35歳二児の母親が会社経営をしながら気候変動ビジネスに取り組み始めた理由

2022.05.17 09:00
毎年のように発生する激しい自然災害はじめ、地球温暖化による影響は深刻さを増し、持続可能な社会の実現が地球規模の緊急課題であるということは、いまや多く人が理解しています。しかし、私達が具体的になにをどうしたらいいのかというところでつまずく人も多いでしょう。
「シティラボ東京」は、東京・京橋から都市問題を通じて持続可能なビジネスの創出を目指しています。ディレクターとして立ち上げから携わる三谷繭子氏に具体的な活動事例や自身の働き方を語ってもらいました。
まちづくり×ビジネスでサステナビリティに挑む「シティラボ東京」の取り組み
1.シティラボ東京のコンセプト
まず「シティラボ東京」とはどういった場所なのか。一言でいえば「持続可能なまちづくりのためのビジネス創出に向けた参加型プラットフォーム」です。東京・京橋にコワーキングスペース、会議室スペースを併設し、さまざまな人が集う場を拠点に、アイデアやコラボレーションが生まれ・育つ支援を行っています。


持続可能性(サステナビリティ)をテーマに活動しているのは、地球規模の課題である環境問題は、多くの人が集中して暮らす都市生活が大きな一因だからです。まちづくりというとコミュニティや防災、交通、景観などを思い浮かべる人もいるかと思いますが、現在は脱炭素化、サーキュラーエコノミーなど環境を保護する仕組みをいかに都市に実装化するかといった対処が新しい要素となっています。


今まで、いわゆる環境ビジネスは「お金にならない」ものととらえられがちでしたが、現在では、ESG投資やSDGsなどが注目を集め、むしろその実現にはビジネスの力が重要になると考えられています。そこで新しい技術や知見を持った専門家、スタートアップから大企業、自治体までさまざまな立場の人が一緒になってこれからの都市のあり方を考えていくコラボレーションの拠点としてシティラボ東京は設立されました。まちづくりとサステナブルビジネスをここでつなぎ合わせ、プロジェクト化を支援していくことを目指しているのです。
2.シティラボ東京に集う人・企業
現在シティラボ東京で活動しているのは、環境・SDGs・ESG投資や都市計画・まちづくり分野の専門家8名をメンターに迎え、20社を超えるパートナー企業・団体、50社・約80名の法人・個人の会員といったメンバーで、持続可能な都市・社会づくりに向けて、ラーニングプログラムの開発・実施、企業同士のマッチングなどを行っています。


メンバーは、環境ビジネスを推進する企業や社会課題解決を目的としたソーシャルセクターだけでなく幅広い分野の企業・団体・組織から成り立っています。2019年4月には、シティラボ東京を拠点として活動する、サステナビリティ領域におけるイノベーション創出を目的としたベンチャーコミュニティ「City Lab Ventures」が発起人6社により立ち上がり、現在では13社が活動しています。


私達が提供するラーニングプログラムやイベントでは、これらのメンバーはもとより、オープンな参加が可能となっており、講師や受講生のネットワークも広がっています。
▼詳細はシティラボ東京HPをご覧ください。
都市計画の専門家として、二児の母として今、サステナビリティに取り組むこと
1.自身の独立のタイミングと同時にシティラボ東京設立に参加
環境配慮型ビルとして名高い東京スクエアガーデンの6階にシティラボ東京はあります。持続可能なまちづくりにつながり、SDGsの課題解決にも貢献するためにデベロッパーである東京建物が開設した施設です。


私自身は一般社団法人アーバニストの専務理事として、施設運営にかかわっています。
もともと区画整理などの開発や地域住民が中心となったまちづくりを支援するなど、都市づくりのプランナーとして企業で働いていましたが、現在は独立し自分自身の会社を経営しています。大規模な開発はときに田畑や森林などを切り開いて行うことも少なくありません。それに対し「このままでいいのか」という思いがあり、独立を決意。個人として活動するなかでシティラボ東京の話をいただき、仲間と一般社団法人アーバニストを設立して参画することになりました。
2.母になって深まる、愛着の持てるまちへ 
まちづくりの仕事を目指すきっかけになったのは、自分自身の地元に対する思いからです。実は地元に対して愛着を持てず、大学進学時に地元を離れました。しかし学生時代に出会った友人たちの多くは自分の地元が大好きで、そのことにカルチャーショックを受けました。
幼い頃から過ごすまち・地域というのは、その人の持つルーツであり、アイデンティティ形成にも繋がります。暮らしの価値観や、心の豊かさにも影響すると思います。私は、自分のような人間が少しでも減るよう、愛着を持って長く住み続けたいと思える・住み続けられる地域づくりをしたいと考えるようになりました。

