2023年を振り返るとビッグモーターにダイハツに燃料価格高騰と厳しい年に! 救いはジャパンモビリティショーの成功!!

2024.01.19 11:40
この記事をまとめると
■2023年の自動車業界はいいニュースがあまりなかった
■中古車業者の不信問題や燃料価格高騰、自動車メーカーの不正が明るみに出た
■一方でジャパンモビリティショーは大盛況であり、クルマ好きの熱意を感じることもできた
2023年はBADニュースだらけだった
  2023年は自動車業界を震撼させるニュースが世間を騒がせた1年だった。ビッグモーター、ダイハツの不正問題、年末にはVWゴルフTDIの火災などなど。
  そこで気になるひとつのポイントが、中古車の購入だと思う。新車の納期遅延で中古車人気が高まり、価格も一時は高騰。納期が早いことで売り手市場だった時期もある。
  多くの中古車、あるいは健全な中古車店はまったく問題ないと思えるのだが、ビッグモーターのようなニュースを耳にすると、中古車購入も疑心暗鬼になってしまう。その一方で、2023年10月から中古車の支払い総額表示が義務化され、購入費用については、多少は安心できるようになった(抜け穴はありそうだが)。
  筆者もそのタイミングで中古車の取材を行ったのだが、ひとつの”安心できる中古車購入方法”として、メーカーの認定中古車に行き着いた。車両は自社販売の下取り車だったりもして、素性がわかっているし、なんといっても”認定”だけに整備は万全、保証もメーカー保証となり、中古車専門店の1~3カ月ではなく、ほとんどが1年間とたっぷり。納車前点検の項目数もハンパじゃない。
  同じような中古車の車両価格が中古車専門店より多少高くても、ディーラーによる整備、メーカーによる保証の「安心」は代え難い。あとで税金などが不当に請求されることもないだろうし、下取り車の下取り価格にしても適正な価格を提示してくれるのである。過去にリコールがあっても、改修済であることはもちろんだ。これは例の火災事故を起こしたフォルクスワーゲン・ゴルフTDIにも当てはまるだろう。
  とにもかくにも、2023年にビッグモーターによって一気に噴き出した中古車不信問題は、逆に中古車業界の浄化作用に働いてほしいと願うばかりである。
2024年こそいいニュースばかりであってほしい
  そして、2023年はテスラやBMW、メルセデスベンツなどの欧米勢に加え、アジアからの電動黒船襲来の1年でもあった。つまり、アジア製BEV(電気自動車)が大挙して押し寄せたのだ。東京モーターショー改め、ジャパンモビリティショー(JMS)でのアジア勢ブースのBEVの活況ぶりからもそれは間違いないところ。一方、国産EVは、現在のところ日産、トヨタ、スバル、マツダ(ホンダの電気自動車、Honda eは2024年1月に生産終了)が粛々と発売しているだけで、なおかつ途中充電、目的地充電のインフラもまだまだ不十分。
  芸能人がテスラを買えばニュース、話題になるものの、有名人が国産BEVを買いました……というニュースはあまり聞いたことがない。つまり、日本の自動車メーカー、インフラのBEVを取り巻く環境の立ち遅れを痛感させられた1年でもあったように思えてならない。販売的に元気な国産BEVが日産サクラだけでは、あまりにも寂しい。
  で、日本では2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したプリウスに代表されるHV、PHEVを含むガソリンエンジン搭載車や、N-BOXに代表されるガソリンエンジン搭載の軽自動車が売れに売れているのが現状だが、そこにも2023年は大問題が発生。そう、ガソリン価格の高騰であり、諸物価の値上がりとともに、家計を圧迫した1年だった(電気代も上がりました)。
  そんな自動車業界を苦境に陥れる問題ばかりの2023年ではあったものの、救われたのはジャパンモビリティショーの開催だった。モーターショーではなくモビリティショーと改名し、異業種からの参加、出展も多数あり、モーターショーでは登場しなかったはずのビジネスジェット(ホンダ)を始め、空飛ぶクルマ(スバル)なども大きな話題を集め、クルマ好きならずとも、老若男女が楽しめる一大ショーとなったことは、喜ばしい限り。国内で延べ100万人を集められるイベントは、そうはない。自動車に対する興味は、まだまだ健在ということを示してくれたと思う。
  さて、上記の問題を抱えたまま迎える2024年。自動車業界の片隅に35年以上かかわる者として、もう、これ以上、自動車業界の「不正」という言葉は聞きたくない。日本の自動車業界、自動車市場(中古車市場を含む)がどう明るい方向に向かっていくのか、多くの自動車ファンとともに見守っていきたい。

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