【試乗】ルノー初のフルハイブリッド車「アルカナ」! F1仕込みの技術で「スムースさ」極まる走りの都会派SUVに仕上がっていた

2022.05.23 07:00
この記事をまとめると
■アルカナはルノー初のハイブリッドモデル
■カテゴリーはスタイリッシュなクーペSUV
■F1由来のドッグクラッチトランスミッションを採用する
ルノー特有の個性を滲ませながらもアクを取り除いている
「輸入車唯一のフルハイブリッド」
  ルノー・アルカナはこんなセールストークで語られる。均整の取れたスタイリッシュなクーペスタイルを持ち、ルノー特有の個性を滲ませながらもアクを取り除いている。最低地上高は200mmもありながら、1580mmに抑えられている。都会的な雰囲気漂うクーペSUV。だが、その上質な佇まいよりも中身、フルハイブリッドシステムに興味がそそられる。
  E-TECH HYBRIDと呼ばれるハイブリッドユニットは、駆動用のメインモーターとハイボルテージ・スターター&ジェネレーター、いわば発進の瞬間はスターターを兼ねるHSGがすべてを受け持つ。巡航クルーズに移行すれば、搭載する直列4気筒1.6リッターNAユニットと電気モーターがパラレルで連携、高速域では完全なガソリンエンジンとして機能。誤解を恐れずに言うならば、ホンダのe:HEVに似た制御なのである。
  つまり、信号待ちからの発進などは、低回転域のトルクとレスポンスに優れたメインモーターの力でグイグイ速度を乗せていき、クルーズ状態ではその時々の状況に応じて、エンジンを電気モーターがアシストして速度をキープ。あるいはさらに強い加速力を求めるならば、エンジンは唸りを上げてさらに電気モーターが加勢をするというスタイルだ。高速域の巡航は、内燃機関がもっとも得意とするゾーンだ。燃費を稼ぎながら、目的地を目指すというわけである。
  駆動用バッテリーは1.2kWhであり、数値にすればそれほど強力ではないが、スロットルペダルに足を乗せた瞬間にスルスルとボディを進める。エンジンは148Nm、メインモーターは205Nm、HSGは50Nm。床までアクセルを踏み込むや否や鋭くダッシュするのは想像のとおりだ。
F1のノウハウが注がれているがアルカナにその過激さはない
  広報資料によると、ルノーF1で収集したノウハウが注がれているという。確かにF1は、内燃機関と電気モーターを併用するハイブリッドマシンで戦われる。瞬間的なピークパワーと効率の良い回生力をバランス良く連携しながら、あの地上最速のバトルが展開される。そこで得た技術が、市街地走行に置き換えられているというのだ。
  ただし、F1のイメージから想像する過激なスポーツフィールではない。モータースポーツで鍛え上げたドッグクラッチATが組み込まれているとはいえ、それを実感する瞬間はない。回生ブレーキをコントロールするパドルは備わっておらず、したがって、回転の上げ下げを楽しむ術がないのである。
  ドライブモードをスポーツにアジャストすれば、次の加速に備えて回転が高まる。ゆえに、初期からリズミカルな加減速が味わえる。だが、純粋にワインディングを楽しむためのスポーツSUVではない。ドライバーが走りを楽しむ仕掛けは備わっていないのだ。
  ハンドリングも落ち着いている。ボディは1470kgと決して軽くはないものの、深くロールすることもなくピッチングも抑えられている。フラットライドをキープしているから、重量を持て余すような荒々しさは皆無だ。だが、ワインディングを軽快に駆け回りたくなるような素振りはない。都会的なスタイリッシュSUVなのである。
  ルノーの名を耳にして真っ先にイメージするのは過激なスポーツ性能である。F1での活躍だけではなく、メガーヌR.S.スポーツRでニュルブルクリンク市販車FF最速を狙うような獰猛な魂を感じる。だが、アルカナにはその過激さはない。むしろ、モータースポーツで蓄えた技術をオブラートに包み込み、潜在的な性能として奥ゆかしく隠し持っている感覚である。
  都会的SUVが間違いと言うならば、摩天楼からハイウェイまで……。アルカナの守備範囲はそこにある。

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