2019年に双子を出産し母になったことで、その思いは更に深まっています。現在二歳のこの子たちが将来50歳になったとき、今私達が当然のようにしているような生活、例えば種類豊富な食材を使った食事、屋外で快適に過ごすといったことはおそらく難しくなるでしょう。設立当初は「想像上の将来」や「後世の人たち」に対しての気持ちで動いていましたが、今はもっと「自分自身や家族の現実の問題」として取り組んでいます。
関わり方はさまざま! シティラボ東京発のコラボレーション事例3つ
2018年からスタートというシティラボ東京ですが、この場を通じてのビジネス創出やプレイヤーのマッチングなどすでにさまざまなコラボレーションが動き出しています。
シティラボ東京の会員は、法人会員やパートナー、個人会員、オンライン会員までさまざまな関わり方があり、マッチングの組み合わせも目的や志に応じて自在です。


目指すビジョンや志が一致すれば、それぞれがアイデアやスキル、資本などを持ち寄り、ビジネスを次々と創出されていく。そんな私達の理想が少しずつ実現しているようです。
ここからはいくつかの事例をご紹介します。


◾️事例1:「ビル内マテリアルリサイクル」を実現するコラボレーションプロジェクト創出


<プロジェクト概要>
<プラスチックの資源循環スキーム/マテリアルリサイクルのモデル>
参考URL:
◾️事例2:八日京エリアでの脱炭素型まちづくりの評価ツール実装に向けた取り組み


<プロジェクト概要>
<M-NEXの仕組み>
M-NEX は、ステークホルダーの視点を取り入れ、FWE連環を考慮した都市デザインのための方法・ツール・手順を具現化したデザイン支援プラットフォーム。Food、Energy、Waterのストック、需要と供給のフロー、生活サービス、持続可能な戦略を調査し、デザイン手法、評価ツール、多主体共創の仕組みです。
参考URL:
◾️事例3:シティラボ東京で著者と出版社が出会い、SDGs絵本出版のコラボレーションを実現
参考URL:
(第12回ようちえん絵本大賞受賞)
プラットフォームとして企業、学識経験者、投資・金融関係者などが集まるハブになっていきたい。
1.シティラボ東京をぜひ利用してほしい人・企業
「持続可能なまちづくりのためのビジネス創出に向けた参加型プラットフォーム」のコンセプト通り、私達は・「持続可能な都市づくり」というビジョンに共感する人たちの参加を待っています。
具体的には、まず事業によってサステナビリティを実現したい企業・組織にはぜひ出会いの場としても利用してもらいたいです。ニーズを伺って、その課題に適した人や企業を紹介することもできます。


また一般の企業でも、世界的な潮流から会社としてサステナビリティの推進に業務として取り組んでいくことになったというとケースも増えています。そういった経緯で担当者になったが、なにからはじめたら、なにをやったらいいかわからなくて困っているという方に気軽に相談してもらいたいと思っています。
サステナビリティについて学べるラーニングプログラムもありますし、他社との交流の機会もあるので事例を参考にすることもでき、お互いに学び合う環境があります。
2.積極的に連携したい存在は各自治体の担当者
それは各自治体で地域課題に取り組まれている方です。人口減少社会で税収も減少、住民のニーズも多様化する中、行政が単独で地域課題を解決したり、事業を行うことが難しくなっています。地域からイノベーションを起こすには協業が大切になってきます。地域課題解決とビジネスのコラボレーションを起こしていくこともシティラボ東京の大きな役割だと思っています。


現在、大企業からベンチャーまで幅広くサステナビリティに取り組む企業との連携・集積につとめていますが、そのなかにはこれまで都市や地域づくりという分野に関わってこなかったが、今後は進出していきたいという企業もあります。そういった企業と地域と結びつける存在になれればと思っています。
企業、学識経験者、投資・金融関係者などとにかく専門的な知見が集まってくる「場」になっているので、悩んだら一度足を運んでもらいたいですね。




参加型オープンプラットフォームとは、誰でも参加できるということ。
「サステナビリティ」「気候変動」「SDGs」といったキーワードにピンとくる方は、6月16日より全9回のワークショップ形式で行われる「
」に参加してみるのもおすすめです。
シティラボ東京公式URL:
シティラボ東京FB:
シティラボ東京twitter:

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