そういやなんで案内してくれる? 当たり前すぎて考えてなかった「ナビゲーションシステム」の仕組みとは

2023.10.14 17:20
この記事をまとめると
■カーナビは年々進化しており、到着予想時刻も正確な時間が出るようになった
■主に人工衛星が発するGPSというコードを利用して自車の位置を割り出している
■各所に設置されているビーコンや内臓のジャイロセンサーを使ってさらに精度を高めている
ところで「カーナビ」ってどうやって動いてる?
  運転席に座ったら、まずカーナビをセットするという人も多いですよね。目的地を検索すれば、そこまでの最短ルートからもっとも料金が安いルートなど、さまざまなルートを表示してくれたり、ルート上の渋滞や工事など、現在起こっている状況を把握してくれるので、最近ではかなり正確な到着予想時刻が出発前からわかるようになってきました。
  でも冷静に考えるとそれ、どうやって把握しているのでしょうか? 今回は「カーナビ」こと「カーナビゲーションシステム」の仕組みをご紹介します。
  まず、カーナビに必要な情報として、自車位置を特定するところから。これは「GPS」(グローバル・ポジショニング・システム)といって、もともとはアメリカが航空機や船舶などの運航を助けるために開発した、専用の人工衛星より発信された信号(コード)を受信機がキャッチし、現在の位置を特定するシステムを使っています。
※画像はイメージ
  GPSは国によって名称が変わり、ロシアのGLONASS、欧州のGalileo、中国の北斗(Compass)を含む総称はGNSS(グローバル・ナビテーション・サテライト・システム)。これが2014年12月現在の情報だと、76個の専用衛星を打ち上げているということで、そのうち日本が利用できるのはGPSとGLONASSの56個となっています。
  さらに、日本は準天頂衛星「みちびき」という、センチメートル単位での位置情報を割り出すことができる高精度で安定した衛星測位サービスを2018年にスタートしていますが、これは全世界をカバーするものではなく、日本とオーストラリアの近辺のみが対象。そのため、あくまでGPSを補うものという位置付けです。
  ではどうやって自車の位置を特定しているのか。GPSの衛星は主に内蔵する原子時計を利用した正確な時刻、衛星の位置(軌道)の情報を発信しています。この情報を受信したカーナビは、受信するまでにかかった時間から衛星との距離を計算し、現在位置を割り出します。このとき、ひとつの衛星からの信号だけでなく、4つの衛星からの情報を同時に受信して割り出しています。
  ただし、近年ではどんどん少なくなっていますが、都市部の高層ビルが林立するような場所や、海底や地下深くのトンネルなど、信号が届きにくいところもまだあります。そんなときには、カーナビが内蔵するジャイロセンサーといって、回転量を電気信号に転換して角速度を計測するシステムを使い、クルマから得られる車速信号などと合わせて、自車位置を推測しています。
  さらに、こうして得た位置情報をカーナビ上の地図に正確に表示するために、マップマッチングというシステムも使われています。
そのほかの電波も一緒に使って超高精度に!
  そしてそこに、渋滞などの情報を受信するシステムも加わります。基本的には、VICSという名称で知られている「光ビーコン」、「電波ビーコン」、「FM多重放送」の3つがカーナビに情報を送っています。主に一般道に設置されているのが光ビーコンで、進行方向の前方30km、後方1kmの渋滞や通行止めなどの規制情報などを提供。
  最近、信号待ちをしていて信号が青に変わったことに気付かずにいると、ピッなどと音が鳴って教えてくれるクルマがありますが、じつはこれも光ビーコンを活用した「信号情報活用運転支援システム(TSPS)」と呼ばれるものです。
  電波ビーコンは、主に高速道路において、ETC2.0の5.8GHz帯では進行方向の前方約1000km、2.4GHz帯では約200kmの情報提供をしています。現在、全国の高速道路上に約1600カ所が設置完了しており、今後開通する高速道路や有料道路にも設置される予定。渋滞・リンク旅行時間・規制・障害情報・SA/PA情報・簡易図形・画像・音声などがカーナビに表示され、さまざまな情報が目で確認しやすくなっています(2.4GHz帯の場合、画像・音声は除く)。
  そしてもうひとつのFM多重放送は、県単位のエリアへ広域のVICS情報を提供するもの。受信している都道府県の情報と、その隣接県との県境近辺の情報となっており、2分半あたり約5万文字相当の情報量を、5分間に2回送信しています。
  さらに、カーナビ独自での渋滞情報を活用しているものもあります。そのひとつがパイオニアの「スマートループ」。これは、スマートループを利用しているクルマから情報を吸い上げ、リアルタイムプローブサーバーで管理して、最新のプローブ渋滞情報をVICS情報をあわせて、同様にスマートループ利用者に提供するというもの。現況渋滞情報が読み取れるため、ルート探索や到着予想時刻に反映して、より正確なものがわかるようになっています。
  また、このスマートループの情報共有を行なっている自動車メーカーのサービスもあり、日産のカーウイングスはそのひとつ。利用しているクルマからの走行情報を収集して管理し、リアルタイムの交通情報配信を行なっています。
  ということで、カーナビがいかに壮大で複雑なシステムによって、私たちにルートや到着予想時刻を教えてくれているかがわかりますね。道を教えるだけでなく、こうした情報を活用して渋滞そのものを解消するような取り組みなどもあるので、さらなる進化に注目です。

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