「生きづらさ」の状態にある子どもたちために、安心して過ごせる居場所を創りたい。

2022.05.13 05:33
不登校やその傾向があることで、学習の遅れ、対人関係を作る力をつける機会の少ない子どもたちには、学校でもなく家庭でもない「居場所」が必要です。しかし、我が国の現行法制度では、制度の狭間問題として顕在化し家に引きこもらざるを得なくなっています。子どもたちにとって、安心して過ごせる場の創出を目指します。はじめに
間借りの居場所…
ここは知多市にある「カレーとどら焼きのお店 てくてく庵」さん。午後2時の営業時間終了後、子どもたちとアルバイトの学生さんたちが集まってきます。店内のテーブルに大画面テレビを置き、ゲーム機をセットしたら、準備完了。「ちたこどもの家 Lente」がにぎやかにスタートし、時間終了までのあいだ、ノンストップのゲーム大会が始まります。間借りの居場所はたちまち子どもたちの熱気で酸素が薄くなるような感じ…。
「Lente」は、おとなにとっての居酒屋やバーのような場所。さまざまな事情を抱えた子どもたちが、学校でも家庭でもない、私たちが間借りで運営しているこの小さな居場所で、ゲームで遊び、楽しむことを通じてゆるやかなつながりをつむぎ始めています。
子どもたちが集まって、ゲーム大会です。
アルバイトの大学生もタジタジ!
ゲームもするけれど、勉強もします。
お姉さんに課題のわからないところを教えてもらっています。私たちについて、子どもの居場所について。
初めまして。私たちは愛知県知多市を拠点に活動している「特定非営利活動法人びすた〜り」です。法人設立は2014年の2月。立ち上げから2年のあいだは、「屋根のないNPO法人」として、二匹の山羊とともに耕作放棄地を開墾、作物に肥料を与えず、農薬を使わず、除草剤も使わない、徹底した自然栽培に取り組んできました。それは誰もが集える居場所になるように…。
そんな「びすた~り」主宰者の一人であり、事務局長であり、今、この原稿を書いている私、高山京子には農家の他にもうひとつの顔があります。それは、ソーシャルワーカーとしての顔です。
法人設立以前から、ソーシャルワーカーとして精神障害のある人たちが直面する現実に向き合えば向き合うほど、さまざまな矛盾を抱え込み、行き詰まっていく自分を感じていました。
そんななか、法人を立ち上げ、全く異分野の農業というフィールドに身を投じて、ありのままの自然に任せる自然栽培の取り組みのなかから見えてきたもの、それは、異質なものを排除せず、互いの存在を否定しない、そんな世界のありようでした。それはまさに、ソーシャルワーカーとして感じていた矛盾や行き詰まりの突破口であり、さまざまな背景を持つひとたちとの共存のためのヒントでした。
自然栽培で育てる大豆。周りに”雑草”が沢山。互いの存在を否定せず、共存のお手本を示してくれます。
そして2017年、「屋根のないNPO法人」だった我が「びすた~り」は、屋根を持つことになります。知多市からの委託を受け、18歳以上の精神障害・発達障害のあるひとたちの居場所「地域活動支援センター事業」を開始したのです。
その名も「地域活動支援センターふるぼ」。「ふるぼ」では、自然栽培から学んだ「異質なものを排除せず、互いの存在を否定しない」ありようを、ひととひととの関係にも見出していくことを大きな柱として、「障害者-援助者=支援する側-支援される側」という固定された関係に囚われないあり方を目指して現在までさまざまな取り組みを行ってきました。
精神疾患を最も発症しやすい時期である、思春期の高校生に向けた啓発活動「高校キャラバン隊」もそのひとつ。「ふるぼ」に集う障害を抱えた当事者自身が、じぶんたちの経験と、その後の学びのなかから得たものをまんなかに据えて、精神障害の理解と予防について企画を立案し、高校にプレゼンし、実施する活動を6年間続けてきています。
そんな活動を重ねていた私たちが、一昨年、ひとりの少年と出会いました。
最初は、支援者や支援機関が集まる会議の席上での、「支援が困難なケース」としての出会いでした。小学4年生のときに、抱えていた課題が学校、家庭の両方で顕在化し、以降、家庭からの通報による警察-児童相談所対応を繰り返し、何度も地域から引き離され、不登校となり、学校にも、家庭にも、そして支援機関にも居場所を失いつつある「ケース」。児童相談所対応終了後の彼の支援、彼の居場所をどうしていくか、という会議の場で、参加機関のどこからも手が上がらない、そんな「ケース」でした。
