「ロードスター」に「ロータリーエンジン」だけじゃない! マツダの魅力溢れる名スポーツカーを一気に振り返る

2023.02.10 07:00
この記事をまとめるt
■マツダのスポーツカーを一気に紹介
■ロータリーエンジンを搭載するRX-7やオープンカーのロードスター以外も魅力的だ
■いまでも根強いファンが多い
マツダには珠玉のスポーツカーが勢揃い!
  現在のマツダ車といえば、CX-5や先ごろ発表されたCX-60などSUVのイメージが強いですが、販売されているロードスター以外にも個性的なスポーツカーを多数用意していました。
  今回はマツダが販売しているロードスターに加え、過去に販売されていたスポーツカーたちを紹介していきましょう。
マツダのスポーツカー一覧(現行販売車種)
・ND型ロードスター
  4代目となる現行モデルは2015年に発表されています。ボディを拡大した先代モデルに対して“らしくない”との声が上がったためか、4代目は軽量かつコンパクトなボディを採用。エンジンも1.5リッター直4へダウンサイズされました。
  モデルチェンジ毎に大きく重くなってきたことで、初代が掲げた開発テーマ「人馬一体」を具現化した4代目がコンパクト化したのは、ある意味必然だったともいえますが、軽量化を図ることは簡単ではありません。ボディや各種パーツの設計や素材を見直し、グラム単位の軽量化を施して剛性を確保したうえで、初代以来となる1t切りを実現したのです。
  ただし、軽量化を実現するためにグローブボックスが廃止され、収納スペースが少なくなるなどユーティリティ性能が犠牲になりました。とはいえ、軽量&コンパクト化を実現した4代目の走りは抜群! とくにワインディングロードでの走りは操る楽しさを体感でき、ライトウェイトスポーツカーの良さを改めて感じることができます。
  ダイレクトなシフトフィールを楽しめる専用設計された6速MTとの組み合わせは、これぞスポーツカーと感銘を受けるほど。ただ、改良された6速AT仕様の走りもなかなかのものです。4代目は2018年にエンジンの改良や先進安全装備を標準装備とする一部改良を実施。現在も販売が続けられています。
・ND型ロードスターRF
  標準モデルの登場から約1年後となる2016年に発表されたロードスターRFは、リトラクタブルハードトップを備えたオープンモデル。3分割されたパーツからなる電動ハードトップの開閉は約13秒とあっという間の操作が可能です。
  見た目とともに標準モデルと異なるのがパワーユニット。1.5リッターエンジンを搭載する標準モデルとは違い、CX-5などに搭載される2リッター直4エンジンを選択しました。
  パワーユニットが異なるのはトップの電動化により重くなったこととともに、軽快な走りを目指した標準モデルと比べて余裕ある走りを感じさせることで、キャラクターをわける演出を図ることもその理由です。このエンジンに標準モデル同様、6速MTと6速ATを組み合わせていますが、ATはファイナルドライブを変更して高速道路などでの巡航時の回転数を下げているのが特徴です。
  そのほか、2リッターエンジンを搭載することでサスペンションなどを改良したほか、全車17インチホイールを採用しているところが標準モデルとは異なる部分となります。
マツダのスポーツカー一覧(中古車種)
・ロードスター(NA型~NC型)
  安全性などを理由に一時期、廃れていたライトウェイト・オープンスポーツカーを改めて世に広めた初代ロードスター。1989年にデビューしており、国内ではユーノス・ロードスターとして販売されていた初代はリトラクタブル・ヘッドライトを採用。1.6リッター直4エンジンを搭載していましたが、1993年に1.8リッター直4エンジンへ変更されています。
  初代は安全装備の追加などを行う改良や特別仕様車の発売を繰り返し、世界で43万台あまりを販売。2シーター・オープンカーとしては異例となる販売台数を記録しました。
  大ヒットした初代の後を受け、1998年に登場した2代目は車名をマツダ・ロードスターに変更。リトラクタブル・ヘッドライトを廃止したものの、キープコンセプトのスタイリングを採用していました。また、ビニールスクリーンだったリヤウィンドウをガラス製へと変更するなど、実用性向上が図られていたのが特徴です。
