販売終了から20年が経ったいまでも「最良のジムニーは2代目だ!」の声も多い! 2代目スズキ・ジムニーがいまだ愛されている理由

2023.01.13 07:00
この記事をまとめると
■販売終了から20年以上が経過している2代目ジムニーだが中古車市場では高い人気を誇っている
■2代目ジムニーは1981年から1998年まで17年間に渡って発売されておりバリエーションも多い
■2代目ジムニーを振り返り、いまだファンから愛されている理由を探る
初代からの継承と進化で軽オフローダーの第一人者となった2代目
  2018年に登場した4代目ジムニーはいまだに人気が高いうえ、世界的な半導体不足の影響もあり登場してから4年以上経過した現在でさえすぐには納車されない状況が続いています。
  そんな状況に業を煮やし現行モデルが購入できないなら旧型を購入しよう、と考えるジムニーファンが求める中古車は3代目となる先代ではなく、2代目だとか。販売終了からすでに20年以上が経過した2代目ジムニーがいまだにファンから愛される理由を探ってみました。
2代目ジムニーとは
  2代目ジムニーは1981年5月にデビューしました。初のモデルチェンジとなった2代目は、初代と比べ多くの面で改良が施されていましたが、ラダーフレームやリジットアクスル式サスペンションなどは継承されています。
  デビュー以来、2代目は多くの改良が加えられ3代目にバトンタッチするまでの1998年まで17年間販売が続けられました。
  ファンなどからは第一期、第二期などと区別されるほど改良により進化していった2代目は軽オフローダーの第一人者として確固たる地位を獲得。現在に繋がるジムニーの人気とキャラクターを定着させた貴重なモデルです。
ボディサイズ&ボディタイプ
  軽自動車のジムニーは全長3195×全幅1395×全高1710mmと当時の軽自動車サイズ枠いっぱいで登場しました。初代に比べ全幅が100mmワイドになっているのが特徴です。この拡幅は悪路走行時にロール角の限界が向上する利点を備えたこととなりました。もちろん、ワイドになったことでデザイン的にも迫力が増しワイルドさが強調されています。
  デビュー時に用意されたのは、ソフトトップのハーフメタルドア、フルメタルドア、キャンパスドア、そしてメタルトップバンの4タイプ。初代に設定されていた後席横向き3名乗りは2代目では廃止されました。
  現行モデルとは異なるのが、いずれのボディも4名乗車の商用車登録となっていること。初代に比べオフロード性能だけでなくオンロードでの快適性も重視したこともあり、メタルトップバンに人気が集まりました。
  メタルトップバンは前後・左右に大型のウインドウを採用し広大な視界を確保。上級モデルには、初代と比べ快適装備が充実していたこともあり都市部のユーザーからも注目を集めています。
  そう、2代目がオンロード性能や快適性に力を入れたことが、現在まで続くジムニー人気を確立したのです。
シャシー&パワーユニット
  シャシーは初代同様、梯子式フレームシャシーを採用しました。その構造は角型鋼管フレームをクロスメンバーで補強したもので、メーカー曰く「オフロード走行時のボディの“しなり”まで計算しつくした強じんな骨格」と自負しています。
  フレームとボディの接続部をマウントする材質を見直したことでフルフローティング化を実現。悪路での突き上げなどが室内に直接伝わることをおさえたことは快適性向上に大きく役立ちました。
  またオンロード性能だけでなく、当然のように悪路走破性を重視した2代目は、ロードクリアランスは220mmを確保。デパーチャーアングルは36度、アプローチアングルは43度をと大きな対障害角度を備えていました。
  パワーユニットは2サイクルLJ50型直3エンジンを搭載。このエンジンは初代ジムニーの海外向けモデルに搭載された直4・800ccエンジンから1気筒減らし3気筒化したもの。初代にも採用されていましたが、最大トルクなど出力特性の改善やパワーアップが図られています。
  エンジンに組み合わされるトランスミッションは4速MTのみが用意され、高・低速二段切換式トランスファーは初代から引き続き採用されました。
  またトランスファーや最終減速比が初代より低く設定されたことでドライバビリティが向上。オンロード、オフロードともに走行性能や快適性能が初代から進歩しているのが2代目の大きな特徴です。
改良と派生モデルによる豊富なバリエーション
デビュー後の進化
・第一期
  先ほどお伝えしたように2代目ジムニーはさまざまな改良が加えられ17年間販売されました。デビュー後、どのような改良が行われていったのでしょうか。
  最初の大きな改良は1983年に行われたマイナーチェンジでフロントブレーキがドラムからディスクへ変更(一部グレードはドラムを継続)されています。合わせてキャンパスドアが廃止となりました。
  1984年のマイナーチェンジではインパネの素材や室内装備が変更。エンジンも点火系などで細かい変更がなされています。
・第二期
  2代目の第二期と言われているのが2サイクルエンジンから4サイクルエンジンに変更された1986年から。このエンジンにはジムニー初となる電子制御燃料噴射装置も備わっていました。シリーズ初となるF5A型直3・4サイクルエンジンは最高出力42馬力(グロス)、最大トルク5.9kgmを誇り、新たに搭載された5速MTとの組み合わせで俊敏な加速力はもちろん、ジムニーに求められる登坂性能も大きく向上しました。
