共通の価値観(バリュー)から生まれるIKEAの自由で幸せな働き方

2019.10.30 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

10月7日・月曜日~10日・木曜日の放送では、スウェーデン発のホームファーニシングカンパニー、イケア・ジャパン株式会社の働き方についてご紹介しました。2006年の日本一号店オープンから、「より快適な毎日を、より多くの方々に」と機能的で良質、低価格な家具や雑貨を取り扱うイケア。

スウェーデンで生まれ、現在では国内に9つのストアを構えていますが、そのスタッフの数は日本国内だけで3300人ほど、グローバルでは16万人を誇る大企業となっています。

そんなグローバル企業であるイケアですが、その柱となっているのがイケアバリューと呼ばれるイケアの価値観。人事を担当するPeople & CultureのCo-worker experience managerの朝山玉枝さんによれば、「連帯感と熱意」、「常に刷新を求める」、「違うやり方でやってみる」など、8つのバリューをベースに全世界の社員が働いているそうで、その中でも一番大切にされているのが「togetherness」連帯感。
そこには、イケアという会社がもともと、スウェーデンの中でも生活を営むのが厳しい地域で誕生し、皆が協力しあわなければならない環境にあったという背景によるものなのだとか。
イケアでは従業員のことを、単なるワーカーではなく「一緒に働く人」を意味する、「コワーカー」と呼ぶそうで、現在40カ国の人々が一緒に働いているイケア・ジャパンでは、同じ価値観が浸透し、お互いを尊重して働くことが身についているよう。また、世界中、どこのオフィスに行っても、このイケアバリューによって、同じ感覚を共有できることで、さらに連帯感も強まっていくようです。
2日目の放送では、そんなイケアの就労制度についてご紹介しました。
小売業ではパートタイマーやアルバイト、短時間の契約社員などがいるケースが多い中、ほぼ全員が正社員として採用されているというイケア。就業時間に関しては週何時間働くかで3つのカテゴリーの中から好きな仕事のペースを選ぶことができ、ライフステージが変わる度に変更できる仕組みとなっています。
とにかく長く働いてほしい、という考えが根本にあるそうですが、自分が大事にしている人を大切にしながら働ける環境を作り上げることが基本にあるようです。
3日目の放送では、イケアでの業務内容についてご紹介しました。
「OPEN IKEA」と呼ばれる公募制で、自分のやりたい仕事に応募できる仕組みを取り、また管理職は、部下のキャリア支援を全面でサポートしていくという体制を取るイケア。
仕事(ビジネス)だけでなく、人の成長にも多くの時間を割くというポリシーでとにかく一人一人のコワーカーの才能を発掘し、成長を手助けするという制度が充実しています。
自分が輝ける場所を探して、チャレンジして、失敗はウェルカムというマインドが浸透しているようで「失敗してこそ、人は成長できる」という朝山さんの言葉がとても印象的でした。
4日目の放送では、スウェーデンと日本の働き方にまつわる考え方の違いにフォーカス。
全コワーカーが対象となる成果型ボーナス制度「One IKEA Bonus(ワン・イケア・ボーナス)プログラム」や、スウェーデン語で「ありがとう」を意味する「Tack(タック)」という年金資金の追加給付金など、様々な福利厚生制度も充実しているイケアですが、本国スウェーデンの働き方は、日本に比べ先進的で自由度が高いそう。
フレキシブルに自由に働く意識を持つこと、またその意識を養えるようサポートすることも積極的に行っているといいます。実際に、朝山さんの名刺に書かれた部署の名前は「人事部」ではなく「People & Culture」というもの、人とその人の文化、価値観を大切にするイケア、ここにもそんな新しい職場の形が反映されているようです。
最後に、4日間に渡ってご紹介してきた「イケア・ジャパン株式会社」の働き方から番組が導き出した「WORK SHIFTのヒント」は、『共通の価値観がより良い会社を作り、ビジョンの実現を支えていく』でした。
「人」そして、「バリュー(価値観)」を大切にしているイケア。
そんなベースがあるからこそ、同じビジョンに向かって、連帯感や熱意に溢れた仕事環境が実現され、柔軟性にあふれた自発的な働き方が浸透しているようです。