SPECIAL INTERVIEW "TAKAYUKI SUZUI"① 鈴井貴之 「北海道で逢いましょう」<前編>

2023.09.29 12:00
北海道には、北海道時間といえるような、スローな時間の流れがあるように思います。札幌のような都市部でも、人の歩くスピードがなんだかゆっくりですし、すすきのの繁華街から住宅地も近いですから、夜もそこまで終電を気にする必要がありません。けれどそういう交通的要因よりも、北海道という土地の風土が、そのような時間の流れをつくっているのだと思っています。

私は北海道の赤平で生まれ、浪人生の頃に札幌にやってきました。10代ですすきのの街を知り、そんな北海道の時間のなかで生きてきたんです。すすきのは繁華街ですが、当時からとても安全な街で、ふらりとひとりで彷徨う(さまよう)ことができる。下調べなんかしなくたって、気になる店の扉をガチャッと開けて入ってみても大丈夫。そんなおおらかな雰囲気も、このエリアのいいところだと思います。

エンターテインメントの部分では、北海道に、札幌に足りないものは自分でつくればいい、そう思って劇団をつくったりと長年やってきました。おかげさまで大泉洋をはじめ弊社のタレントも全国的に応援していただけるようになりました。そもそも北海道民って、全国に出ていった北海道出身者をものすごく応援してくれるんです。北海道ってすごく大きいですよね。函館と釧路なんて距離的にものすごく遠い。他の都道府県を考えた時に、距離的には同じ街とは思えないほど離れた場所であっても、同じ北海道民だという意識がある。それこそが北海道という土地の風土、そこに生きる人の習性なのかもしれません。応援してくれる人が多いのがありがたいです。

歩くほどに新しい発見がある。それが今の札幌
12年前、私は生まれ故郷の赤平に家を建て、現在は週の半分を赤平の森の中で、もう半分を札幌で過ごしています。赤平で雪を眺めていると、冬の始まりと終わりで雪の色が微妙に変わってくるのがわかるようになりました。もちろん農作業や雪かきは大変ですが、そういう風景の変化、それまであまり好きではなかった雪の美しさに気が付くようになりました。ですから今は、田舎の安らぎと都会の便利さ、自分のなかで両方が必要で、2拠点生活によってすごく自分自身バランスが取れていると感じています。さらに言えば赤平の森と、札幌、そして舞台の公演などを行う東京という3つの拠点が自分のなかにあるという感覚です。

札幌だけに住んでいた頃は、住んでいるエリア以外はそこまで街を歩く、ということはしませんでした。けれど赤平にも暮らすようになり、毎週札幌に来るたびに、改めて「札幌って都会だなぁ」と感じるようになりまして(笑)、バスや地下鉄に乗ったりして、街歩きなんかを楽しむようになりました。若い人が挑戦しやすい土壌がありますから、新しい店もどんどんできてきて、「こんな店があるんだ」と見て回るのが楽しいんです。最近だと、円山エリアを歩いてみたらお洒落な飲食店がたくさんできていることを発見したり。昔、弊社のオフィスがあったすすきのの北側、南三条通りの西エリア、西6、7、8丁目あたりも昔と随分変わりましたね。なんだか素敵なスペインバルのような店もできていて、「今度行きたい!」と思っています。

私は、旅先ではどこでもよく歩く方です。国内外さまざまな場所に行きましたが、意味なく歩き回って、その土地のスーパーマーケットに入るのが楽しかったですね。歯磨き粉ひとつとっても「なにこれ、北海道と全然違う!」と興奮していました。北海道には、ローカルのスーパーやコンビニなんかも多いですから、道外からいらっしゃる方にもそうやって楽しんでいただきたいです。

番組や作品撮り、プライベートなどで色々な場所を旅するなかで、私にとってホテルは、やはりとても重要な場所になりました。1日旅先で仕事をして、あるいは楽しんで、ホテルで眠るというのはその旅の1日の仕上げ。だからこそ、こだわりたいですよね。私は特にバスルームなんかは気になりますね。こういうお風呂が好き、というものはないのですが、ホテルのバスルームはきちんと設計され、いいものが取り揃えられていますよね。当然、普通の家とは違いますから。素敵だなと思ったら写真を撮って、いつか自宅のバスルームをつくり替えるなら参考にしようと、撮り溜めているんです。

また、エレベーターを降りて、部屋に向かう廊下も好きです。ルームナンバーの表示を見てワクワクしながら部屋に向かうその瞬間。エレベーターから廊下に降りただけで、「ああ、このホテルはいいな」とわかります。これも具体的な基準があるわけではないのですが、感覚的にそう思える廊下、ホテルっていうのがあるんですよ。

hair&make=Akiho Sakai
「札幌エクセルホテル東急」のプレミアム スイートのリビングルームには、札幌のシンボル・北海道庁旧本庁舎の絵画が。大きな窓からは緑豊かな中島公園を一望できる。すすきのからもほど近く、札幌観光の拠点に。

TAKAYUKI SUZUI 1962年北海道赤平生まれ。’90年に札幌で劇団「OOPARTS」立ち上げ。その後、構成作家・タレントとして「水曜どうでしょう」(HTB)などの番組の企画・出演に携わる。映画監督として「銀色の雨」などこれまで4作を発表。2010年からOOPARTSを再始動、現在6作の舞台公演を行っている。
2023年10月4日(水)発売
新刊エッセイ『RE-START 犬と森の中で生活して得た幸せ』

予価¥1,600(幻冬舎刊)
赤平の邸宅でともに暮らすのは4匹の愛犬、グレートピレニーズのモドリッチ、トイプードルのマラドーナ、ゴールデンレトリバーのネイマール、秋田犬のタケフサ。大自然と対峙し、都会にはない困難を乗り越えた経験と犬と暮らすなかで得た「人はいつでも変われる」という確かな想い。現代社会を迷いながら生きる、すべての人に贈る人生の指南書。

【SPECIAL INTERVIEW】

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