ゲーミング日本酒などを手掛ける日本酒のプロデュース会社が、伝統芸能特化劇場の設立を支援する理由とは

2023.01.31 16:08
SakeBottlers株式会社は、2021年1月25日に設立した日本酒のスタートアップ企業です。
コロナ禍で日本酒の需要が減少しているなか、もっと手軽に、もっといろんなシチュエーションで日本酒を飲むことができれば飲んでもらえるのではないか。そして既存の蔵がやれない、やらないことばかりをやる日本酒会社として立ち上げました。


なかでも、いままで飲み物はあったが日本酒がなかったシーンに向けて日本酒を提案することで「日本酒のある場所を増やす」ことが弊社のミッションとなっています。(日本酒ファンを増やす、ではないところがポイントです)


2021年3月末に「HITOMAKU」ブランドを立ち上げ、ファーストプロダクト「HAVEFUN RED、CHALLENGE BLUE」、2022年4月にゲーミング日本酒「GAMING RAINBOW」をリリース。HAVEFUN RED・CHALLENGE BLUEはアウトドアや旅行に、GAMING RAINBOWはゲーム中に飲む日本酒として、今までにない日本酒のデザインと味わい、利用シーンを展開。「自由な日本酒体験を」をキーメッセージに、今まで日本酒がなかったシーンで手軽に日本酒を飲んでもらうための日本酒をプロデュースしています。
このたび、SaleBottlers株式会社は、社団法人九段下劇場が手掛ける伝統芸能特化型劇場「鶴めいホール」の設立記念日本酒を、三千櫻酒造、結城酒造とのコラボレーションで250本限定で醸造します。
※ラベルデザインは開発中のものです


今年5月の火災で酒造施設がほぼ全焼した茨城県結城市の酒蔵「結城酒造」の杜氏で副社長の浦里美智子さんが、北海道三千櫻酒造で造る日本酒を「鶴めいホール」のためにオリジナル醸造。テーマは「再生(REBORN)」。250本限定、かつ、1期限りの限定日本酒です。無農薬雄町米100%使用となります。
日本酒のプロデュース会社が、伝統芸能特化劇場の設立を支援する理由
「鶴めいホール」は東京都千代田区飯田橋に2023年4月にオープン予定。オープンに伴い、クラウドファンディングサイト「うぶごえ」(
)でも支援を募り、日本酒もお返し品として提供します。2023年2月28日まで実施中。
伝統芸能を支える観客と芸能を継承する演者、近年どちらも減少に歯止めがかからず、このコロナ禍でさらにそのトレンドが加速しています。この流れを断ち切り、伝統芸能の未来を変えるために伝統芸能特化型劇場「鶴めいホール」を設立します。江戸の中心「九段下」に伝統芸能を見たい観客がいつでも見に行くことができ、伝統芸能を演じたい演者がいつでも演じられる場所を創ります。
そんな劇場のリターンとして日本酒を提供するのはなぜなのか。今回の企画の経緯を、SakeBottlers株式会社の代表である鈴木将之が振り返ります。


-企画の発端はなんだったのでしょうか。


鈴木:鶴めいホール設立プロジェクトの関係者と縁があり、劇場設立記念の日本酒をプロデュースしてもらいたいという依頼がありました。日本の文化として日本酒と伝統芸能は通じるものがあります。どちらも古来からの積み重ねを守りつつも新しい取り組みをすることで発展をしてきたものです。今回の新劇場の設立記念、ハレの日のお酒ということで、面白い取り組みができそうだということでお受けすることにしました。


また、弊社ブランド「HITOMAKU」の意味は、様々なシチュエーションや自分の感情の状態に合わせて気軽に日本酒を飲んでもらいたい。映画や舞台のシーンのような、様々な「一幕」になぞらえて日本酒を提供する、というものであるため、まさに舞台のためのお酒はぴったりだったのです。


なお、「HITOMAKU」は、これまで日本酒缶のみをリリースしていますが、今回は格式が必要であるため、瓶での提供をすることとしました。缶は手軽さはあるものの、残念ながら格の印象という点では瓶にまだ劣ります。


