人気ミニバンはパールホワイト&黒だらけ! ほかの色をディーラーも「売りづらい」2つの理由

2022.07.25 17:20
この記事をまとめると
■売れ筋のミニバンは白や黒のボディカラーが人気
■その理由はリセールバリューにある
■ディーラーもその他の色を売りにくい状況となっている
多くの人がリセールバリューを考慮してボディカラーを選んでいる
  日本で販売され、街なかを走っている日本車は同一車種で見ると同じようなボディカラーばかりであることが多々。しかし、ウェブサイトやカタログに掲載されているボディカラーバリエーションを見ると、意外なほどラインアップが豊富なことが多い。しかし、たとえば、人気の高いミニバンで、トヨタ・ノア&ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴン、日産セレナあたりで売れ筋となるのはいずれも“エアロ系”モデルとなり、ボディカラーも“パールホワイト系”もしくは“黒系”のどちちかのような選択となっている。大人気フルサイズミニバンとなる“トヨタ・アルファード”においても、“パールホワイト系か黒系か”の二択となっているのが現状だ。
  筆者は現行トヨタ・カローラセダンに乗っており、新設定色とされた“セレスタイトグレーメタリック(青っぽいメタリック)”を選んだのだが、筆者の生活圏ではあまり見かけず、スーパーホワイトIIやホワイトバール、シルバーメタリックあたりを頻繁に見かける。しかも情報によると、マイナーチェンジでセレスタイトグレーメタリックが廃止になるとのことなので、マイナーチェンジモデルへの乗り換えを検討しているのだが、無難なシルバーメタリックを選ぶしかないと考えている。
  いまどきの新車購入では、現場で話を聞くと残価設定ローンの利用が多いこともあるが、3~5年という短期間で乗り換えを続けるか、10年以上乗り続けるか、乗り方が大きく二分されているとのこと。短期間で乗り換えをする人は当然リセールバリューを気にするので、中古車として再販する時の人気ボディカラーを選ぶ傾向があるので、前述したように“白か黒か”みたいな状況が生まれやすいようだ。それか、“無難な色”として白系(パールホワイト以外/パールホワイトはほぼ必ず下取り査定額アップにつながる)やシルバーメタリックを選ぶ傾向も日本的というか、伝統的なボディカラー選びが令和の時代にも残っている。
実車を見せられない色は勧めにくい
  ただ現場のセールスマンは面白い話をしてくれた。「パールホワイトか黒系かで迷われるお客様が大半ですが、なかには白系もしくは黒系以外のボディカラーを検討されるお客様はもちろんいらっしゃいます。ただ、そのようなボディカラーは、画面上やカタログ上と実車で色味が異なります。売る側としては自然光の下で実際にご希望の色を見ていただいて判断していただかないと、納車時に『思っていた色味と異なる』とトラブルになる可能性が高いです。しかし、モデルによっては白もしくは黒しか売れないので、試乗&展示車も含め、ご希望のボディカラーの実車をお見せするのが困難なことが多く、売る側としてもついつい、白系もしくは黒系をおすすめしてしまうのです」とのこと。
  また、人気のアルファードはリセールバリューもかなり良いことはよく知られた話だが、これはパールホワイトもしくは黒系ボディカラーを選んだ場合にほぼ限られている。このほかのボディカラーを選ぶと同じアルファードでも大幅な値落ちをするとされており、現場のセールスマンはパールホワイトもしくは黒系ボディカラーにやんわりと“誘導”するケースもあるようだ。
  軽自動車は世の中に未使用中古車が溢れている。未使用状態の新車にナンバープレートをつけ、未使用中古車として流通させるのでボディカラーの偏りがなく世の中に出回る。コンパクトカーはレンタカーやカーシェアリングなどフリート車両としても大活躍している。こちらの需要もボディカラーは意識せずに出荷できるので、筆者が見ているとカーシェアリング車両などでは、およそ一般消費者が選ばないようなボディカラーのモデルが多いように感じている。未使用中古車やフリート販売のおかげとまでは言わないが、エンドユーザーも自分の好きなボディカラーを選ぶことができる環境が整っているので、軽自動車やコンパクトカーではボディカラーの偏りというものがないといえるかもしれない。
  店頭在庫車販売がメインのアメリカでは、同じディーラーの展示場に、同じモデルの在庫車が色違いでたくさん展示され、そのなかでお気に入りのモデルを選んで購入し、その日に乗って帰ることができる。つまり、実車でボディカラーも確認できるし、そもそも個性を重んじる国でもあるので、極端なボディカラーの偏りはまず起こらない。
  いま日本では、というより世界的に新車の納期遅延が話題となっている。“数カ月待ち”程度ならば、まだボディカラーで多少納期にバラつきが出るだろうが(人気のあるボディカラーが優先的に生産され納期が短くなる)、しかし1年ほどの長期間のとなる納車待ちとなるならば、ほぼ完全受注生産となるので、ツートンカラー(職人仕事になるので納期がよりかかるとよくいわれる)など、よほど特殊な塗装でないかぎりは、ボディカラーで大きく納期がバラつくことはないだろう。
  ただ購入検討時に自然光の下で実車にて確認することは難しいが、そこまで厳密に確認する必要はないと考えている人、そしてリセールバリューなどに影響が出なくなるほど(不人気カラーは値落ちも早い)長期間乗り続ける予定の人は、いまの納期遅延は、“納期が短くなるなら”と人気ボディカラーとされる色を選んだり、“人気ボディカラーだから値引きも勉強させてもらいます”という理由から、第一希望ではないボディカラーを選んでしまうという“縛り”も意識することはまず必要ない。つまり、せめてものというわけでもないが、より自分がこだわるボディカラーを選ぶことができる環境が整っていると、いまの納期遅延が深刻な状況を前向きに見ることもできるかもしれない。

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