時間や場所に縛られない働き方で成果があがる、先進的な働き方

2019.07.31 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

7月8日・月曜日~11日・木曜日の放送では、日本ヒューレット・パッカード株式会社の取り組みについてご紹介しました。

サーバー、ストレージ、ネットワークやITインフラ構築サービスなど、エンタープライズテクノロジー製品とサービスを提供している、ヒューレット・パッカード エンタープライズ、通称HPE。
全世界で6万人の従業員を抱えるグローバル企業ですが、その日本法人である、日本ヒューレット・パッカード。世代や性別だけでなく、様々な人種が働くダイバーシティ溢れる会社ですが、働き方にまつわる取り組みも、世界レベルでいち早くスタートし、アメリカで最初にフレックスタイム制を取り入れた企業として知られています。
そんな日本ヒューレット・パッカード株式会社、執行役員で、人事統括本部の鶴田義朗さんにお話を伺いました。
1977年、今から40年以上前にフレックス制をすでに取り入れ、その後も2001年からフリーアドレス、そして、リモートワークとワークスタイルの柔軟性に長年取り組み、現在では、フレックス制とリモートワークを掛け合わせたような制度、FWP(フレックス・ワーク・プレイス)につながっているそう。

70年代後半といえば、公民権運動や女性解放運動からまだ10年程度といった頃ですが、そんな時代でも先見の明を持った働き方を推進していったベースになっているのが、創業者の会社に対する思い。持ち株制度、などもいち早く導入し、信頼と尊敬をベースに会社づくりを行うことで、その社風を気に入って入社する人、そしてそこから巣立っていった人達が、世の中に様々な種をまいたという歴史が培われているようです。
2日目の放送では、そんなHPEの働き方で特徴的なFWP(フレックス・ワーク・プレイス)について教えていただきました。

原則、週に2日、月にして8日程度、オフィス以外の場所で仕事ができるというこの制度、個人の事情によっては週2回を超える在宅勤務も、上司に相談した上で可能とされているそうですが、最初はなかなか浸透しなかったそう。そして、浸透するきっかけとなったのが、東日本大震災。実際にオフィスに行けないという状況から、すそ野が広がったというもの。
最近は女性、子育て世代だけでなく、男性の育児参加やコミュニティ参加を積極的に行いたいと制度を利用する社員も多いようです。
創業当初から「自分で考え主体的に行動する」という社員の自律性を重視しているというHPE、そこには、社員の自律性こそが、企業の人材価値を最大化し結果として最終的にはビジネスへの貢献に繋がると考える企業理念がこめられているようです。
3日目の放送では、今年の4月からスタートした新しいプログラム、「Work that fits your life」の一つである「Wellness Friday」について伺いました。
毎月第2金曜日、午後2時半以降の3時間をウェルネス目的の自由な行動に使えるという「Wellness Friday」、シリコンバレーではイノベーションを促進するため、勤務時間の一定割合を自由時間として使える制度の導入が相次いでいるそうですが、こうした自由時間から柔軟でイノベーティブなアイデアが生まれてくることが期待されています。

実際に6月の「Wellness Friday」では、体を動かしたり、勉強したり、家族との時間に使ったりという活動が見られたそうですが、社内でもウェルネスイベントを開催。フィットネスの講師を呼んで行ったフィットネスプログラムには、120名以上の社員が参加されたそうです。
4日目の放送では、その他のHPEの働き方にまつわる取り組みをご紹介しました。
5つの制度で構成されるプログラムの総称である「Work That Fits Your Life」。「Wellness Friday」だけでなく、「育児短縮勤務」「育児休業制度」の拡充、そして「リタイア前短縮勤務」や一度退職した社員が契約社員で復職する「Career Reboot(復職制度)」の導入が進められているそう。
会社は社員の業務を取り巻く環境、それらを支えるルールを作るという形が一般的ですが、社員を管理するのではなく、信頼と尊敬をベースにした会社理念で、いかに働き方に関するあらゆる選択肢を社員に提供し、その活用については社員の主体性に任せるというHPE。

最後に、4日間に渡ってご紹介してきた「日本ヒューレット・パッカード株式会社」の取り組みから番組が導き出した「WORK SHIFTのヒント」は、『社員の主体性がイノベーションへのカギになる』でした。
創業者の二人の友情から生まれた「信頼」と「尊敬」に基づく企業理念がしっかりと浸透し、縛る事ではなく、様々な選択肢を提示することで、社員の主体性を生み、そこからイノベーションにつながるというHPE、「Best place to work」(より良い職場)を体現するマーケットリーダーとなっているようです。