SとかEとかは知ってるけど「Lシリーズ」ってなんだ? メルセデス・ベンツの「愛され系商用車」のたまらん魅力

2024.02.15 17:20
この記事をまとめると
■メルセデス・ベンツには質実剛健なLシリーズと呼ばれた商用車が存在する
■バンやバス、トラックなどのさまざまなバリエーションが存在する
■コレクターズアイテム化されている車両もあり、オークションでは高値で落札されることも珍しくない
かわいい顔に似合わないほどの頑丈さ
  メルセデス・ベンツにとって、Lという文字はいまでこそロングボディのイニシャルですが、その昔は商用車のジャンルを表すものでした。Lシリーズは1930年代にはじまり、1970年代後半までモデルチェンジ、改良を繰り返しながら存続。質実剛健で、まさに商用車のジャンルを風靡したのち、LからT2へと名前が変更されていまに至ります。
  恐るべき耐用年数の長さ、そして基本設計の良さから現在でも稼働しているクルマは少なくなく、一部のレアなモデルはコレクターズアイテム化しているといっていいでしょう。そんなメルセデス・ベンツが作った珠玉のLシリーズコレクターズアイテムをピックアップしてみました。
L407 1965年
  ダブルキャビン、セミロングボディの典型的な「デュッセルドルフ・トランスポーター」。この呼び名は、いうまでもなくメルセデス・ベンツの故郷を表し、ヨーロッパを中心に売れまくったことからつけられたニックネーム。もともとはドイツ軍の消防車に使われていたようですが、「Classic Renndienst」とペイントされているので、戦後になってクラシックカーレースのトランスポーターとして使われていたのかもしれません。
  フォルクスワーゲンType2に影響をうけたパネルスタイルながら、天井を高く作り、ガラスエリアをいくつも用意した快適性はメルセデス・ベンツならでは。
  1.9リッターのガソリンエンジンをキャビンの下に搭載し、後方に行くに従い幅の広くなるラダーフレームを採用。これは、後輪軸の前に配置したガソリンタンクをできるだけ大きくし、リヤのダブルタイヤを難なく収めるといった工夫にほかなりません。
  オークションでの落札価格は4万1400スイスフラン(約700万円)と、年式や装備から見ればリーズナブルかと。おそらく、これくらいのコンディション、架装のタマはゴロゴロあるのかもしれませんね。
ファニーな見た目からは信じられないほど実用的
L406 1966年
  シングルキャビンのトラックですが、グラスエリアが広くとられていることにご注目。Lシリーズの車体サイズはヨーロッパサイズでそこそこ大きいのですが、当時のカタログによると「視界が良好なので狭い道も安心」とのアピールがあります。こちらのサンプルを見れば、湾曲ガラスがサイドまで広がり、ピラーによる死角を徹底的に排除していることがうかがえます。
  1.9リッターのディーゼルエンジンを搭載していますが、こちらは乗用車の180Dからの流用。およそ43馬力程度の出力とされています。また、こちらのサンプルはポーランドでつい先日まで稼働していたらしいのですが、フロントバンパーが欠品していますね。
  ちなみに、先の407はガソリンエンジンの呼称、対するディーゼルは405、または406、408と呼ばれているのですが、このあたりの規則性はわりとアバウト。1930~40年代は出力と重量を表記していたのですが、この年代では適用されていないようです。
  なお、こちらの価格は要レストアという状態で8050スイスフラン(約140万円)という落札価格。日本の軽トラもいいですが、メルセデス・ベンツのレトロなトラックも魅力的です!
L408エルンスト・アウヴェルターバス 1972年
  Lシリーズのベアシャシーに、ドイツのコーチビルダー「エルンスト・アウヴェルター」が14人乗りバスを架装したモデル。観光バスらしく、360°に広がるガラスエリアやルーフに設けられた明り取りウインドウ、そしてボディ同色にペイントされた3面アクセスパネル付きのトレーラーは、現代の目で見ても魅力的なツアラーかと。
  1973年モデルで、エンジンは3.8リッターの4気筒ディーゼルエンジンを搭載。85馬力を発揮するといいますから、アウトバーンをかっ飛ぶわけにはいかないでしょうが、当時のツーリズムにとって過不足はないのかと。
  ペイントやインテリアなど見事なコンディションですが、2015年から5年をかけてレストアされたとのこと。メルセデス・ベンツ純正パーツはともかく、バス会社の専用パーツには苦労した模様。また、12VのソケットやUSBまで追加されているのはコンクール出品だけでなく、実用ツアラーとしてガシガシ乗れ! というメッセージでしょう。
  むろん、お値段も10万4650スイスフラン(約1700万円)と、それなりの落札価格。もっとも、現代のゴージャスなキャンピングカーとさほど変わらないので、14人乗ってキャンプにも出かけられると考えたらお買い得かもしれません。

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