この記事をまとめると
■いまオススメなディーゼルエンジン搭載車をピックアップ
■クリーンディーゼル車は補助金対象にもなっているのが見逃せないポイント
■燃費やパフォーマンスを考えるとディーゼルの方がお得なケースが多い
燃費と環境性能が両立された最新のディーゼル車は「買い」だ
さまざまな報道を見ていると、もはや未来の自動車は排ガスを出さないゼロエミッションの電動化以外に選択肢がないように思えてくる。最近では、パキスタンに大洪水をもたらした山津波(氷河決壊)の原因として地球温暖化が指摘されるなど、CO2排出削減待ったなしといったムードもますます高まっているようだ。
とはいえ、内燃機関がCO2削減に対して寄与できる可能性がまったくないというわけではない。最新の、令和4年度CEV(クリーンエネルギー自動車)補助金の対象をみても、電気自動車やプラグインハイブリッド車と並んで、クリーンディーゼル車も補助金の対象となっているほどだ。
その中でも、最新モデルとして注目したいのがマツダCX-60といえる。
ご存じのように、完全に新しいエンジン縦置きFRプラットフォームを採用したマツダの完全に新しいモデルがCX-60だ。海外仕様にはガソリンの直列6気筒エンジンも設定されるようだが、日本仕様ではディーゼルのみ直列6気筒(3.3リッター)となっていて、ガソリンは4気筒となってしまう。
この点だけでもCX-60を買うならばディーゼルを選ぶべき理由となる。さらにディーゼルには純粋なエンジンだけのパワートレインとマイルドハイブリッドというふたつの仕様が用意されている。いずれもCEV補助金の対象となるクリーンディーゼル車で、環境性能割は非課税で、重量税が免税になるのも共通だ。つまり、純エンジン車であっても十分に環境を意識しているといえるのだ。
そうであれば、よりリーズナブルな価格でディーゼルエンジンを味わえるハイブリッドではないディーゼルエンジン搭載車を積極的に選びたい。なにしろディーゼルハイブリッド・グレードのスターティングプライスが505万4500円なのに対して、非ハイブリッドのディーゼル車であれば358万500円から狙うことができる。さらにいえば、CX-60のディーゼルハイブリッドは4WDだけの設定だが、純粋なディーゼル車のほうであればFRを選ぶことができるのも魅力だ。
ちなみに、CX-60を購入した場合に貰うことのできるCEV補助金の金額は1万5000円と、電気自動車が最大85万円になっているのと比べると微々たるものだが、ディーゼルであっても排ガスがクリーンで、燃費性能も基準を超えていれば、クリーンエネルギー自動車と認められるという事実は、ディーゼルファン、内燃機関マニアには十分心強いといえるだろう。
ディーゼルはコスパがいい!
もう一台、国産SUVのなかから“ディーゼル推し”のモデルとして紹介したいのが、トヨタ・ランドクルーザープラドだ。プラドのパワートレインは2.7リッターガソリンエンジンと2.8リッターディーゼルの2種類から選べるが、その性能差を考えると価格差以上の価値がディーゼル車にあるといえる。
たとえば、同じTX“Lパッケージ”(7人乗り)でガソリン車とディーゼル車を比べてみよう。
ガソリン車の価格は433万7000円で、最高出力163馬力、最大トルク246Nm、WLTCモード燃費は8.3km/Lとなっている。一方、ディーゼル車は499万7000円と高くなるが、最高出力204馬力、最大トルク500Nm、WLTCモード燃費は11.2km/Lとなっている。
倍以上のトルクが生み出す余裕、クロカン走行で粘り強さなどを考えると、予算が許せばディーゼルエンジンを選ぶほうがランドクルーザープラドらしさを満喫できるのではないだろうか。もっとも、ガソリン車のほうにも、100kg以上軽いというメリットはある。最終減速比をディーゼル車の3.909に対して、ガソリン車では4.777にローギヤード化するなど、走破性において大きな差が生まれないよう配慮されている点も記しておこう。
ところで、絶対的なパフォーマンスではガソリン車優位だが、コスパの点からディーゼル車を選びたいと感じるモデルもある。それはメルセデスのコンパクトな7人乗りSUVとして市場から高い支持を集めているGLBである。
そのラインアップはメルセデスベンツGLB180とGLB 200 d 4MATIC、メルセデスAMG GLB 35 4MATICとなっている。それぞれの搭載エンジンと最高出力、そしてメーカー希望小売価格は次のようになっている。
GLB 180:1.4リッターガソリンターボ(136馬力) 568万円 GLB 200 d:4MATIC 2リッタ0ディーゼル(150馬力)593万円 GLB 35 4MATIC:2リッターガソリンターボ(306馬力)810万円
こうして価格を眺めていると、やはりAMGは絶対的には高価だ。性能を考えれば妥当であっても、なかなか庶民がメルセデスを選ぶ際の候補にはなってこない。また、グレード名からもわかるようにGLB 180以外は4WDとなっている。つまり、GLB 180とGLB 200 d 4MATICを比べると、後者がパワフルなディーゼルエンジンとなり、駆動方式も4WDという違いがあるわけだ。さらにいえば、GLB 180は7速ATなのに対して、GLB 200 d 4MATICは8速ATとなる。小排気量ガソリンターボの軽快さにも魅力はあるが、全体的にコスパで考えればGLB 200 d 4MATICを、おすすめしたい。
ここまでディーゼルエンジンの似合うイメージが強いSUVを中心に「ディーゼル車を選ぶべき」モデルを紹介してきたが、スポーティな印象のホットハッチであっても魅力的なディーゼルエンジンを載せているモデルがある。
その代表格としておすすめしたいのがMINIだ。じつは、3ドア、5ドアともにディーゼルエンジン搭載グレードが用意されているなど思っている以上に選択肢も広い。それぞれのグレードと搭載エンジン、最高出力、メーカー希望小売価格は次のようになっている。
MINI 3ドア COOPER D:1.5リッター 3気筒 (116馬力)362万円 MINI 5ドア COOPER D:1.5リッター 3気筒 (116馬力)373万円 MINI 5ドア COOPER SD:2.0リッター 4気筒(170馬力)428万円
パフォーマンス重視でいうと4気筒ディーゼルを載せたクーパーSDを選びたくなるが、MINIの特徴であるキビキビとしたゴーカートフィーリングとディーゼルの組み合わせを濃密に感じたいのであれば、ホイールベースが短く、車体も軽い3ドアのクーパーDというのも悪くないと思うが、いかがだろうか。