J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。
2019年の年末から2020年の幕開けにあたる12月30日・月曜日~1月2日・木曜日の放送では、まさに働き方の変革期であった2010年代という一つの時代を振り返り、20年後の未来に向けた働き方についてリクルートワークス研究所の中村天江さんにお話を伺いました。
「大激変期だった」という2010年代。その要因の一つが、2011年に人口が減少に転じたことです。働き方は人が増えていくことを前提につくられているのに、いまや働き手はどんどん減少していく。個人のキャリア観にも新たな兆しが生まれ、やりがいを3年といった短いスパンで模索し、実現しやすくなっています。
そうなると企業も、会社都合の働き方から、個人を尊重した働き方に変えていかざるを得ません。子育て支援や在宅で仕事ができる制度など、新しい制度はつくったものの風土が追い付かない企業も多々あるとか。個人の生活を尊重するだけでなく、企業も発展できる仕組みにできるかが問われる時代になっているそうです。
2日目の放送では、働き方が大きく変わる要因となった「働き方改革」の影響について伺いました。
「長時間労働の是正」や「正規・非正規雇用の不合理な処遇差の解消」を含む、「働き方改革関連法」がこの4月から施行され、中には「働き方改革疲れ」になっている企業も・・・。中村さんによれば、この2年は、単なるムーブメントではなく、企業としてはやらなければならなかった時期で、思うようにいかないと葛藤した企業も多く見られたそうです。ただ、高齢化はさらに進むので、今が踏ん張り時なのだそう。
こういった変化の中、プライベートと仕事をきっちり分けて、両立を応援する企業が増える一方で、プライベートと仕事を融合させた働き方「ワーク・ライフ・インテグレーション」を取り入れる企業も生まれているとのこと。「働き方」に様々な形が登場し、「選択肢があること」、そして「ご機嫌に働けること」・・・の実現のために柔軟性が問われる時代になっているようです。
3日目の放送では、リクルートワークス研究所が発行したコンセプトブック、『2040年からの手紙』について伺いました。
「モザイク社会」という、個人の持ち味を尊重するダイバーシティ&インクルージョンをコンセプトに掲げ、活動を続けてきたリクルートワークス研究所。25年たった今、次の20年後に向けて掲げた新たなコンセプトは、多様なつながりを尊重し、関係性の質を重視する「マルチリレーション社会」です。
2040年にはテクノロジーによって仕事の中身が大きく変わり、高齢者世帯の4割が一人暮らしになります。そこでどうご機嫌に働き、生きがいを持つのか。個人に対しては、会社、家族、だけでなくサードプレイスを探す必要性、企業に対しては、人材のメンバーシップの垣根がなくなる「リレーション経営」を提案しています。
4日目の放送では、AI社会における働き方についてお話を伺いました。
AIによって仕事がなくなるかもしれない未来、一番大切なのは「環境変化に順応できること」。人生における役割「ライフロール」、例えば「家族」と「仕事」、「学び」が3つ以上ある人は、将来の展望が明るいことがわかっているそうです。3つ目の役割を探すことが、キャリアチェンジの役に立つとのこと。
また、将来の展望のスコアが一番低いのは会社の人としか付き合わない人で、一番スコアが高いのは、ボランティアやNPOの活動に関わっている人なんだとか。本業以外の活動を熱心にしている人が本業にもたらすプラスの効果も確認されていて、社員を会社に閉じ込めずに解放することは、会社にとってもメリットがあるそう。
環境変化に順応し、仕事に新たな発想を柔軟に取り入れていくためには、いろいろなつながりを大切にし、会社とも家族とも違うサードプレイスを見つけることが重要だそうです。
最後に、4日間に渡って伺ったお話から導き出す「WORK SHIFTのヒント」は
『モザイク社会からマルチリレーション社会へ』でした。
25年前に提唱された多様な個を尊重する「モザイク社会」がかないつつある今、ここからは、人と人、人と組織のつながり方が大切な「マルチリレーション社会」が到来。「つながり」が、個人の幸せや未来を育む時代がやってきます。
参考:
リクルートワークス研究所
【個人編】マルチリレーション社会コンセプトブック『2040年からの手紙』 -働き方・生き方を見つめ直しているあなたへ-
【企業編】マルチリレーション社会コンセプトブック『2040年からの手紙』 -企業経営の理想を追求しているあなたへ-