「山ごもり」をする?ユニークな休暇制度が生んだ、休み方と働き方

2019.05.28 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

4月29日(月)~5月2日(木)の放送では、広告の効果測定を支援する「アドエビス」を始め、企業のデジタルマーケティングをサポートするソフトウェア開発企業、株式会社ロックオンの取り組みを紹介しました。
2015年度の「グッドアクション」を受賞した株式会社ロックオンは、現在、グループ全体で147名の方が働いています。その株式会社ロックオンの働き方に関する取り組みの代表的な制度が「山ごもり休暇」です。この制度は全社員が年に1度、会社との連絡を断ち、9日間の連続休暇を取得する、というもの。会社との連絡を断つというユニークなこの取り組みによって、それまで属人化しつつあった業務を引き継ぐために、業務そのものを見直したり、効率化するなどのアクションに繋がったそうです。以前も番組で注目した、この制度。株式会社ロックオン 人事部・人材開発課・課長の 廣 遥馬さんによると、制度を継続して取り組んだ結果、有休の取得率が向上。制度導入時は、20%台だった数字が、昨年は71%にまで上昇。メリハリをつけた働き方、生産性の向上につながっているようです。
こうして「休む」ということが「自然のアクション」として社内に定着した株式会社ロックオンでは、男性の育児休業の取得にも成果が上がっています。株式会社ロックオン コーポ―レートコミュニケーション室 室長の 金 ナリさんによると、株式会社ロックオンでは、男性社員も1か月以上の育児休暇を取得することが可能で、今では育児休業を取得している社員の約4割が男性社員となっているそうです。他にも、10年勤続した社員全員に付与される「10年勤続休暇」や、会社に籍を置きながら最大2年間の休職を認める「武者修行制度」も実施しています。武者修行制度は、社内で獲得できない知識や能力、経験を獲得することで、社内人材の成長と多様化、活性化を期待して、導入されているそうです。こうした制度の拡充が、社員ひとりひとりの成長、キャリアアップにつながり、ゆくゆくは会社にフィードバックされていくことになるのかもしれません。
休暇だけではなく、株式会社ロックオンでは、社員それぞれのバックグラウンドに対応した働き方の選択肢が用意されています。その1つが「時差通勤制度」。これは、通常9時から18時までの勤務時間を「30分単位」で変更できるというもの。
これにより、通勤ラッシュの回避、育児との両立の他、社員それぞれが朝型、夜型を選択することによって生産性があがる、などの成果があるそうです。この「時差通勤」は、前日までに申請すれば利用が可能ということで、フットワークが軽いことも制度を「使う」ためには重要なポイントなのかもしれません。

デジタルマーケティングをサポートする株式会社ロックオンでは、多くのエンジニアも在籍しています。そのエンジニアのみなさんの働き方と生産性向上につながっているユニークなアクションもありました。それが「ロックオフ」というユニークな取り組み。
エンジニアにとって「夢の家」と称されるロックオフは、オフィスとは違った空間をエンジニアのために用意した「一軒家」。ここはエンジニアが中心に集まる場所となっていて、開発に関する議論を行ったり、他社のエンジニアを呼んで、交流会や勉強会を行うなど、自由なスペースとして活用されているそうです。オフィスが“日常”だとしたら、このロックオフは“非日常”ともいえる場所。その分、自由な発想が浮かび、実際、このロックオフを起点に、アプリの開発など、開発に関する成果もでているとのこと。
ちなみに・・・エンジニアがメインとはいいながらも、社内の交流会や採用時の面接場所、出張者の宿泊先としても活用もされているそうです。
4日間に渡って紹介してきた株式会社ロックオンの取り組みから番組が導き出した「WORK SHIFT」のヒントは『まずは1つ!働き方のコアになる制度を確立させよう 』でした。さまざまな「働き方」が問われる現代。解決に向けたアプローチも増えていますが、一度にすべてに取り組むのではなく、まずは1つの制度を起ち上げ、実行し、運用、確立させていくことが大事。株式会社ロックオンのように「休暇」に対する取り組みを、まずは徹底的に行う事で、休暇に対する理解と休暇に入るまでの業務の効率化を実現。結果、男性の育児休業やキャリアップの休暇まで、さまざまな取り組みに波及させていける!
まずは・・・「1つ!」を心掛けてみるのがいいのかもしれませんね。