-企画の方向性が決まってから、具体化するまでにはどのようなアイディアや行動があったのでしょうか。


鈴木:伝統芸能の劇場にふさわしいテーマは何かと考えました。弊社の日本酒はテーマを決め、どんなシチュエーションで飲むかを想定し、それに沿った味やラベルデザインを決めていきます。その味を造ることができる蔵を探し、委託情報をお願いする日本酒蔵を決定しています。


今回のテーマは伝統を守りつつも、明るい未来を創るための劇場ということで「再生(REBORN)」としました。


次に飲むシチュエーションです。ハレの日の酒であり、こけら落としのふるまい酒でもあります。また、おみやげでもってかえり、家で飲むことで「新しい良い劇場だったな」と振り返られ、飲んだ人が劇場に期待を込められる。


そのため、和を感じつつ華やかな花柳界をイメージできる味が必要です。華やかな香り、甘さとシャープさ、上品さ(華やかすぎない、甘すぎない)、重さよりも軽さ。この味の実現と、何よりも「再生(REBORN)」を体現できる蔵にお願いしたいと考えました。


そこで白羽の矢が立ったのが、茨城県の結城酒造です。


-結城酒造に依頼した理由はなんでしょう。
鈴木:結城酒造は、昨年5月火災で蔵が全焼しました。けが人はいなかったものの、江戸時代に建てられた国の登録有形文化財の蔵2棟をはじめ、酒造りの設備のほとんどが焼けてしまいました。しばらくは結城酒造での酒造りはできない。そんななか、かねてから交流があった北海道 三千櫻酒造のはからいで、浦里美智子杜氏が三千櫻酒造に行き、今期は三千櫻酒造の設備を使って結城酒造の新酒を仕込んでいます。まだ時間はかかりますが、「茨城県結城市の」結城酒造は新しい姿で復活するはずです。


まさにテーマに合う酒蔵でした。


弊社商品のHAVEFUN REDは結城酒造に委託醸造している縁もあり、さっそく浦里美智子杜氏に連絡、快諾いただきました。


テーマ、シチュエーションや味の方向性を伝え、酵母や醸造方法を検討。酵母の選定は議論がありましたが、2種類の酵母をブレンドすることで上品さと華やかさの表現を狙っています。2023/1/22より仕込みが開始しています。
浦里美智子杜氏からは以下のコメントをいただいています。


『「日本の伝統」というワードは我々が携わっている「日本酒造り」にも通ずるものがあります。先人の築いた大きな文化を我々は守り、時には攻め、多くの方に伝えていきたいと思っております。今回、日本酒という形で結城酒造も携わらせていただくこととなりました。


使用するお米は「酒米として最古」と言われる「雄町米」を無農薬栽培したもの。
大吟醸クラスの50%まで磨き上げて、今回のプロジェクトのために仕込むお酒となります。


日本の伝統でもある吟醸造りで最高のお酒を醸せたらと、このプロジェクトの進行と同時にわくわくしております。情緒ある街に、日本の素晴らしき文化が建ち、多くの方々が感銘を受けるそんな空間になること、文化を生で触れ、感じられる空間であること。
劇場の歓声と盛況を心より応援しております!』


伝統芸能の「再生(REBORN)」を祝う酒を、ぜひ味わってください!


クラウドファンディングサイト「うぶごえ」(
)にて、2023年2月28日まで実施中です。
▲結城酒造 浦里美智子杜氏とSakeBottlers株式会社代表 鈴木
伝統芸能特化劇場「鶴めいホール」について
日本の伝統芸能が滅び、すべてが過去の遺産となる未来
最近の世論調査では、伝統芸能を直接鑑賞した人の割合はコロナ前で4.7%で、コロナ後では1.6%にまで落ち込んでいます。平成8年の同調査では13.2%だったことを考えると、コロナ前でも既に半分以下になっていることが分かります(文化庁調べ)。
このままでは、日本の伝統芸能は滅び、すべてが過去の遺産となります。それも、そう遠くない未来に起きるかもしれません。これは、誇張ではなく現実に起きている問題です。芸能を支える観客と、芸能を継承する演者、どちらも減少に歯止めがかからず、このコロナ禍でさらにそのトレンドが加速しています。
滅びゆく伝統芸能の「未来を変える」
滅びゆく伝統芸能の未来を変え、新たな希望の道を創っていくために、私たちは新たな劇場を設立する本プロジェクトをスタートさせました。


