N-BOXやムーヴキャンバスが「1千万円」だと!? タイではバカ高い「日本仕様のクルマ」が富裕層に大人気だった

2024.01.12 06:20
この記事をまとめると
■タイのバンコクでは日本の軽自動車が最近人気となっている
■正規輸出はされていないので、業者が並行輸入で仕入れており価格は日本の4倍ほどだ
■タイの富裕層は「日本仕様」のクルマを好むので、大金を積んででも買うケースが目立つ
バンコクでは軽自動車が大人気!
  バンコクを訪れると、たいてい帰国前日には地下鉄フワラポーン駅で降りて、タイ国鉄のフワラポーン駅を横に見ながら、古い街並みの残るチャイナタウンを散策するのを楽しみにしている。最近では古い街並みのなかを、BEV(バッテリー電気自動車)路線バスやBYD(比亜迪汽車)といった中国系BEVが走っていたりもするが、古い街並みにマッチした旧車も数多く見かけることができる。
  そのなかで、今回はチャイナタウンでホンダN-BOXが停まっているのを見かけた。チャイナタウンだけではなく、バンコク市内ではN-BOXに限らず、日本の軽自動車を見かけることがある。そこで現地在住の事情通に聞いてみると……。
「もちろん日本の軽自動車はタイ国内に正規輸入されておりません。これらのクルマは日本仕様のアルファード&ヴェルファイアなどと同様に、現地の個人輸入業者が車両を輸入して販売しています」とのこと。
  ちなみに写真の車両ではないが、現地の某個人輸入業者のWebサイトに掲載されていたホンダN-BOX(先代型カスタム)の価格は279万バーツ(約1135万円)からという驚きの販売価格になっていた。希望するグレードやボディカラー、細かいオプションなどの仕様についてはリクエストも可能とのこと。
「この手の業者の値付けの目安では、日本での新車販売価格が100万円のモデルがあったとすると、タイでは100万バーツ(約400万円)といった感じになります(前出事情通)」。
  仮に、新型アルファードの2.5X Zハイブリッド(FF)をタイで買おうとすると、日本での販売価格は620万円なので、日本仕様を並行輸入して販売すると620万バーツ(約2500万円)になるものと計算できる(ちなみにタイに正規輸入されているアルファードは2.5リッターハイブリッドしかなく、ベーシック仕様の価格は412万9000バーツ[約1680万円]となっている)。
予算を度外視してでも日本仕様に乗りたい!
  タイでのN-BOXの販売価格を見れば、どんな人が購入しているのかは自ずとわかってくるのだが、一応事情通に確認してみると、やはり富裕層になるとのこと。「自宅にメルセデス・ベンツやポルシェなどのメインユースのクルマがあるなかで、“オシャレ感覚”で乗っている人がほとんどのように見えます」(事情通)
  さらにユーザーの絞り込みを事情通が行ってくれた。「バンコク中心部にはまだ古いお屋敷街が残っており、そのような地域のソイ(通路)は狭いです。そのため、お屋敷に住む奥さまやお嬢さんが自分でクルマを運転してお買い物へ行くときなど、『小さい軽自動車が便利』という実用性を考慮したセレクトもあるのではないかと考えます」
  2023年春にバンコクを訪れたときには、別の現地在住の知人から「ダイハツ・ムーヴ キャンバスがお金持ちの間でちょっと流行っています。ただし価格は1000万円ほどします」という話を聞いた。
  そして、たまたまバンコク中心部でピンクとホワイトの2トーンカラーのムーヴ・キャンバスが走っているのを見かけた。ムーヴ・キャンバスあたりなら、事情通の分析どおり富裕層の奥さまやお嬢さんが運転しているのかもしれない。
  タイというか、東南アジア全体に言えるのだが、同じ富裕層と言っても、日本のそれとはスケールがまったく異なり、まさに大富豪という表現が似合うほどのスーパーリッチ層となっている。日本仕様のアルファードやヴェルファイアも「金に糸目はつけないので、正規輸入モデルではなく日本仕様に乗りたい」というニーズが目立つとも聞いている。
  筆者のような日本人からすると、“軽自動車が1000万円以上”となれば、「えっ~!」となるが、正規輸入販売されておらず、1000万円以上払って乗ろうという人もいない日本の軽自動車だが、タイでは目立ち度抜群で富裕層にはコスパがいいのかもしれない。

あわせて読みたい

新型アルファード/ヴェルファイアの中古車はまだまだ暴騰中! 流通台数の少ないヴェルファイアは今後高値傾向か
ベストカーWeb
誓約書なんかじゃ意味ナシ! 悪質転売ヤー対策にメーカーがランクル250で取る「納得の手法」とは?
WEB CARTOP
世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」が追い求める「人の可能性」
antenna*
「アルファード」が売れすぎじゃねぇー!! 国産ミニバン“逆張り”上等の優秀車はこいつだ!!
ベストカーWeb
予約再開の前触れ? 価格はなんと1660万円! 東南アジアのタイでシビック タイプRが予約開始!
ベストカーWeb
昭和レトロな「アデリアレトロ」とコラボした「アデリアレトロ シーリングスタンプ」販売!
PR TIMES Topics
インドで大熱狂だった「5ドアジムニー」がインドネシアで登場……もイマイチ盛り上がらない! 裏にある日本でも根強い「原産地問題」とは
WEB CARTOP
アル/ヴェルは5穴だけど……「元祖高級ミニバン」初代エルグランドは6穴ホイールだったってマジ!? 秘密は「ベース車」にあった!!
ベストカーWeb
ピスタチオ好きも唸るほどの超濃厚ピスタチオスイーツ「ピスタチオアイスモナカ」限定販売
PR TIMES Topics
いまの価値に換算すると「軽自動車」開発の苦労がわかる! 誰もが乗れるクルマにまで成長したKカーに敬礼!!
WEB CARTOP
こんなクルマよく売ったな!!【愛すべき日本の珍車と珍技術】プレミアムミニバン市場を開拓したゆとりサイズの上級ミニバン ホンダラグレイト
ベストカーWeb
“運動×栄養×睡眠で子どもの可能性を最大限に引き出す”がコンセプトのアイテムをリリース!
PR TIMES Topics
農産物輸出大国タイで見た日本のコメ輸出の現実 日本産は高くても売れるのか?「日本食ブーム」に乗るために必要なこと
Wedge[国際]
日本車の強みは「品質の高さ」からくる「落ちない再販価値」! インドネシアで感じた中韓メーカーにはそう簡単に崩されない盤石の信頼
WEB CARTOP
カゴメの新にんじん100%ジュース、そのおいしさの秘密は!?
antenna
ついに来たー! アルファード/ヴェルファイアの最安「Xグレード」が2024年8月頃に発売だァ!! 驚愕の最安価格450万円!!!
ベストカーWeb
スズキ・スペーシア ハイブリッドX(FF/CVT)【試乗記】
webCG
世田谷のまちの雰囲気を味と香りに落とし込んだオリジナルブレンドコーヒー「まちの珈琲」販売
PR TIMES Topics
やっぱジムニーって唯一無二なのよ!! 車中泊にはスペーシアベース! おじさんにおすすめ軽SUV&車中泊車
ベストカーWeb
「いまの軽って普通車以上だよね」なんて声! それでも「軽自動車を買わない」ケースとは
WEB CARTOP
限界に挑戦し続ける姿勢とサステナブルな価値観。ヨットレース「アメリカズカップ」に世界が熱視線を送る理由
antenna*