読んでから買いに行ってほしい! ノアヴォク・ステップワゴン・セレナを全方位で比較したら「強み」がまったく違っていた

2023.12.11 17:20
この記事をまとめると
■Mクラスミニバンの3モデル「ノア&ヴォクシー」「セレナ」「ステップワゴン」を比較
■シートアレンジ、静粛性、先進安全装備などあらゆる面から各モデルを考察する
■各モデル、いい面と悪い面が異なるので、ライフスタイルに合わせて選ぶのがカギだ
大激戦区のMクラスミニバンをジャッジ!
  日本のファミリーカーの代表格の1ジャンルが、Mクラスボックス型ミニバンだ。3列シート、両側スライドドアを備え、室内は広々。家族総出のドライブ、2世代、3世代のお出かけ、子どものお友達を誘っての休日のお出かけなどに最適で、3列目席を格納すれば大空間ワゴンとしても利用でき、その使い勝手の自由度は限りない。
  そのMクラスボックス型ミニバンは現在、最新世代が揃っている。つまり、トヨタ・ノア&ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴン、日産セレナである。おおまかに言うと、ノア&ヴォクシーはついにプラットフォームを一新した4代目で、トヨタ最新の先進技術、カラクリを使った便利機能満載。ガソリン車とトヨタ自慢のHVを用意する。ステップワゴンは現在の6代目で全車3ナンバーのサイズアップを果たし、大人しめかつ初代をオマージュしたとも言える標準車と、おなじみのスパーダを用意。ガソリン車もあるが、メインはe:HEVと呼ばれるHVモデルだ。
  全車8人乗りとなるセレナは基本部分を先代からキャリーオーバーしつつ、中身を徹底的に磨き上げた新型で、クラス唯一、5ナンバーで乗れる標準車と、セレナの代名詞にもなっているエアロ仕様のハイウェイスターが揃う。パワーユニットはガソリンもあるが、100%電動駆動のe-POWERがメイン。さらに、同一車線内全車速域ハンズオフなど高度な先進運転支援技術を実現したプロパイロット2.0を装備した最上級グレードのルキシオンを用意する。
  ここでは、それぞれのミニバンの特徴を紹介するとともに、どんなニーズ、どんな人に、どれが最適かを、すべての車種でのロングドライブの経験もある筆者がリポートしたい。
  まずは、アルファードやヴェルファイア並みの顔つきの迫力、押し出し感が欲しい……というならヴォクシーがぴったりだ。とにかく新型のヴォクシーの顔つきは先代アルヴェルも真っ青な迫力、押し出し感があり、新しさ、高級感もばっちり。ステップワゴンとセレナの標準車はそれにくらべ、かなり大人しい顔つきだ。
  2列目席の豪華さ、居心地の良さで選びたい……というなら、これもノア&ヴォクシーの2列目キャプテンシート仕様である。4代目ヴォクシーの2列目キャプテンシートは、リクライナーを内側に寄せ、シート幅をほんの少し狭めた設計とし、中寄せスライドなしに”ストレート超ロングスライド”を実現。中寄してベンチシート化ができなくなった代わりに、オットマンもあるシートの豪華さ、居心地の上級感はピカイチ。
  3列目席はめったに使わないから、3列目席は格納使用が前提……というなら、クラス唯一の3列目席床下収納式のステップワゴンだ。
  ノア&ヴォクシーとセレナは3列目席の格納が左右跳ね上げ式で、格納するとリヤクォーターウインドウの視界が制限され、上部の荷室幅が狭まるデメリットがある。ただ、ノア&ヴォクシーの3列目席はワンタッチで跳ね上げ、固定までやってのけるアイディアが光る。頻繁に3列目席を格納、展開する人にはうってつけ。
  ステップワゴンの3列目席格納は、戻す際にけっこう力がいる。
ぶっちゃけどのモデルも甲乙つけ難い!