本来なら、18歳以上の精神障害・発達障害のあるひとたちの居場所である「地域活動支援センターふるぼ」。私たちは、委託元の行政関係者との折衝を経て、その「ふるぼ」に、彼を受け入れました。
「ふるぼ」にやってきて、1年を共に過ごした彼は、「困難なケース」などではありませんでした。自身の抱える行動の問題が抑えきれず困惑し、これまでの傷つきと居場所のない心細さを強がりで隠し、不安と、希望と、まだ言葉にできない内面の感情に苛立ち、戸惑う、15歳の少年でした。そしてその姿は、「ふるぼ」に集うひとりひとりに、自分の過去の姿として映り、チクリと小さな痛みを与えました。解決したい社会課題、このプロジェクトで実現したいこと
彼のような子どもたちの居場所が必要、かつて私たちが欲しかった、学校でも、家庭でもない、居場所を創設することです。
冒頭「間借りの居場所。」でご紹介した情景は、15歳の少年との出会いを機に、「NPO法人びすた~り」が令和3年度 独立行政法人福祉医療機構社会福祉振興助成事業の助成金(通称、「WAM助成事業」)を受けて実施した、子どもの居場所事業「ちたこどもの家 Lente」の現在の様子です。ただ、令和4年度はこの助成金の採択を得られず、運営面のみならず、あらゆる課題も急浮上しています…。
「こどもの家」と名付けたように、当初は一軒家を確保して事業を行おうと考えていたのですが、「不特定多数の出入りは認めない」等の理由から貸し手はなく、趣旨に賛同して下さる方からのご好意による間借りという形でスタートし、現在も間借りのままです。一方で、取り組みが子ども支援の関係者に知られるにつれ、「Lente」にやってくる、さまざまな背景を抱えた子どもたちの数は少しづつ増えてきており、悲しいことですが、今後も増えていくことは確実な状況です。そして、やってくる子どもたちと接するうちに、共通した課題が少しづつ見え始めてきています。食事のこと、勉強のこと、家庭内のこと。そしてもちろん、ひとりひとりが抱えるそうした事情に、丁寧に関わっていくおとなが必要なこと。
そこで私たちは、改めて「こどもの家」と呼べる居場所をきちんと整備しようと考えました。物件を探し、見つけたのが、市内にある大規模団地の1階にある商店街テナント。この小さな商店街には、外国にルーツを持つ子どもたちの学習支援を行う団体や、団地のパブリックスペースを運営している団体なども入居しています。ここなら、2軒分のテナントを借りて「地域活動支援センターふるぼ」も場所を移し、「ちたこどもの家 Lente」と隣り合わせに居を構えることで、年齢や障害、国籍の枠を超えた活動を展開するのに最適な環境が整います。お力を貸していただきたいこと。
しかし、思わぬところに問題が潜んでいました。
スケルトンの状態でお借りしますが…
配線、配管の図面もなく、設計士は苦労の連続
団地の商店街の一画物件の上下水道、ガス、電気等の設備関連が、完全に使えない状態で、その整備も含めると、当初300~400万円程度と見込んでいた整備費用が、倍以上の約900万円近くかかるということが判明したのです。小さなNPO法人が独力で用意するには、あまりに大きな金額となってしまいました。
今回皆様にお力を貸していただきたいのは、上記金額のうち、子どもの居場所づくりにかかる費用、450万円分です。
不登校にならざるを得なかった子どもたちにまず必要なのは、「学校へ行くよう仕向けること」ではなく、何も強制されず、安心して好きなことをして過ごせる居場所です。心細いことに、そのような場所は、この知多市には、間借りの「Lente」のほかにありません。皆様のお力添えで、子どもたちが本来持っているしなやかな力を取り戻すための居場所、学校でも家庭でもない第3の居場所、サードプレイスをこの知多市にしっかりと根付かせていただけたらと思います。
資金の使い道
クラウドファンディングの寄付額は、「ちたこどもの家 Lente」を展開する店舗建屋の改修にかかる整備費に充てさせて頂きます。
総事業費 999.9万円
Lente整備費:499.5万円
手数料:45万円 (9%+税)
実施スケジュール
ちたこどもの家 Lente/地域活動支援センター ふるぼ
賃貸建物本契約(UR都市機構)4月7日
工事着工 4月12日〜
引き渡し 6月13日(予定)
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。