  パワーユニットは1.6リッターエンジンが復活し、1.8リッターエンジンとともにラインアップ。2003年にはシリーズ初となるクーペ仕様のロードスターが追加されています。
  3代目ロードスターの登場は2005年。当時、マツダはフォード傘下に入っており、RX-8のシャシーを用いるよう指示されていたといいますが、基本骨格や足まわりを活用しつつロードスターのプラットフォームは新規で開発されています。
  とはいえ現行モデルより大きなボディ(3ナンバーサイズ)となった3代目に落胆したユーザーも少なくありませんでした。ただ、収納スペースの数など、3代目のユーティリティはグローブボックスが廃止された現行モデルより高かったのは間違いありません。
  ただし、歴代モデル同様に前後50:50に配された重量配分やパワープラントフレームは踏襲。走る楽しさを十分備えているモデルに仕上がっていました。また、電動ハードトップを採用したロードスターRHTが2006年に追加されています。
・RX-7
  マツダのスポーツカーと聞いて連想するのはRX-7だと答えるファンはいまだに多いことでしょう。それほどまでにクルマ好きのハートを鷲掴みしたのがRX-7です。
  初代が登場したのが、排ガス規制の影響で国産スポーツカーの動力性能が失われ、そこから立ち直りを図るべく各社が奮闘していた1978年。12A型ロータリーエンジンを搭載した初代はリトラクタブルヘッドライトを装備し、スポーツカーらしいフォルムを採用していたこともあって登場以来、人気爆発。国内のみならず北米市場でも高い人気を誇りました。
  パワーユニットは、1983年にターボ付き仕様が追加され走行性能をさらに向上。一代でその名を世界中に広めました。
  2代目RX-7が登場したのは1985年です。リトラクタブルヘッドライトを初代同様に採用。エクステリアは、初代と比べ垢抜けた印象を抱くユーザーが多かったといいます。パワーユニットに13B型ロータリーエンジンを搭載したことで走行性能は大きく向上。国内はターボ装着車のみが販売されています。
  デビュー後、さまざまな改良が加えられ、エンジンの出力などが高められていった2代目には1987年にオープンモデルのカブリオレが追加されました。
  初代、2代目の成功を受け、1991年に登場した3代目は当初、アンフィニRX-7として販売されています。
  2代目同様、13B型ロータリーエンジンを搭載していましたが、シーケンシャルツインターボを装備して最高出力は255馬力まで高められています。また、3代目にはカブリオレが用意されていませんでしたが、先代の同仕様が1992年まで継続して販売されました。
  海外でレトロロケットと称された美しいフォルムを身にまとい、走行性能も進化した3代目でしたが、世の中はRVブーム真っ盛り。頼みの北米市場でも販売台数を歴代モデルほど伸ばせず、RX-7としては2003年に惜しまれつつブランドが消滅してしまいました。
・RX-8
  RX-7の後継モデルとして2003年に登場したRX-8。ロータリーエンジンを搭載するスポーツカーとはいえ、RX-7とは違って大人がちゃんと座れるリヤシートと観音開きのリヤドアを備えたことが大きな違いです。
  また、パワーユニットに新世代ロータリーエンジンと称された“レネシス”(13B-MSP型)を搭載したことも大きなトピックス。吸気および排気ポートともサイドハウジング上に配置し、充墳効率や燃焼効率を改善しつつ高回転化を実現。NAでありながら215/235馬力を発揮しつつも低燃費かつ低排出ガスを実現しています。
  このエンジンを搭載したRX-8はパワースペックを2タイプ設定しており、標準仕様は210馬力、ハイパフォーマンス仕様は235馬力をそれぞれ発揮。ベースグレードのMT仕様はいまどきのクルマに備わっている先進安全装備こそ搭載されていませんでしたが、240万円といういまでは考えられない破格の値段がつけられていました。
  とはいえRX-8もスポーツカー不遇の時代に誕生したことや、国内外の排出ガス規制に対応できなくなったことで2013年に販売が終了。2023年1月にMX-30に追加されるまで、ロータリーエンジン搭載車が消滅することになりました。
ロータリー以外も魅力的な車種多数!