  ノア&ヴォクシー、ステップワゴン、セレナともに、HVモデルであれば、走行中はかなり静か。が、ノア&ヴォクシーに限り、3列目席はロードノイズが盛大。ドア開閉時に空気を逃がす部分が3列目席右側下にあり、そこからロードノイズが入ってくる。雨の日はさらに水しぶき音が加わり、3列目左側席は気になるかも知れない。
  よって、2列目席までの車内の静かさなら3台ともに大きく違わないものの、3列目席の静かさまで求めるなら、ステップワゴンかセレナになる。とくにセレナはロードノイズの遮断が見事(特別なタイヤを履くルキシオンを除く)で、エンジン始動時の透過音は、発電専用エンジンということもあって、クラスでもっとも静か。ステップワゴンはエンジンをまわしたときのノイズはそれなりだが、音は耳触りじゃない。ノア&ヴォクシーのエンジンを高回転までまわすとけっこう盛大。車内の静かさでベスト・オブ・ベストなのはセレナのe-POWERということになるだろう。
  Mクラスボックス型ミニバンはその大容量の室内空間、シートのフラットアレンジでのベッド長のゆとりから、アウトドア派もちろん、車中泊にもうってつけ。で、2/3列目席のフラットアレンジ性で際立つのがセレナ。ライバルより凸凹が小さく、フラットかつクッション性が良く、隙間も微小。実際、マットレスなど敷かずに、快適なベッドにアレンジできるほど。
  これはキャプテン&ベンチシート変幻自在なスマートマルチセンターシートのおかげでもある。ノア&ヴォクシーの2列目席キャプテンシートは中央に隙間ができてしまうのだが、そのようなことがないのが美点。
  アウトドア、車中泊というキーワードがでてきたところで、そうした場面で威力を発揮してくれる、車内外で1500Wまでの家電品が使えるAC100V/1500Wコンセントが付く(付けられる)のは、ノア&ヴォクシーのHVとセレナのe-POWERモデルのみ。ステップワゴンはHVでもAC100V/1500Wコンセントの用意はない(先代はあった)。レジャーユースはもちろんだが、災害時にも威力を発揮する機能だけに、あれば大きな安心になるだろう。
  いまや高速走行で便利なACC(アダプティブクルーズコントール)は軽自動車でさえ付いている時代だが、このクラスになればその制御はけっこう高度。最大設定速度はステップワゴンとセレナが0-135km/h。しかし、ノア&ヴォクシーは全車速域となっている。セレナのハイウェイスターはプロパイロット1.0(1.5と言っていい内容)だが、日産純正のナビリンク付きナビを装着すればカーブ手前制御が可能で、走行中の安心感、安全性が大きく向上。とはいえ、全車速域でハンズオフが可能なのは、価格はエルグランド並みになってしまうものの、セレナのルキシオンのみ。ノア&ヴォクシーは渋滞時の0-40km/hでハンズオフが可能となる(トヨタチームメイト)。
  ちなみに、ACCの有難みを大いに感じさせる高速道路での渋滞時の停止保持&自動再発進可能時間だが、セレナ約30秒、ステップワゴン約3秒、ノア&ヴォクシー約3分と差がある。ここではセレナとノア&ヴォクシーがリードしている。
  先進運転支援機能はセレナのルキシオンが圧倒リード……と思えてくるが、ノア&ヴォクシーも負けてはいない。全車標準のトヨタセーフティセンスに含まれるプロアクティブドライビングアシストPDAの作動に注目で、歩行者横断などを先読みするとともに先行車やカーブを検知し、自動で減速してくれる先進機能なのだが、それがACCを使わない”一般道”でも作動し、その減速感は下手にブレーキを踏むよりずっとスムースなのだから便利かつ賢い!! 一方、セレナ・ルキシオンのプロパイロット2.0は高速走行時のみに恩恵が得られる機能なのである。
  最後にドライバーの視点で見ると、山道での走りの良さならステップワゴンとノア&ヴォクシー。シートのサイドサポート性も良好だ。一方、セレナは運転席のサイドサポートがちょっと物足りない。これはシートアレンジ性にこだわった結果とのこと。とはいえ、3車ともに操縦安定性はあらゆるシーンで文句なし。財布にかかわる燃費性能はノア&ヴォクシーのHV(23.0km/L)がリード、ステップワゴン(スパーダe:HEV19.6km/L)とセレナは(ハイウェイスターe-POWER19.3km/L)ほぼ同等と見ていいだろう。
  というわけで、エクステリアデザインで選べばヴォクシー。先進運転支援機能でもプロアクティブドライビングアシストなどを標準装備するノア&ヴォクシー、次点がプロパイロット1.0搭載のセレナ。全車速域のハンズオフ機能を味わいたいならセレナのルキシオン一択。車内の静かさでセレナとステップワゴン。3列目席の快適度ではステップワゴンとセレナ。アウトドア、車中泊対応なら2/3列目席フルフラットの快適度でセレナが圧勝、つぎにステップワゴン(ノア&ヴォクシーが2列目キャプテンシートの場合)。
  ここではそれぞれのメリット、デメリットを紹介したが、ユーザーそれぞれの乗り方、使い方によっては評価が一転することもありうる。なにを重視するのか、それをしっかり見極めることが、自身にとって最善のMクラスボックス型ミニバンを選ぶポイントとなるだろう。

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