心身共に健康的な人財が未来を創る!自主性を尊重するフラットな文化づくり

2020.01.22 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で
様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

12月16日・月曜日から19日・木曜日の放送では、ロート製薬株式会社の取り組みに注目しました。

ヘルス&ビューティーを中心に、食や再生医療の領域まで、幅広い事業を展開するロート製薬では、健康経営に関する取り組みの他、社員の自主性を尊重し、自然な議論が生まれるフラットな風土づくりが進んでいます。
広報・CSV推進部の矢野絢子さんによると、こうした取り組みは、1990年代後半に、現在、ロート製薬の代表取締役会長の山田邦雄さんが経営に携われるようになった頃に、社内の風土づくりを始めたことが原点にあり、取り組みが始まる前までは、役職で呼び合っていたり、社長室があったり、と、いわゆる日本の企業文化だったものが、取り組みが始まった後は、社長室を撤廃、社内では「さん付け」で呼び合うといった取り組みが始まったということです。
働き方改革を迫られたから始まったわけではなく、よりよい社内風土の醸成を目指したから始まったという取り組みは、その後、さまざまな社内の取り組みに発展していきます。
その1つが「ロートネーム」と呼ばれる取り組みです。
これは○○部長や○○課長といった肩書きで呼び合うのではなく、全社員が自分で決めた「ロートネーム=ニックネーム」で呼び合うという取り組み。広報・CSV推進部の吉川百衣さんは、このロートネームについて「仕事上では年齢や肩書が重要なのではなく、人と人とは、ビジネスパーソンとして対等であるべき、という考え方に基づいている」とお話してくださいました。ロートネームは入社時に、自分が呼んでもらいたいニックネームをつけ、それが社員証に印字されます。実際に、山田邦雄会長は「邦雄さん」、と呼ぶ風土が定着しており、このロートネームのおかげで、必要以上にかしこまったりすることがなく、自然な会話が生まれ、声を掛け合いながら仕事を進めていくという風土作りに役立っているそうです。

また、オフィスも仕切りがないオープンな空間デザインを取り入れ、役員室などを設けることもなく、会長や社長も同じフロアで業務を行っています。また、他の部門とのコミュニケーションを円滑にするための工夫として、マネージャーなど役職に就いている社員は、通路側に席をかまえていて、他部門の動きが双方で見えやすいオフィスをデザインにしたことによって、風通しのいい環境が生まれているそうです。
ロート製薬では、こうした取り組みの他に、社員の自立、主体性を生み出すための取り組みが行われています。
その1つが「手を挙げる文化」の醸成です。社内のプロジェクト、イベントへの参加も“自らの意思”で参加する、そんな意識が根付いているとのことですが、こうした「意識」が形成されている背景にあるのが「手を挙げる文化」にあるようです。象徴的なのは、ロート製薬独自の人事制度の中で、昇格についても挙手制であるということ。
広報・CSV推進部の柴田春奈さんによると、ロート製薬では自動昇格はないそうで、社員自らが次のステージに挑戦できる、と判断した場合、その次のステージで何をするか?を宣言するとともに“手を挙げる”ことで、自分自身の意思に基づいて行動する仕組みができているのだそう。
そんなロート製薬にはARK(アーク)と呼ばれる社内プロジェクトも存在します。ARKとは、「明日の(A)ロート=(R)を考える(K)の略で、2003年から数年に一回、定期的に行われているプロジェクト。入社2年目以降の社員が手を挙げて参加しているのだそう。その2014年のプロジェクトでは「働き方を考えるチーム」が創られ、その時のチームが「ひとりひとりが倍速で成長できる仕組み」として提案した、副業を解禁する「社外チャレンジワーク」、社内で兼務を行う「社内ダブルジョブ」が生まれました。
社外チャレンジワークでは平日の就業後や土日を使って、自分のやりたいことを実現するにあたって、社会に対して、どんなアクションをしていくか?といったチャレンジ精神を育てる側面もあり、実際に、これまでの職歴や経験などを活かして、地ビールをつくる会社を起ち上げたり、地方の一次産業を守りたいという想いから林業の会社を起ち上げているメンバーもいるそう。副業の有無が本業の評価につながるということはないものの、時間外でやりたいことを実践している社員の方は、本業の業務に対する取り組みにも良い効果がでているとのこと。社内ダブルジョブにおいても、兼務を経験することで視野と知識の広がり、また、社内の中での新たな人脈がつながり、組織への刺激にも繋がっているようです。
そして、製薬事業を展開するロート製薬ならではの取り組みとして挙げられるのが、健康経営です。ロート製薬の始業は「体操」から始まるそうで、しかも、その体操は日替わりなんだそう。他にも、運動会の開催、そして、珍しいのが体力測定の実施、また、社員には活動量計が貸与されていて、1日に歩いた歩数など、活動量を記録する、といった取り組みを実施しています。
さらに2004年には、大阪の本社の社屋の一角に「スマートキャンプ」という福利厚生施設をオープン。ここではオリジナルの薬膳料理をランチとして社員向けに提供していたり、整体、ヘッドスパなどを受けられるそう。当時、社員数が増え、また、商品開発が続いていた時期でもあり、体調を崩す社員もいたこともあり、社員の健康をサポートすることを考えていく中で、こうした施設を設けることになったとのこと。
広報・CSV推進部の矢野絢子さんは「健康産業に従事する上で、自分たちが健康でないとよりよいものづくりができない」とした上で「健康を意識する機会を提供している」と、その意図をお話してくださいました。

4日間に渡ってご紹介したロート製薬の働き方に関する取り組みから番組が導き出したWORK SHIFTのヒントは「健康人財を育成しよう!」でした。
人財の「財」は財産の財。健康で自主性・主体性を備えた人材を育てることは、会社の未来を創り、イキイキとした働き方改革を実現する土台ともいえるのかもしれません。

皆さんの会社では、どんな「健康」に関する取り組みが行われていますか?まだ取り組みが始まっていないという方、ロート製薬のアクション、参考になさってみてはいかがでしょうか?