  とくに高速道路での走行時、静粛性が増したことはさらなる人気向上に繋がっています。また、フロントにディスクブレーキが装備されたことも大きなトピックスといえるでしょう。
  1987年にはターボ付き使用が追加され最高出力が52馬力(グロス)までアップしました。
・第三期
  4サイクルエンジン搭載に続く2代目の大きな改良は軽自動車の規格拡大が行われた1990年のマイナーチェンジ。このマイナーチェンジで前後バンパーを大型化。新たな軽自動車規格サイズへボディを拡大しました。同時にサスペンションスプリングやダンパーを改良したことで、乗り心地や操縦安定性の向上を実現しています。
  ボディの拡大とともに変更されたのがエンジン。660ccに拡大した新開発F6A型直3エンジンはインタークーラーを全車に装備。最高出力55馬力を誇っていました。
  このエンジンは、1991年の一部改良で最高出力が58馬力に向上。1995年のマイナーチェンジにより、アルトワークスらと同様の最高出力64馬力にまでアップしています。
・第四期
  見た目は別として、2代目が大きく変わったのが1995年のマイナーチェンジ。オンロード性能をさらに高めるため足まわりを一新したのです。初代から受け継いできたリーフリジットのサスペンションから3リンクリジットアクスル式コイルスプリング式へと変更。
  サスペンションの変更とともにシリーズ初となる5ナンバーの乗用車仕様が追加設定されています。この変更はジムニー最大のライバルとなった三菱のパジェロミニが登場したことが大きな要因となっています。
  初代比では快適性や乗用性が大きく向上した2代目でしたが、パジェロミニはジムニーよりもそれらの性能が高く、RVブームの真っ只中の当時、大きな人気を得ていたのです。
  マイナーチェンジでの変更はサスペンションだけでなく、エンジン、4WDシステム、3速ATの採用など多岐にわたっていました。また5ナンバーの乗用仕様は前後シートも改良。後席は人が乗ることを考慮し、上質なセパレートタイプのシートを装備しました。
ワイドボディを備えた普通車を設定
  2代目ジムニーのトピックスのひとつとしてワイドボディ版が設定されたことも挙げられます。初代にも輸出仕様をベースにしたジムニー8がラインアップされましたが販売は成功しませんでした。捲土重来というわけではないでしょうが、2代目をベースにいくつかの登録車が設定されましたので、そのモデルたちを紹介していきましょう。
  まず2代目の輸出仕様をベースに開発され1982年に登場したのがジムニー1000。ワイドなオーバーフェンダーや大型前後バンパーを装着。8スポークホワイトリムホイール&195SR 15インチタイヤでジムニーと見た目の差別化を図っていました。
  ボディバリエーションもジムニーに用意されていなかったピックアップ仕様を加えるなど計4タイプを用意。小型オフロードモデルとして注目を集めました。
  そんなジムニー1000は1984年に登場した発展版、ジムニー1300へバトンタッチします。ジムニー1300は、カルタスなどに搭載されていたG13A型1.3リッター直4エンジンを搭載。乗用性能を重視した5ナンバー車も設定されました。
  ただ、ジムニー1300は1988年に生産、および販売を終了。これは初代エスクードがデビューしたたことが大きな要因となりますが、ジムニーをベースとしたワイドボディの普通車は廃止されてしまいました。
  しかし、ジムニー1300の販売終了から5年後となる1993年、ジムニーシエラの車名を付けた普通車が突如復活!
  現行モデルにも設定されているシエラとは、オーストラリア向けの輸出仕様に使われていた名称です。名称が変わったとはいえ、その内容はほぼジムニー1300で、エンジンがG13B1.3リッター直4に変わったことが大きな違いです。
2代目の中古相場
  執筆時点での情報となりますが、2代目ジムニーの中古車は全国で870台が販売されており、中古相場は16〜225万円。年式や走行距離によって価格が異なりますが、200万円を超える車両はカスタムされたモデルが多く、ノーマル仕様でもっとも高い価格がついていたのは、1996年式で走行距離6.5万kmの中古車で185万円でした。
  エンジンが660ccとなった第三期以降のモデルは価格が高く、15万kmを超える走行距離の車両でも130万円ほどの値がつく車両が珍しくありません。一方、先代モデルとなる3代目の中古相場は10〜230万円。こちらも価格が高い車両はリフトアップなどのカスタムが施されており、ノーマルの車両で一番高値がついていたのが2015年式の走行距離0.7kmの中古車で198万円。
  2代目と比べ人気が劣ると言われる3代目は、年式が古いモデルであれば50〜100万円で状態が良い車両が購入できるなど、比較的リーズナブルな価格となっています。
  ただ、この3代目も人気は高くなりつつあるとのこと。購入するならいまが良い時期なのかもしれません。
まとめ
「最良のジムニーは2代目だ!」といまだに主張するジムニーファンは少なくありません。しかし、一概に2代目といっても改良時期により性能や内容が異なることがわかります。
  4代目である現行モデルのフォルムは初代や2代目の印象を備えていますが、4代目がいまだに高い人気を保持しているのは、2代目の存在があったからこそ。改めてですが、2代目ジムニーの存在はとてつもなく大きかったとの印象を受けました。

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