ブタにゃみえないけど「ブタケツ」と呼ばれるのはナゼ? 「2代目日産ローレル」がいまや旧車乗りのアイドルだった

2023.09.29 11:40
この記事をまとめると
■日産の2代目ローレルは「ブタケツ」の愛称で親しまれている
■同時期のスカイラインともパーツが共通となっておりカスタムシーンでも人気だった
■現在では旧車イベントなどでアイドル的な人気となっており、中古でも高値となっている
「ブタケツ」の愛称で親しまれる日産の名車
  さてクイズです。「ブタケツ」と呼ばれる旧車の車種名は?
  クルマ好きのなかでも40代以上でないと「聞いたこと無いよ」という人も多いのではないかと思いますが、旧車好きならほぼ100%の認知度ではないでしょうか? 正解は「日産ローレル」です。
  この「ブタケツ」、正確には「C130系」のローレルの愛称で、昭和47年(1972年)から発売された2代目のローレルだけがこう呼ばれています。
  ここではそんな妙な愛称が付けられた「日産ローレル」について語っていきたいと思います。
そもそも「ブタケツ」とはなんぞや?
  まずこのC130系のローレルには、大きく分けて“2ドア・ハードトップ”と“4ドア・セダン”の2種のボディタイプがあり、「ブタケツ」と呼ばれるのは“2ドア・ハードトップ”のほうのみです。ちなみに“4ドア・セダン”のほうはそのフロントマスクのデザインから「ガメラ」と呼ばれています。
「ブタケツ」の由来ですが、リヤビューの画像を見てください。どうですか? はい、わかりませんね(笑)。この130系ローレルの特徴は、大きく盛り上がったリヤフェンダーの形状と、テールランプがバンパーに埋め込まれたことによって面積が増したトランク部分によるボリューム感のある“尻”にあります。
  この尻の大きな後ろ姿を見た当時のヤンチャな人たちの間で「ブタのケツみたいにデカいテールだな」と言われたとか言われてないとか……。個人的には別の愛称である「カンオケ」のほうがなんかしっくり来ましたが、皆さんはどっちでしょうか。
「ブタケツ」ってどんなクルマ?
「ブタケツ」ことC130系ローレルは、「ケンメリ」スカイラインの姉妹車です。内外装はそれぞれ違いますが、シャシーは共通で、エンジンや足まわりはほぼ同じ仕様です。そのため、エンジンやマフラー、足まわりのカスタムパーツも同じものが使えます。
  車格的にはスカイラインとセドリック/グロリアの間にあたり、走り重視のGT(グランツーリスモ)であるスカイラインに対して、高級車のミドルクラスモデルという位置づけのローレルという関係性になります。
  内装を見るとその違いが明らかで、黒を基調としたスポーティな雰囲気のスカイラインに対して、茶や緑系の色調のデラックス感のあるデザインのローレルといった感じです。
  それもあってか、当時のヤンチャ系の人たちの間では、実力派のポジションの人はケンメリやハコスカに好んで乗り、幹部クラスの人たちはローレルを好んでいたという話もあります。
  そんな「ブタケツ」ローレルの新車販売当時のキャッチフレーズが「ゆっくり走ろう、ローレル」だったのを知って、いまの人気の理由と比較すると「フフッ」と笑いがこみ上げてくるのは私だけでしょうか?
いまでも高値で取引される人気の旧車
キーになるワードは「SGX」
  C130系のローレルを語る際に外せないワードが「SGX」です。お察しのとおり、これはローレル特有のグレード名なんですが、「SGX」は走り系のグレードになります。実質的にハードトップのトップグレードが「SGX」で、セダンのトップグレードが「SGL」でした。「SGX」グレードの特徴は「SUツインキャブレター」を装備している点です。ほかが小径のシングルキャブレターなので、同じ2000ccエンジンでも10馬力上まわっています。
  まぁパワーは二の次で、実際はトップグレードという部分が人気の面では影響が大きかったのではないか思われます。当時はその「SGX」がひとり歩きして、ほかの車種にもバッジが貼られているというのもたまに見かけました。
なぜかウインカー(サイドマーカー)が人気アイテムに
  車種自体も旧車のなかでは上位に入る人気車種なのですが、それ以上にカスタムパーツとして引っ張りダコになった、とあるパーツがあります。それが「ローレルウインカー」です。くさび形のシャープなフォルムに段々の意匠があしらわれたメッキ仕上げの台座が付いたウインカー(サイドマーカー)が、他車種のカスタム用アイテムとして、定番と言っていいほどに大流行しました。
  デザイン自体がカッコイイのもありますが、やはり上位車種のパーツという面も大きかったのではないかと推測しています。
旧車ミーティングではアイドル的存在
  そんな「ブタケツ」ですが、もともとの販売台数が多くなかったのか、暴走族全盛期に乗りつぶされてしまったせいなのかわかりませんが、現存する個体数はかなり少ないようで、中古車市場でたまに見かけると、とんでもない価格になっていることに驚かされます。
※画像はイメージ
  いまどきは旧車のミーティングは全国各地で盛んにおこなわれていますが、それでも「ブタケツ」が参加している台数は少なく、参加している場合は憧れを持っている旧車ファンが取り囲んでいるというシーンもよく見かけます。
  いまも昔も“高嶺の花”という存在であるこのC130系のローレルの愛称が「ブタケツ」というのは、なんか皮肉な話だなと思う今日この頃です。

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