見た目からは想像できない車内に衝撃! 広くて開放的で快適すぎる「これぞニッポンの業」的なコンパクトカー4選

2022.11.08 11:40
この記事をまとめると
■国産コンパクトカーのなかから後席の広さや快適性が高いモデルをピックアップ
■スズキ・ソリオに至ってはジャーナリストが思い描く理想の1台に仕上がっている
■ホンダ車はシートの構造や後席の広さに光るものがある
後席の快適さが光るコンパクトカーを集めてみた
●ホンダ・フィット
  予算、サイズ、取りまわし性などの要件から、国産コンパクトカーを選ぶにしても、できれば同乗者の快適性も重視したい……そんなコンパクトカーの筆頭に挙げられるのが、現行モデルとなる4代目のホンダ・フィットだ。
  なによりも「心地良さ」を新たな価値としたコンパクトカーであり、室内はモダンで明るい、まるでリビングルームのような空間だ。運転席はもちろん、助手席でも薄くほぼ水平のすっきりしたインパネデザイン、斜め前方視界をまったくジャマしない(その存在に気づきにくいほどの)極細Aピラーがもたらす視界、居住感覚は、まさに「心地良さ」あるものと言っていい。
  先代フィットのウイークポイントのひとつでもあった前後席のかけ心地も劇的に向上している。その理由は、新シート=ボディースタビライジングシートの採用だ。ボディースタビライジングシートとは、シートに座るヒトの研究から、疲れにくい着座姿勢と支え方を突き止めた考え方に基づくシート設計で、キーポイントは骨盤を安定させることにあるという。そうした視界、インパネ&Aピラーのデザイン、シートによって、フィットは助手席でもすこぶる爽快、快適な居心地が得られるのである。
  具体的には、先代のSバネ式からMAT面構造を用い、骨盤を安定させる機能を持たせ、シートクッション厚はアコードのシート並みの、先代比で前席が+30mm、後席で+24mmの厚みとしているのだ。実際、前後席ともに、ファブリックシートであれば、お尻がふんわり沈み込むようなソファ感覚の心地よいかけ心地を実現している。
  また、フラットフロアで足の置き場の自由度が高い後席も文句なしだ。従来の便利すぎるダイブダウン格納、チップアップ機能はそのままに、これまたソファ感覚の心地よい着座感を実現するとともに、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で頭上に120mmはともかく、膝まわりスペースに世界のコンパクトカー最大級の320mmものスペースが確保されているのだ。これなら4人乗車でも全員がゆったり、快適にドライブが楽しめるはずである。
  e:HEVモデルであれば、静かに、そして滑らかかつ伸びやかな加速感が得られ、速度を増していってたとえエンジンが始動しても、エンジンノイズの透過音がきわめて小さく、それを気づかせないほどなのだ。乗り心地にしても、15/16インチのタイヤサイズを問わず、路面を問わず、フラットで、新型のコンセプトどおりの心地よい、マイルドな乗り心地に徹している。シートの分厚いクッション感を持つかけ心地の良さとの相乗効果で、コンパクトカーらしからぬ、もっとずっと上級、大型のクルマに乗っているかのような快適感をもたらしてくれるのだからゴキゲンだ。
●ホンダ・フィットクロスター
  そんなフィットでも、さらなる乗員全員の快適感が得られるグレードがある。それがフィットクロスターだ。フリードにもクロスオーバーモデルのクロスターがあるが、こちらは最低地上高をフィットの135mmから160mm(FF/4WDは155mm)に高めているのが肝。
  なんちゃってクロスオーバーではないのである。結果、フィットと変わらない助手席、後席の居心地の良さに加え、25mm高い着座位置、視界によって、さらなる爽快なドライブが可能になるというわけだ。RSの追加で話題沸騰のフィットだが、標準モデル、クロスターの実力の高さを忘れてはいけない。
あまりの広さにミニバン顔負けか⁉︎
●スズキ・ソリオ
  運転のしやすさからコンパクトで視界が良く、小まわりの利くクルマがマスト。駐車スペースの事情で車幅はできるだけ狭いほうがいい。しかし、室内空間は広いほうが良く、家族のためには後席の乗降性の良さは譲れない……。そんな、一見かなえられそうもない要望を満たしてくれるコンパクトカーがスズキ・ソリオ。両側スライドドアと使いやすさ抜群のパッケージを備えた5ナンバーサイズのプチバンと呼べるコンパクハイトワゴンだ。