・GF型マツダスピードファミリア
  ファミリア最後のモデルとなる9代目は1998年に登場。歴代モデルにラインアップされた3ドアハッチバックは開発されず、4ドアセダンと5ドアハッチバック(Sショートワゴン)のみを用意しました。とはいえ3ドアハッチバックは、先代モデルに設定されたNEOと名付けられた3ドアハッチバックが販売不振に陥ったことで、マイナーチェンジ時に追加された正統派(?)3ドアハッチバックが1999年まで継続販売されています。
  この9代目には100台限定で2001年に販売されたスポーツモデル、マツダスピードファミリアが存在しました。
  ボディカラーはブルーメタリック、ホイールはゴールドとなにやらスバル車を連想させるカラーリングを身にまとったマツダスピードファミリアは4ドアセダンをベースに開発。セダンには設定されていなかった2リッター直4エンジン(175馬力)を搭載し、エンジンや足まわりにチューニングを施し、専用のエアロパーツやマフラーを装着し走りに特化したモデルへと変貌させています。
  チューニングされたエンジンはアイドリングのばらつきが発生し、専用カムシャフトへの無償交換が発生するなど尖っていたマツダスピードファミリアは、数あるマニアックなマツダ車のなかでも異質な存在だったことは間違いありません。
・BG型ファミリアGT-R
  1989年に登場した7代目ファミリアは、3ドアハッチバック、5ドアハッチバック、4ドアセダンそれぞれのアンダーフロアを変え、まったく異なるキャラクターを与えて登場しました。そのなかで、3ドアハッチバックはもっともスポーティな役割を担い、ライバルとなるシビックやミラージュに負けない警戒なフットワークと動力性能が与えられています。
  その3ドアハッチバックをベースに世界ラリー選手権(WRC)参戦を見据えて開発されたのがGT-Xで、1.8リッター直4ターボにフルタイム4WDを組み合わせていました。しかし、パワーユニットの配置などにより、ほかの参戦車と比べてパワーアップが困難となります。
  そこで登場したのがGT-R。GT-Xの走行性能をさらに高めるべくターボの大型化やインタークーラーの配置を変更したことなどで最高出力を210馬力までアップ! さらに、大型フォグランプ内蔵のバンパー、エアアウトレットが設けられたボンネットなどを装備し、迫力ある見た目となりました。
※画像は海外仕様
  残念なことにマツダの経営悪化によるWRC撤退のため世界での活躍は果たせませんでしたが、ファミリア史上最強モデルとしてのインパクトを与えました。
・オートザムAZ-1
  1992年から1995年にかけて販売されていた軽スポーツカーのオートザムAZ-1。リヤミッドシップ、2シーター、さらにガルウイングドアを採用、と80年代に一斉を風靡したスーパーカーにも劣らない内容を備えてデビューしたため、発売時は大きな話題となりました。
  もともとは1989年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカー“AZ550”をベースに開発され、ショーカーと同様に着脱可能な外板を用意。このスケルトンモノコックと呼ばれる構造は現在も販売されている2代目ダイハツ・コペンに通じるコンセプトで、コンセプトカーでは3タイプの異なる外観を用意していました。
  ただし、市販モデルは販売が低迷したことで、コペンのような複数ボディは用意されないまま販売を終えてしまっています。
  搭載されるエンジンはスズキから供給されたF6A型660cc直3エンジンで、最高出力は64馬力を発揮。エンジンの供給元となるスズキにはキャラとしてOEM供給もされています。
  同車はトランクルームなし、リクライニングは運転席のみとかなり割り切った設計を行いましたが、それが受け入れられなかったことも販売が低迷した理由といえます。
・オートザム AZ-3/ユーノス プレッソ
  マツダが多チャンネル化を進めていた当時に存在したコンパクトクーペ。オートザムではAZ1、ユーノスではプレッソとして販売されていました。発売開始はプレッソのほうが3ヶ月早い1991年3月で、同車には1.8リッターV6エンジンを搭載したことが大きな話題となっています(AZ-3はデビュー時、1.5リッター直4のみを搭載)。このパワーユニットは、1.8リッターとしては世界初となるV6エンジンでした。
※画像は海外仕様
  全長4215mmのコンパクトなボディサイズにウェッジシェイプの個性的なスタイリングを身にまとったAZ1/プレッソは、当時のライバルたちを想定し、「レビン/トレノより優れた居住性+CR-Xよりスタイリッシュなクーペ」をテーマに開発。実際、見た目以上にリヤシートの居住空間は優れていました。
※画像は海外仕様
  しかし、バブル経済が崩壊し、RVブームが到来していた最悪なタイミングでデビューしたこともあり販売は低迷。デビューから大きな改良やマイナーチェンジを施されることなく、1998年に生産・販売ともに終了しています。
まとめ
  ロードスターやRX-7などファンからいまでも愛されるマツダのスポーツカー。ただ、メジャーではないモデルにも強い個性を放っていたモデルが存在していました。
  “らしさ”にこだわって開発されたマツダのスポーツカーは、ロードスターやRX-7以外は成功していませんが、いまだにファンから愛されている理由はそのこだわりなのかもしれません。

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