モデルチェンジを繰り返したら売れなくなった!? かつての大ヒット車4台の販売が落ち込んだ理由

2024.01.18 13:00
この記事をまとめると
■かつては人気だったのにモデルチェンジによりいつの間にか日本での売れ行きを大きく落としているモデルがある
■大きく売れ行きを落とした理由のほとんどは海外指向を強めたことにある
■トヨタ、日産、ホンダの3メーカーから最盛期から大幅に売り上げを落としているモデルとその理由を解説
グローバルでの販売を追求した結果日本向きではなくなった
  初代モデルの発売から20年以上を経過した車種を見ると、売れ行きを下げて支持を失ったクルマが少なくない。
  その原因は、ほとんどの場合、海外指向を強めたことが災いした。以前は日本のユーザーを見据えて開発していたのに、フルモデルチェンジを繰り返すと次第に海外指向を強め、車両のコンセプト、その表現手段となる内外装のデザイン、ボディサイズなどが日本のユーザーから離れていった。そのような残念なクルマを紹介したい。
■トヨタ
●RAV4
  1994年に発売された初代RAV4は、3ドアボディのコンパクトSUVだった。全長が3695mmと短い5ナンバー車で、直列4気筒2リッターエンジンを搭載する。価格は上級グレードでも、4WDを搭載しながら189万8000円で、当時はクルマ好きの若年層が多かったから一躍人気車になった。1995年には5ドアボディも加わった。
  ところがその後は、北米を始めとする海外指向を強め、フルモデルチェンジのたびにボディを拡大させた。2005年に登場した3代目では全幅が1800mmを上まわり、登録台数も下がった。その結果、4代目は国内に投入されず、SUVブームに乗って5代目で復活したが初代モデルほど注目されていない。
●レクサスLS(旧:トヨタ・セルシオ)
  2005年にレクサスが国内で開業するまで、海外のレクサスLSは、日本ではトヨタブランドでセルシオとして売られていた。高価格車でも販売は好調で、3代目は2001年に1カ月平均約2700台を登録している。
  それが2005年以降は日本でもレクサスLSに切り替わった。2023年1〜11月の1カ月平均登録台数は約190台だから、約20年前の7%に留まる。現行LSは全長が5235mm、全幅は1900mmと大柄で、販売店からは「ここまで大柄では、駐車場に入らないお客さまも多い」という話が聞かれる。価格も全車が1000万円以上で購入しにくい。
  ちなみに2001年当時のトヨタも、海外販売比率を高めていたが、それでも65%前後であった。いまの83%に比べると少ない。セルシオ/レクサスLSは、クルマ作りが海外指向を強めて日本での売れ行きを下げた典型だ。
  国内販売店舗数も、レクサスは約170カ所で当時のトヨタ店+トヨペット店の約2000箇所に比べると約9%に留まる。悪条件が重なってレクサスLSは販売を低迷させた。
最盛期の約10分の1しか売れなくなったモデルもある
■日産
●スカイライン
  スカイラインの販売面における最盛期は1973年で、4代目(通称ケンメリ)が1カ月平均で約1万3130台を登録した。
  ところが2023年1〜11月は、1カ月平均が約190台だ。スカイラインの売れ行きは、50年前の約1.4%まで落ち込んだ。
  50年前のスカイラインは、カッコ良くて速く、しかも運転感覚やボディの大きさが馴染みやすい。自分もカッコ良く生きたい若い男性の多くが憧れる存在だった。
  クルマがツールになったいま、往年のスカイライン人気は望めないが、贅肉を削ぎ落とすことは考えていい。歩行者を検知できない衝突被害軽減ブレーキなど、手抜きも目立つ。スカイラインNISMOを追加する前に、当然の開発を行うべきだ。スカイラインNISMOは購入希望者が多かったのだから、商品力を高めてユーザーの期待に応えて欲しい。
■ホンダ
●シビック
  シビックはかつて、若年層の憧れの存在だった。とくに3ドアボディは、5ナンバーサイズながらもカッコ良くて運転しやすい。1995年に登場した6代目でも、売れ筋の3ドア1.5VTiの価格は151万2000円であった。
  1997年にはシビック初のタイプRを加える。5ナンバーサイズのボディに最高出力が185馬力(8200回転)の1.6リッターVTECエンジンを搭載して、峠道では抜群の速さを誇ったが、価格は199万8000円であった。
  それがいまは3ナンバーサイズの5ドアハッチバックになった。価格はもっとも安価な1.5リッターターボでも324万600円だ。タイプRは最高出力が330馬力(6500回転)の2リッターターボを搭載して、価格は499万7300円になる。
  このようにシビックの価格は、どのグレードでも約30年前の2倍以上に達する。当時のシビックはいまのホンダ車でいえばフィットに相当した。その結果、シビックは売れ行きも下がった。1995年は1カ月平均で約9500台を登録したが、いまは約1150台だから、約30年前の12%程度に留まる。

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