シエンタとフリード+の独占市場に強敵現る! 新型カングーを2台とガチ比較してみた

2023.04.03 10:00
この記事をまとめると
■2列シートのハイトワゴンとしてシエンタとフリード+が日本で人気だ
■ルノーから販売された新型カングーも強力なライバルとして存在する
■カングーの観音開きのバックドアは愛犬家にオススメだ
2列シートハイトワゴン、使い勝手で選ぶならどれがオススメ?
  今ではステーションワゴンに代わるユーティリティカーとして人気なのが、両側スライドドアを備えた2列シートのハイトワゴンだ。国産車としてはホンダ・フリード+と2022年に新しくなったトヨタ・シエンタの2列シート版が代表格。一方、輸入車には日本でも大人気のルノー・カングー、プジョー・リフター、シトロエン・ベルランゴが揃い踏みしている。
  ここではそんな日仏の両側スライドドアを備えた2列シートのハイトワゴンのなかから、日本勢のフリード+&シエンタと、フランス勢として最新のカングーを、ユーティリティカーとしての資質に特化して対決させてみたい。
  まず、日本勢とフランス勢の大きな違いはサイズ。フリード+、シエンタ(2/3列シート)はともに5ナンバー。3代目となる新型カングーは全長こそ4490mmとさほど長くないものの(シエンタ4260mm、フリード+4295mm)、全幅は堂々たる3ナンバーの1860mm(先代比+30mm)となった。自宅駐車場などの制約で、車幅はなるべく狭いほうがいい……というなら、これはもうフリード+、シエンタの選択しかない。
  3車はいずれも両側スライドドアを備えている。国産ミニバンなら今や片側または両側パワースライドドアは当たり前の便利装備だが、カングーを含むフランス勢にはパワースライドドアは未装備。オプションとしても用意されず、付けたくても付けられないということだ。カングーにしても大きなスライドドアだから、ノンパワーの開閉にはそれなりの力が必要となる(慣れれば問題なし)。
  こうしたハイトワゴン系のユーティリティカーはアウトドアやキャンプなどにもぴったりだが、となると気になるのはラゲッジスペースの使い勝手だろう。
  ここでも日本勢とカングーでは大きな違いがある。それはテールゲートの開き方だ。フリード+とシエンタは一般的な、上下にガバッと開くテールゲートを採用。一方、カングーの日本仕様は先代同様、ダブルバックドアと呼ばれる観音開きドアとブラックバンパーの組み合わせを日本仕様専用(クレアティフグレード)として用意している(新型カングーならではのボディ同色バンパー仕様のインテンスグレードもあり)。
  使い勝手としては、フリード+、シエンタの場合、車体後部に1m前後のスペースがないとテールゲートが開けられないデメリットがある一方、アウトドアなどでテールゲートが大きな日除けとなり、ラゲッジフロア後端に腰かけた際、雨や直射日光を防げるメリットがある。
  カングーのダブルバックドアは、片側のみでも開くことができる観音開きのため、車体後部にスペースがなくてもテールゲートを開けやすく、荷物の出し入れがしやすいメリットとともに、愛犬家にとっては、ラゲッジスペースに乗せた愛犬を下ろす際、ダブルバックドアの片側だけ開けることで、愛犬の飛び出し防止効果が得られるメリットもあり、ゆえに世界中の愛犬家に愛される1台となっている。が、フリード+、シエンタのようにテールゲートを日除けとして使えないデメリットが、アウトドアでは気になるかもしれない。もっとも、車体後方にタープを張れば解決するが。
ラゲッジの使い勝手で言えばやはりカングーが優勢か
  続いてラゲッジスペースの広さについて比較したい。フリード+のラゲッジスペースは開口部地上高335mm(標準装備されるワイパブルボード使用時720mm)。後席使用時のフロア奥行き890~1035mm(後者は標準装備されるワイパブル仕様のボード使用時)、フロア幅670~1270mm(後者は標準装備されるワイパブル仕様のボード使用時)。天井高975(標準装備されるワイパブル仕様のボード使用時)~1360mm。標準装備されるワイパブルボードの下部は地上高がごく低いものの、幅は狭く、ワイパブルボードの上面は幅が広いのが特徴。上下に荷物を積み分けられる便利さがある。
  シエンタの2列シートのラゲッジスペースは開口部地上高505mm。後席使用時のフロア奥行き840mm。フロア幅1265mm。天井高1055mm。フリード+に標準装備されるワイパブルボードと同種の、ラゲッジスペースを上下に仕切るラゲージアッパーボードは13200円のオプションとなる。
  一方、カングーのラゲッジスペースは開口部地上高570mm(実測。メーカー値は594mm)。後席使用時のフロア奥行き1020mm。フロア幅1190mm。天井高1111mm。さすがに3ナンバーボディだけに、ラゲッジスペースの容量は715リットル(先代比+115リットル)と大容量。日本勢よりもたっぷり荷物が積みこめるはずである。ラゲッジフロアの地上高はフリード+の335mm、シエンタ2列シートの505mmより高めの数値だが、世界のステーションワゴンの平均値が620mmだから、570mmといっても重い荷物の出し入れもしやすい高さと言っていい。
  また、後席を格納したときの最大フロア長は、フリード+が1600~1890mm(後者は標準装備されるワイパブルボード使用時)、シエンタ2列シート1670mm、カングー1880mm。いずれもフラット度は高く、車中泊にも適している。また、フリード+とシエンタ、そしてカングーには、純正アクセサリーとしてアウトドアで便利なアイテムも多数用意されている。愛犬家ならフリード+に用意される純正アクセサリーのHonda Dogシリーズの充実ぶりが嬉しいはず。
※Honda Dogシリーズ装着写真はフリードではありません
  補足として、走りの気持ち良さでは新型カングーのガソリンターボとフリード+。先進運転支援機能ではカングーとシエンタが一歩リードしている。
  とくにシエンタのトヨタセーフティセンスに含まれる「プロアクティブドライビングアシスト=PDA」は歩行者が飛び出してくるかも知れない……といった危険を先読みしてくれるし、ACCの作動なしで先行車との車間距離を一定に保つための自動減速機能、カーブ手前での減速機能(速度が早すぎると判断した場合)まで備わるため、極めて安全に走れるのである。
  また、カングーは電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能を始め、アライアンスの日産と共用しているであろう先進運転支援機能をカングーとして初採用。その内容は多岐に渡り、歩行者・自転車検知機能付き衝突軽減ブレーキはもちろん、ストップ&ゴー機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)、それとレーンセンタリングアシストを組み合わせたハイウェイ&トラフィックジャムアシスト、ブラインドスポットインターベンション(ブラインドスポットモニター。約70~180km/hで作動)、エマージェンシーレーンキープアシスト、オートハイビーム、パーキングセンサー&リアカメラなどをフル搭載しているのだ。その代わり、価格はそうした先進運転支援機能が皆無だった先代より大幅にUP。今や395万円~(受注生産車のゼンは384万円)と、クラスが上ということもあって日本車勢より100万円以上高い値付けとなる。
  とはいえ、カングーを所有すれば、ルノージャポンが主催するカングーの一大イベント、カングージャンボリーにオーナーとして堂々と参加できる特権(!?)が得られる。そこにフリードやシエンタでは得られない楽しみがあったりする。

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