リターン
法人の取り組みで大々的な生産物もない中、繋がりのある人たちからのお力添えもいただきながら、リターンの品々を考えました。
その中でも、びすた〜り開設当初より親しくさせて頂いている、イラストレーター「花島愛弥(はなじまあや)さん」の作品が商品化されたタイミングに合わせ、リターン商品への提供をいただけることになりました。
人混みを避けて訪れる「のんほいパーク(豊橋総合動植物公園)」の動物たちが大好きな愛弥さん。愛弥さんの描く動物たちは、皆愛くるしく、優しい仕草です。自閉症のある愛弥さんから見える、動物たちの世界がそのまま描かれているその素敵な作品に、この機会に触れてみてください。
愛弥さんの作品のグッズ化は株式会社AQUAさんが手掛けました。
【グッズリスト】
・ボールペン(黒・赤・青) 各30本インク細さ:0.38mm 重さ:10g 長さ:14cm


マスキングテープ(シロクマ・鳥たち)各30本幅1.8cm長さ5m 重さ:10g


ブロックメモ(シロクマ・鳥たち)各20冊  100枚綴り 重さ:59g W9.2cm×H9.2cm×D0.8cm


ノート(シロクマ・鳥たち)各20冊50枚綴り A5(W14.8cm×H21cm) 143g


トートバッグ(キリン・鳥たち)各10枚素材:綿100%キャンバス 内容量約4L W34cm×H38cm 持ち手長さ52cm 133g


ポンキー(色鉛筆)12色 20個12色入り W12.5cm×H16.5cm 重さ:216g


AQUAさんのサイト↓
他にも、フェアトレード珈琲や、障がいのある人たちが育てる菌床椎茸で作った乾燥椎茸などをリターンにご用意しました。
また、ユニークなリターンも…
法人の代表理事や事務局長が、あなたと一緒に研修会・講演会を企画、あなたの地元にお邪魔して実施します!
などなど…
エントリー後も繋がりの方達に呼びかけ、私たちのこと、私たちと繋がりのある人たちのことをお知らせできるようなリターンも工夫していきたいと思います。


最後に
常設の子どもの居場所の必要については、この1〜2年、地道に行政へその必要を訴えかけるなどの活動を行なってきています。この問題に関心を持ってくださる市議会議員の方にも、子ども施策の窮状をお伝えし、時に共にロビー活動をさせてもらっています。
そういった積み重ねもあり、行政担当者もその必要を理解しつつも、街の財政状況の厳しさや街が抱える他の課題も山積みのために、子どもの居場所のなさの解決に向けた具体的な取り組み(予算をつけた政策化 など)に至っていません。
子どもたちの成長は待ったなしです。今、自分らしく生きられない苦しさで家の中で引きこもったり、あるいは暴れてしまったり… 共に暮らす家族も、そして何より本人自身が一番苦しい思いをしている子どもたちに、何とか一条の光が差してほしい、そんな思いでこの事業を立ち上げます。
今、Lenteに通ってくれている子どもたちに、アンケートで聞いてみました。「Lente、ってたのしい?たのしくない?」。紙に記載された回答選択肢には、あらかじめ「たのしい」「「まあまあ」「たのしくない」としました。
ある少年が、こんなふうに回答してくれました。自分で回答欄を加筆して…
小学6年生の、「彼」が回答してくれたアンケートの文字…
嬉しいですね、こんなふうに言ってもらえると。

チーム/団体/自己紹介・活動実績など
私たち、特定非営利活動法人びすた〜りは、いわゆる心の病や発達障害、それによる生きづらさ、それが積み重なることによる暮らしづらさ(生活障害)の苦労を重ねている人たちが、自分の好きな時間にその場に集い、病について、生きづらさについて語ることを通じて自己の理解、他者の理解を深めよう、と活動をしています。時に互いが病気になった意味の理解、そしてその意義へと考えを進めていく道のりそのものを大事にしよう、そのような丁寧な営みができる場を作ろう、と願い、集まりやすい街中の一等地にある賃貸物件を借りて、5年の歳月をかけてその場を作り上げてきました。
6年前の現事務所の整備直後。法人代表 髙山博好(左)と事務局長の私
それに先立ち、その2年前には「屋根のない実践地」として、自然栽培〜無肥料無農薬無除草剤により、雑草と共存を目指しつつ行う農業〜による野菜づくり、ヤギを用いた除草活動などの取り組みを開始、先述した街中の事業所のある場所から、車で走ること10分ほどの市街地の耕作放棄地の再生に取り組むことを端緒としました。自然栽培の実践を通して気づいたことは、自然は残酷でもあるが、それでも自分と異なる種を排除することなく、互いを存在し合うもの、として共生の環境を作り上げていることでした。このような世界をまざまざと見せつけられ、人間もこんな環境、互いが許しあい存在しあえる社会が作れないか、そう思ったことが、ふるぼの誕生には不可欠でしたし、今もそうなるよう取り組み続けています。この思いは法人設立当初からのブレないコンセプトとして今も大事にしていて、全ての活動の核になっています。現在も「屋根のない実践地」での活動は続けていて、自然栽培による野菜づくりのほか、荒れた竹林の整備と、切り倒した竹材から竹炭を作り、土壌改良剤として使用するチャレンジも行っています。その活動には年少の子どもたちにも参加してもらったりして、子どもたちに学校や家庭以外の屋外での楽しい遊び場づくりを行っています。
びすた〜りに欠かせない存在
ヤギのアヤコ(左)とヨシコ(右)

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