伝統芸能を復興させるには、観客を増やし、同時に演者を増やす必要があります。そして、観客と演者が出会う場所がなければなりません。


そこで私たちは、江戸の中心「九段下」に伝統芸能に特化した劇場を設立し、伝統芸能を見たい観客がいつでも見に行くことができ、伝統芸能を演じたい演者がいつでも演じられる場所を創ることにしました。


滅びゆく伝統芸能の未来を変え、新たな希望の道を創っていくために、本プロジェクトへのご支援ご協力をお願い致します。
新劇場での伝統芸能公演プログラム
ただ伝統芸能を上演するだけではなく、学びや驚きのある公演をオンラインを含めて実施していくことで、あまり伝統芸能に触れてこなかった方の鑑賞機会や若手演者の演奏機会を増やします。


長唄や落語などの伝統芸能の実演と解説
歌詞や言葉の現代語訳・演奏の聞きどころ・時代背景など、プロジェクター映像を使った解説と共に迫力の生演奏と実演に合わせて聞けるため、伝統芸能に触れることが初めてでも、お楽しみいただけます。
創作された時代の背景や情景、登場人物の心理が分かると、伝統芸能の面白さは倍増します!大人から子どもまで、幅広い年齢層が楽しめるように工夫を凝らし、取っつきにくいイメージのある伝統芸能を分かりやすく解説します。


若手演奏家によるジャンルを超えたコラボレーション
世界中でも当劇場でしか体験できない、全く新しい形の進化した伝統邦楽をお楽しみいただけます。
「落語で語る長唄」等、これまでになかった伝統芸能同士の新たな組み合わせや、 プロジェクター・配信を活用したVTuber等最新の技術とのコラボレーション、J-PopやJazz等のポピュラー音楽との融合等、聞く人が感動し、同時に衝撃を受けるような、新たな伝統芸能の形を模索していきます。


歌舞伎において伝統邦楽が果たしている役割を生演奏で解説
歌舞伎の映像を流しながら、黒御簾と呼ばれる効果音楽を特集します。
伝統邦楽が果たしている意外な役割が分かると、歌舞伎の新しい楽しみ方が見えてきます。生演奏で実演を聞きながら、一流の解説をお楽しみください。


劇場公演を配信
劇場に備え付けの配信設備を導入。遠方の方やコロナ禍で不安がある方等、劇場に足を運びにくい方にもオンラインで伝統芸能を感じていただけます。


学生向け伝統邦楽鑑賞会とワークショップ
地域の小・中・高生に、音楽授業の一環として伝統邦楽鑑賞会やワークショップにお越しいただきます。
新しい時代を築く若い世代の皆さんが、中世から続く伝統邦楽に触れることで「日本の美」を発見し、日本の歴史や伝統に誇りを持っていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。演奏の鑑賞だけでなく、実際に三味線や太鼓を演奏できるワークショップにも参加いただき、演奏の楽しさを実感していただけます。


お子様向け伝統邦楽鑑賞会と親子教室
未就学児童や小学校低学年を対象に、親しみやすいアニメ映像での伝統芸能を鑑賞と、その後ワークショップを行います。
ワークショップでは、三味線や太鼓をお子様とご両親で触っていただけるほか、現役伝統芸能演者の講師陣から音の出し方や楽器の扱い方についてレクチャーも受けられます。


