む多数の車種で不正が行われ、しかも30年以上に渡っていたと報告され一気にスキャンダルは拡大した。
  テレビ各局はダイハツディーラーを取材し、顧客に電話で謝罪するセールスマンの姿や、スタッフから複数の契約キャンセルが出ているというコメントを報じているが、契約キャンセルについてはすでにダイハツだけの問題ではないと事情通は話す。
「ダイハツ以外のメーカー系ディーラーにて、もちろんダイハツが製造したモデルでもないのですが、“ほかのメーカーも同様のことを行っているのではないかと考えると不安になる”といった理由で契約キャンセルが出ていると販売現場で聞いております」とのこと。事情通はこの話を2023年末に聞いたとしてさらに話を続けた。
「年末年始ともなれば、メディアのダイハツに関する報道も少なくなるのは間違いないです。ただ、親戚や友人・知人と集まるなかで、たとえばダイハツのモデルではなくとも、“最近新車を契約した”となれば、半分冗談でも“大丈夫か?”などと突っ込まれる機会も多くなるでしょう。また、そのようなことがなくとも、仕事も休みとなり時間に余裕ができれば、冷静に“このままで大丈夫なのかな”と考える人も出てきてもおかしくないです。あるセールスマンは『このように冷静に考える時間ができるのが怖い』と語り、『正月休み明けには“続出”とまではいかないまでも、ダイハツ問題の“飛び火”というわけではありませんが、ダイハツ以外のメーカー車へもキャンセルなど影響拡大が目立ってくるかもしれない』と話してくれました」
  日本国内では軽自動車販売ナンバー1ブランドでもあるので、“ダイハツ”ブランドは広く浸透しているが、海外市場で積極的に展開しているのはインドネシアやマレーシアなど限定的ともいえる。はっきりと確認はしていないものの、海外で今回の件を報道する際には、“トヨタグループの”とか、“日本の自動車メーカー”としてダイハツを紹介しないと、“ダイハツとはなんぞや”となるだろう。
  そうなると、前述したように日本国内ですらダイハツ以外のブランドへも契約キャンセルといった影響が少なからず出ているのだから、海外市場ではトヨタ車だけではなく、日本車全体のイメージへの影響という、さらにスケールの大きい問題になってしまう可能性も否定できない。
  また、自国自動車ブランドを持つ新興国などでは、これ幸いと報道も含め“日本車の品質”についての懸念などにフォーカスした物言いをしてくる可能性もある。
海外での日本車への信頼は品質の高さがあってこそ
  自動車だけではなく、ここ最近“ジャパンブランド”全体のプレゼンス(存在や存在感)低下という話を海外ではよく耳にする。日本ではインバウンド(訪日外国人旅行客)の、“日本大好き”的なコメントとともに、インバウンドの日本国内の動向を報じているが、親日国とされるタイであっても、過去に比べると日本や日本人そのもののプレゼンスは確実に低下していると、地元に長い間在住している日本人から聞いたことがある。
  日本人的な部分では、過去に比べると現地駐在員の急激な“質の低下”ともいえる部分があるとも語ってくれた(タイ以外でもとくに新興国では同じような話があるようだ)。
  海外における日本及び日本人のプレゼンスの低下傾向は部分的なものなのかもしれないが、完全否定できるものでもないようであり、日本国内で日本のメディアが報じているものとは、少なくとも違和感が出ているのは間違いないのではないかと筆者も感じている。
  そのような状況のなか、当然海外でも程度は別として今回のダイハツの問題は報じられていることだろう。日本車への信頼性の高さは優れた開発力と生産品質があってのもの。勢いのある中国車であっても製造品質ではまだまだ日本メーカーとの差は歴然ともいわれている。
  そのなかでもダイハツの問題は日本では“ダイハツという企業の問題”であるが、海外では“日本の自動車メーカーのダイハツ”となるので、受け止め方は日本人とは少々異なっているのではないかと筆者は考えている。

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