電動SUVの2台は隠れ兄弟車! 日産エクストレイルと三菱アウトランダーはどっちを買うのが正解か徹底比較した

2022.11.27 17:20
この記事をまとめると
■日産エクストレイルと三菱アウトランダーはミッドサイズSUV
■いずれもCMF-C/Dモジュラープラットフォームを採用
■どちらを買うのが正解か、さまざまな側面から比較してみた
じつはプラットフォームを共用する2台!
  新型エクストレイルの登場でますます過熱する国産ミッドサイズSUVだが、じつは新型エクストレイルと三菱アウトランダーは、もちろん、上屋やパワートレインはまったく別物であることは、一目瞭然だが、日産・三菱・ルノーのアライアンスによるCMF-C/Dモジュラープラットフォームを共用する兄弟関係!? の間柄なのである。ちなみにパワートレインは日産がe-POWER、三菱はPHEV、ルノーはE-TECHハイブリットを主力としている。
  ここでは、日本車同士の日産エクストレイルと三菱アウトランダー、どっちを買えば正解かを検証したい。どちらも走破性自慢のSUVであることに変わりはなく、日産はe-4ORCE、三菱はS-AWCの先進的な4WDシステムによって、少なくとも日本でその走破性の実力を100%発揮するようなシーンは、特別な特設悪路コースでもない限り、ないと言っていい。最低地上高はエクストレイルの4WD、e-4ORCEが185mm、アウトランダーが基本、200mmとなる。
  パワートレインはまったく別物だ。エクストレイルは3気筒VC(可変圧縮比)ターボによるシリーズハイブリッド、100%電動駆動のe-POWERであり、発電用エンジンは1.5リッター、それに駆動用のフロントモーターを組み合わせ(2WD車)、e-4ORCEはさらにリヤモーターが加わる。一方、全車4WDのアウトランダーは充電も可能なPHEVであり、エンジンは2.4リッター、フロント&リヤモーターの組み合わせとなる。ここではスペックについては言及しないが、どちらも必要十分以上の動力性能の持ち主と言っていい(リヤモーターは偶然にも同スペック!!)。
  大きく違うのは動力源で、エクストレイルはe-POWERだから100%電動駆動。発電のためにエンジンがかかることはあっても、駆動はあくまで強力なモーターとなる。一方、アウトランダーは駆動用バッテリーとエンジンの併用であり、エンジンは発電と駆動を担い、モーターのみによるEV走行可能距離は満充電でWLTCモード83~87km、実質65~70kmだ(EV走行可能最高速度は135km/hまで)。ちなみに両車ともに、WLTCモードで最大1000km程度の航続距離を持ち合わせる。
  ボディサイズはエクストレイルが全長4660×全幅1840×全高1720mm。アウトランダーは全長4710×全幅1860×全高1740mm。エクストレイルのほうがやや短く、幅狭だが、大きな違いはない。走りやすさに直結する最小回転半径はエクストレイル5.4m、アウトランダー5.5mとこれまた互角。基本プラットフォームが同じだから、このあたりが似通っていても当然かもしれない。
  エクステリアデザインははっきり言って好みで選べばいいと思うが、どちらにもある3列シート車の3列目席に期待は禁物だ。ホイールベースはエクストレイル、アウトランダーともに2705mmで、国産3列シートミニバンのハイエンドであり、3列目席にも大人がしっかり座れるアルファードの3000mmとは大きく違う。乗降性も居住性も座り心地も、あくまで格納前提の補助席的でしかなく、3列目席を使うことで荷室の奥行きはエクストレイルで330mm、アウトランダーに至っては220mmとなり、フル乗車でアウトドアへ……なんていう場面での荷物など積み込みは難しい。3列目席は近所の送り迎え程度の実用性でしかないと考えたい。
どちらを手に入れても正解
  インテリア、というか、ドライバー視点で見たコクピットの雰囲気はけっこう違う。ともに液晶メーターパネルは一般的なフード付きで、その左横に大型ディスプレーを配置するものの、先進感ではエクストレイル、上質な中にもタフネスさがある仕立てなのがアウトランダーだ。
  居住性については、1/2列目席の広さを確認したい。身長172cmの筆者のドライビングポジションで、エクストレイルは前席頭上に180mm(サンルーフ:SR)、後席頭上に150mm(SR)、膝まわりに235mmとなり、後席のフロアはやや中央に凸があり、最上級グレードのGなら3ゾーンとなり後席の独立温度調整も可能なエアコン吹き出し口、シートヒーター、ロールサンシェードを完備。アウトランダーは前席頭上に170mm(SR/SRなしは240mm)、後席頭上に170mm(SR)、膝まわりに250mmとなり、Pグレードは3ゾーンエアコンを完備して後席エアコン吹き出し口の温度調整が可能。もちろん、シートヒーター、ロールサンシェードの用意もある。よって、後席(2列目席)の広さで言えば、アウトランダーがやや有利と言えそうだ。
  では、2列シートの場合のラゲッジルームの広さはどうか。エクストレイルは奥行き920mm、実用幅1090mm、最低天井高790mm、後席格納最大奥行き1940mm。アウトランダーは奥行き970mm、実用幅1070mm、最低天井高980mm、後席格納最大奥行きフロア長1845mm。数値の差こそあれ、どちらも大容量であることに変わりなく、身長180cmの長身の人でも車中泊が可能ということだ。
  走行性能は、どちらも動力性能、乗り心地、車内の静粛性、そして走破性ともにハイレベルであり、比較はもう好み……でしかない。e-4ORCE とS-AWCの4WDシステムが、オフロードの走破性だけでなく、オンロードにも向いていて、操縦安定性、回頭性、走りの気持ち良さにもこだわっている点もまた両車、共通である。
  ちなみにエクストレイル、アウトランダーともに、アウトドア、非常時に役立つAC100V/1500Wコンセントを用意。その数はエクストレイルがラゲッジルームに1個、アウトランダーはフロアコンソールとラゲッジルームの2カ所という違いはあるが、車内外でコーヒーメーカーや湯沸かしポットなどの家電品が使える便利さがあるのは同じである。
  最後に忘れてはいけない価格比較だが、エクストレイルのお薦めベースグレードがXで349万9100~。最上級のGでも429万8800円~。一方、アウトランダーはお薦めのG グレード5人乗りで495万9900円~と、ここはシリーズ式ハイブリッドと、充電もできるPHEVとの違いで価格帯が異なってくる。充電不要にして電動車感の強さ、SOSコールなどのコネクテッド機能ならe-POWERのエクストレイル、車格感とAC100V/1500Wコンセントなどの装備の充実度、価格帯、デザイン、イメージからの上級感ならアウトランダーということになるだろうか(エクストレイルも先代に対して一気に高級になっているが)。
  なお、エクストレイルはナビリンク付きプロパイロットを、アウトランダーもナビリンク付きMIパイロット(日産プロパイロットの三菱版)が搭載され、先進運転支援機能の充実ぶりはほぼ同等と言っていい。
  いずれにしても、500万円以下の先進的な電動SUVとして、どちらを手に入れても、家族や愛犬との幸せなカーライフ、アウトドアライフが送れ、走行性能にも大満足できること間違いなし、正解の2台だと断言できる。

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