  コンパクトハイトワゴンだけに、シートの着座位置(視界)は高く、運転席はもちろん、助手席、圧巻の広さを持つ後席でも爽快なドライブ感覚が得られる、コンパクトカーとして、実用車として理想的な1台に仕上がっているのである。前席はセパレートシートで、かけ心地の良さはもちろん、運転席と助手席の間にスペースがあることで、バッグなどが置けるだけでなく、車外に出ることなく後席へ移動することも可能となる使い勝手の良さが光る(前後席スルー/左右のスルーもOK)。
  子供やペットのケア、あるいはフロントドアを全開できない場面で、後席のスライドドアから乗り降りできるメリットも絶大だ。また、運転席のシートサイドには、スマホを入れておくのにもちょうどいいポケットがあり、USBソケットとの位置関係もしっかりと計算されているから便利この上なし!(助手席の人も利用できる位置にある)。室内高は1360mmと、スーパーハイト系軽自動車のスペーシアの1410mmほどではないにしても、フロントウインドウからの高く開けた視界とともに、天井の高さが開放感ある居住感覚を、助手席の人も味わえるのである。
  そして、特等席と言えるかも知れない後席も広く、快適だ。まず、両側スライドドアは開口部幅640mm、開口高1220mmと広大。ステップが地上365mmと低いこともあり、誰もが(ペット含む)スムースに乗り降りできる。そして、フラットフロアの後席に着座すれば、もう圧巻の広さ、快適感に満足できるはずである。何しろ身長172cmの筆者のドライビングポジション背後に着座すれば、頭上に約215mm、膝まわりにMクラスボックス型ミニバン並みの最大約360mm(後席スライド位置による)ものスペースが確保されていて、感覚としては「前席が遥か遠い……」と感じられるほどである。
  そして、軽自動車ならハスラーがそうであるように、乗り心地もまた一流、というかクラストップレベル。ボディ剛性のUPに直結する構造用接着剤をボディ各所に用い、先代では前側だけだったサスペンションのウレタンブッシュを前後に用い、高応答タイプのダンパーを奢ったほか、リヤサスペンションのストロークを増やしたことで、しっかり感とマイルドなしなやかさを両立した上質なタッチを示してくれるのだから終始、快適。とくにマンホールや段差越えでの見事ないなし方は、クラスを超えていると断言できるほどだ。
  さらに驚くべきは、走行中の静かさだ。ルーフに高減衰マスチックシーラーを使い、すべてのピラーに発泡剤=バッフルを充填、リヤフェンダー内にライニングを追加したことで、雨音やロードノイズを大きく低減しているのだ。実際、荒れた路面や雨のなかの走行を経験しているが、車内の静かさは、先代、ライバルに対して2ランクアップという印象が持てるほどである。これならスーパーハイト系軽自動車からのステップアップとしても、前後席ともに納得のいく広さと快適感が得られるに違いない。個人的には理想的なコンパクトカーだと思っている。
●ホンダ Honda e
  最後の1台は、同乗者を助手席の1名とした場合の、助手席でさえ快適、先進すぎる1台として、ホンダのBEV、ホンダeを紹介したい。
  とにかく前両席の居住感覚が新鮮すぎる。世界初の5つものスクリーンをダッシュボード左右いっぱいに水平配置するワイドビジョンインストルメントパネルによって、運転席はもちろん、助手席でもワイドスクリーンの世界を共用できるのである。解放感あるスカイルーフ装着車であれば、前席の解放感もさらにUP!!
  もちろん、セパレートタイプの前席のかけ心地も素晴らしい。モダンリビング感に満ちたインテリアにふさわしい、ソファのようにフワリと沈み込むクッション感、背中を包み込むような背もたれのサポート感が心地よく、聞けば、上級車のアコード(以前のモデル)のシートフレームを使っているのだというのだから贅沢だ。
  そして乗り心地に関しては、ベースグレードの16インチタイヤ装着車が、さらなる快適感という意味では相応しい。17インチのスポーツタイヤを履くアドバンスグレードに対して車重減もあって都市部での走りの軽快感が高まり、より爽やかな走行感覚を実現している印象だ。標準で装着されているタイヤ、ヨコハマ・ブルーアースAによる乗り心地も素晴らしく、しっとりマイルドで上級感を演出。ロードノイズの小ささもこちらが上手で、静かで快適に走る乗用EVらしさという点で上まわる印象なのである。

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