ホールレンタル・楽屋レンタルのご利用も可能
演奏会、発表会、リハーサルとしてのホールレンタル、個人レッスンの稽古場として楽屋のみのレンタルもご利用いただけます。また、2階ラウンジ(収容人数10人程度)が第3楽屋や、打ち上げなどのお集まりとしてご活用いただけます。
劇場概要
伝統芸能を満喫できる、かつ、演者が最高のパフォーマンスを発揮できる劇場空間を用意しました。
全39席。最大の特徴として、プロジェクターを2面投影できるので、映像と合わせた演奏や演奏内容の説明が可能となっています。
舞台の形は観客が舞台を囲む特徴的な形。様々な邦楽の形式に合わせて演奏が可能な形にしました。舞台と客席が近く、お客様の反応をリアルに感じながら演奏することができます。
音響はヤマハ㈱空間音響グループに監修いただき、伝統芸能ならではの建築音響設計を行います。邦楽の良さを最大限に引き出し、”生唄の息遣い”までが感じられる音環境を目指します。
※すでに建築着手中ですが、変更の可能性があります。
■外観  
黒を基調とした格調高い外観。目白通りを曲がればそこには江戸情緒が溢れます。


■1階
【ロビー】
・シンプルながらも機能的な空間となっています。


【ホール】
◯客席
・27席。
・舞台が近く「生」での演奏の迫力が直接的に伝わります。
・ベンチシートで座る位置を定めないことにより、コロナ過における客席スペースをとりやすくしました。
・漆喰塗りの壁で優しい雰囲気に。リラックスして演奏を楽しむことができます。
◯舞台
・最大の特徴として、プロジェクターを2面投影可能。映像と合わせた演奏や演奏内容の説明が可能です。
・舞台の形は観客が舞台を囲む特徴的な形。様々な邦楽の形式に合わせて演奏が可能な形としました。
・客席と近く、お客様の反応をリアルに感じながら演奏することができます。
・音響はヤマハ㈱空間音響グループが音響監修し、伝統芸能ならではの建築音響設計を行います。邦楽の良さを最大限に引き出し、”生唄の息遣い”までが感じられる音環境を目指します。
【楽屋1】
・畳敷きに壁一面の大きな姿見を設置。演者の使い勝手を考え、余分なものはないシンプルな楽屋です。
・音出しができる防音設備。お稽古用としても利用することができます。


■2階  
【2階席】
・「天井桟敷」12席
・気軽に邦楽を体験してもらうため、通常価格よりもお得な価格で提供予定です。


【楽屋2】
・カーペット敷きの楽屋に大きな姿見。余分なものはないシンプルな楽屋で、椅子でも利用できます。こちらもお稽古用としても利用できます。


【ラウンジ】
・演奏前後で一休みできるラウンジ。観客も演者も利用できます。
・オリジナルグッズを購入できる物販コーナーもあります。
・演奏会後の軽い打ち上げや第3楽屋としてご利用いただくこともできます。


【配信設備】
・オンラインへの配信設備を常設予定です。
アクセス
住所:東京都千代田区飯田橋2-5-4
最寄り駅:JR総武線飯田橋駅A5出口より徒歩5分、都営新宿線九段下駅より徒歩4分
スケジュール
2023年4月のオープンを予定しています。
クラウドファンディングでのご支援募集は、2022年12月から2023年2月までを予定しております。
すでに2022年8月から工事に着手しており、6か月の工事期間を経て、4月にオープン、開場記念公演を目指します。
現在は解体工事、耐震補強工事が完了し、内装工事がスタートしています。  
公式Twitter、Instagramでは日々の工事の状況をリアルタイムでご覧いただけます。
Twitter:
Instagram:
SakeBottlers株式会社について
社名:SakeBottlers株式会社
代表者:代表取締役 鈴木 将之
所在地:〒111-0054 東京都台東区鳥越1-25-7
設立:2021年1月25日
事業内容:日本酒の企画、販売、及びイベントの実施
URL:
公式Twitter:
Instagram:
2021年1月25日に設立したスタートアップ。日本酒の企画・販売、委託しての製造、イベントの実施を主な業務としています。社名はウイスキーにおけるボトラーズの役割(蒸溜所から原酒を樽ごと購入して独自に熟成やブレンドをして瓶詰する)を日本酒で行うことから名付けました。

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