人生100年時代、若新雄純が考えるこれからの働き方とライフスタイル

2019.09.19 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で
様々な企業や個人が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

8月5日・月曜日から8日・木曜日の放送では、NEET株式会社や鯖江市役所JK課など
ユニークな働き方のプロジェクトを次々と手掛ける慶應義塾大学特任准教授でコミュニケーションプロデューサーの若新雄純さんが考える、これからの働き方とライフスタイルをご紹介しました。
全員がニートで取締役の「NEET株式会社」、女子高生(JK)が市役所と組んで街づくりに参加する「鯖江市役所JK課」、目的やスタイルを限定せず「とりあえず住んでみる」をテーマにした「ゆるい移住」など、ユニークなプロジェクトを次々と生み出してきた若新雄純さん。これまでの取り組みの中での一貫したメッセージは、“働き方の正解なんてもうない”ということだったそうです。働き方が“変わっていく”時代、周りが“次の働き方の正解”を探している中、若新さんは、“新しい正解”に変わるのではなく、これからは働き方に“正解がない”時代に変わると考え、それを行動に移し、次々とプロジェクトを仕掛けていきました。
若新さんがニートやJKなど若者とプロジェクトを進める中で気づいたことは、彼らは目先の分かりやすい“成果”を追い求めることよりも、新しく何かを見つける“発見がある”働き方のほうが楽しむことが出来ていたということでした。勉強や仕事であらかじめ、目標やゴール“望ましい成果”を期待されていた時代から、成果よりまず“発見”を楽しむ。そして、発見を続けていると、結果的に“成果”も生まれる、そんな循環がこれからの働き方でイノベーションを生みだすのではないかとも仰っていました。
毎日職場に行って与えられたことをこなしていけば、お給料も上がっていった時代は
“働く意味”が自分で考えなくても会社や組織から勝手に与えられていた。しかし、これからは最低限のお給料は保障されるが、それ以上の働く意味、価値は自分で作る時代になっていくと若新さんは考えます。仕事をする上で、会社の評価やお給料といった“外的モチベーション”に自分をゆだねるのではなく、自分なりの意味や価値観である“内的モチベーション”を生み出し、仕事が出来る人は、ずっと仕事が楽しくなる、そんな時代に変化していくとも仰っていました。

そんな若新さんは“採用”についてもユニークな試みを実践していました。ポイントは“急がば回れ”。終身雇用が当たり前ではなくなった時代、社員は納得感がないとすぐにやめてしまう。そこで若新さんが試みたのは、採用する前に、答えが無いような哲学的なテーマについて、食事をしながら、お酒を酌み交わしながら喋り続けるという採用スタイル。人対人として、価値観が合うか納得するまでコミュニケーションをとる時間を設けたそうです。「手間がかかり過ぎる」「大企業ではムリ」という意見あったそうですが、採用しても結局辞めてしまうのであれば意味がない。そうであれば採用の“入り口”でしっかり時間をとるべき、“急がば回れ”、“湿度の高いコミュニケーション”がこれからの採用スタイルに大切なキーワードのようです。 
人生がこれまでよりも確実に長くなっていく時代、若新さんは仕事の選び方、選ぶ時間も変化していくと仰っています。20代の前半で自分の仕事を固める、確定するのではなく、
20代は、10年くらいかけて“仕事を探す”期間にするべきであると。社会のシステムの違いはありますが、北欧などでは、大学に行く前に働いたり、働いてから学び直したりしている例もあげながら、あわてることなく、納得するまで仕事を探してみることが、人生100年時代の仕事の“選び方”だと説明してくれました。

そんな“人生100年時代”、最後まで仕事を楽しんでいく働き方で重要なのは、自分のキャリアにゴールを決めないことだと若新さんは考えます。
“現役”と“老後”の境界もあいまいになっていく中、人生のゴールはなくなっていく。ゴールがないからといって適当に働くのではなく、自由に柔軟に変わっていけばいい。仕事をする中で、沢山遭遇する想定外、偶然、それにビビッときたら気持ちの向く方に行ってみればいい。そうやって変化を重ねる中で、自分に一番向いているものを見つけていく人が、“人生100年時代”を最後まで楽しむことが出来る人。自分のキャリアのゴールは人生が終わった時に分かればいい、そんな風に語ってくれました。

若新雄純さんも審査員をつとめる一人ひとりがイキイキと働くための職場の取り組みを表彰するプロジェクト「第6回GOOD ACTIONアワード」が現在、エントリー企業、団体を募集中です。締め切りは9月25日となっています。