パセリは2年草で、翌年に花が咲くまで、一年を通じて収穫できます。生育適温は15~20℃、発芽適温は15~23℃で、植えるのに適しているのは春と秋。この記事では、秋に植えて冬に収穫する方法を紹介します。
準備するもの
パセリの苗
プランター(深さ15cm以上の長方形)、もしくは5号(直径15cm以上)の鉢
野菜用培養土(プランターの深さ10cmくらいになる量)
鉢底石
移植ごて(小型の園芸用シャベル)
化成肥料
園芸用ハサミ
じょうろ
パセリの苗を選ぶときのポイント
葉は濃い緑色で、枯れた部分がない健康な苗を選びましょう。
植え穴掘り
プランターに培養土を入れ、20cm間隔で、植え穴を掘ります。さらに穴にたっぷり水を注ぎ入れます。
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パセリは鉢でも育てられるので、キッチンで栽培することもできます。
植え付け
パセリは移植を嫌うので、ポットから取り出したら根鉢を崩さないようにやさしく植え付けましょう。株元を土よりやや高めにして植え、土を寄せます。株元を軽く押さえたら、プランターの底から水が流れるまでたっぷり水を注ぎ、2~3日は日陰に置きます。
株元を土よりやや高めにして植え、土を寄せて軽く押さえる
追肥
成長しはじめたら、2週間に1回を目安に化学肥料10gを株元に施し、土寄せをします。南向きの暖かい場所で育て、乾燥に弱いので、水切れしないように注意しましょう。
収穫
本葉が15枚以上出てきたら収穫です。外葉から順に、必要な分だけ摘み取ります。根元からハサミで切り取っても構いません。収穫後は、軽く追肥・土寄せをします。その後、液肥を1週間に1回程度与えながら、新葉の育成を促します。
花芽を摘み取る
花が咲くと茎葉が硬くなるので、花芽は早めに摘み取りましょう。
パセリの病害虫と防除法
パセリの害虫として有名なのは、アブラムシとキアゲハの幼虫です。
〈アブラムシ〉
・農薬を使うほか、霧吹きなどで勢いよく水をかけて洗い落とす。
〈キアゲハの幼虫〉
・割り箸などでつまんで、すぐに駆除。
<春植えの場合>
4~5月に植える。
栽培方法は基本的に秋植えと同じ。
夏場は、特に水分を十分に与える。
風通しの良い涼しい場所に置く。
夏は北か東側の強い日差しを受けないところに置く。
最後に
採れたてのパセリをスープやドレッシングなどで味わってみてください。藤田 智さんプロフィール
藤田 智
恵泉女学園大学副学長
1959年秋田県湯沢市生まれ。宮澤賢治に憧れ、岩手大学農学部に入学し、同大学院修了。向中野学園高校教員、恵泉女学園園芸短期大学助教授を経て、現職。専門は、園芸学、野菜園芸学。野菜栽培に関連する著書は140冊を超え、「NHK 趣味の園芸 やさいの時間」や日本テレビ「世界一受けたい授業」などのTVにも多数出演する。家庭菜園や市民農園の指導、普及活動を通じて、野菜づくりの楽しさを広げる取り組みを行っている。
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洋食の付け合わせとして添えられることが多いパセリ。セリ科の野菜で、西洋では紀元前から食用にされていました。料理に香りや彩りを加えるために添えられることが多いのですが、ビタミンAのもととなるβ-カロテン、ビタミンC・Eやカリウム、カルシウムなどのミネラル類がたっぷりの野菜なので、ぜひ残さずに食べましょう。
最終更新:2023.01.03
文:アーク・コミュニケーションズ
写真:谷山真一郎
監修:藤田智、カゴメ
出典:
『野菜とハーブのプランター菜園』藤田智監修(ブティック社)
『NHK趣味の園芸 やさいの時間 藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修 NHK出版編(NHK出版)
『ベランダですぐ始められる コンテナで野菜づくり』藤田智著(日本文芸社)
『必ず収穫できる 藤田智の野菜づくり入門』藤田智著(実業之日本社)