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逆転の発想で飲食業界の常識をくつがえす、<佰食屋>の働き方
J-WAVE
2019.04.24 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

4月1日~4月4日の放送では、京都でステーキ丼の「佰食屋(ひゃくしょくや)」などを展開する「株式会社minitts」が取り組む「働きかた改革」をご紹介しました。
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お店の名前「佰食屋」。
「『百』に『にんべん』がついているのは、ここに『人』の意味を持たせて『人を大切にする会社であろう』という意味。『働き方改革』というテーマがこの『佰』という字に込められている」と、代表の中村朱美さん。
この「佰食屋」は「一日100食限定」のお店です。
2012年11月29日(「いい肉の日」)に開店。現在、ステーキ丼専門店の「佰食屋」、すきやきの「佰食屋すきやき専科」、そして「佰食屋肉寿司専科」という3店舗を運営しています。メニューは、それぞれの店で3つずつしか置いていません。「もともと飲食店の経験がなく、おいしいものをたくさん作るのは難しい。絶対に自信のある、すごくおいしいものだけをメニューにした」と中村さん。メニューを絞ることで、コストが削減でき、オペレーションが簡単になる、食材の破棄が少ない、など非常にメリットがあるそうです。
もともと専門学校の広報の仕事をしていた中村さんは、結婚し子育てをしながら働きたいと思っていましたが、仕事が忙しく早く帰れない。子育てしながら働くことがイメージできず、「何か新しい働き方作れないかな・・・?」と思ったのが起業のきっかけだったとか。
そんなとき「料理上手な旦那さんの得意料理を世に出すのが良いのでは?」と、ふと思い、「定年退職したらお店を持ってみたい」という夢を持っていた旦那さんに「いつかやりたいなら、いまのうちにやってみない?」というポジティブなノリで始めたのだそうです。
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2日目には、「100食限定」とした意味について伺いました。
以前は営業や広報などインセンティブがある仕事をしていたという中村さんご夫婦。
食べに行くのは好きなのに、閉店間際に入ったら嫌な顔をされたり、忙しい日は店員が疲弊していたり。それを見て「働いている人がしんどいって嫌だな」と思い、どうせなら働く人も幸せになれる飲食店を!と強く思っていたそうです。
そこで考え付いたのが、インセンティブが感じられる飲食店。つまり、売り切ったら早く帰れるし、給料も上がる! というお店でした。
ただ、「100」という数字に関しては、「じゃ、100食ぐらいにしとく?」とザックリ決めたとか。
実は絶妙な数字だったことはあとから気づいたそうです。
「佰食屋」のメニューは「国産牛ステーキ丼」「国産牛おろしポン酢ステーキ定食」そして「国産牛100%ハンバーグ定食」の3つだけで、飲食店としては珍しく、なんと「冷凍庫」がありません。それは、必要がないから。毎日100食限定なので仕入れる量はいつも一緒。それをすべて使い、「冷蔵庫」すら空っぽになるぐらいすべて使い切るそうです。何も保存する必要がなく捨てるものもないので、「フードロス」も限りなくゼロです。
お客様の食べ残しも気になるので、ごはんの量もグラム単位で計って提供。何も捨てなくてよいように気を付けているということです。
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3日目は、従業員の方々について伺いました。
「佰食屋」ではシングルマザーや障害のある方、介護をしている方、これまで、ほかの職場の面接では受からなかったような方などを、積極的に雇用しているそうです。
中村さんによれば・・・「求人はハローワークのみで、職に困っている、これまで面接を受けてきたが何十社も落ちている、という方を積極的に採用している」とのこと。「100食限定なので、もっと売って成績をあげるということができないし、メニューは3つなので、新メニュー開発もない。ガンガンやりたい人はやりがいを得にくい仕事内容ですが、逆に、言われたことをキッチリやる人が必要」だそうです。正社員になって安定した暮らしをしたい人、あるいは、これまで不遇な扱いを受けてきた人がお店にマッチするということ。そういう方々の方が愛社精神が芽生え、ほかの従業員に優しくなるとか。マジメにコツコツ・・・を評価するそうです。現在、働いている方々の中には、いくつも面接を落ちた方がいるということでしたが、それは例えば、面接が苦手なだけ。
現在の採用基準はひとつだけで「いま働いている従業員と雰囲気が合うか?」。要は「イラっとしそうかどうか」を見ているそうです。
忙しくなるとイライラするタイプと焦ってくるタイプがいますが、イライラしてくるのは仕事ができる人。不器用な人は、不安になったりオロオロしたり・・・。中村さんは「オロオロする人がほしい」と言います。「100食限定だし、毎日ずっと同じことをやっていれば絶対に覚えられるし、絶対に上手くなるから、イライラしないタイプの人に来てほしい!」そうすれば、従業員の中で「あの人怖い」ということもなくなり、お客様にも感じが良く、すべてが上手く行くと語ります。
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最終日は今後の長期的な計画についてうかがいましたが・・・
長期・中期経営計画は一切ないそうです。あるのは「1日100食完売する」という目標だけ。
「『佰食屋』自体、儲けようと思って始めたわけではなく、子育てしながら働ける職場を作りたかった。儲けよりも働き方を重視! いちばんベーシックにあるのは『私がやりたくないことを他人にやらせない』」と中村さん。「夜も開けたら?」とよく言われるそうですが、「自分が夜に働けないし働きたくないから、従業員にもさせない、というのは絶対に譲らない!」と強く語ります。
一般の女性・主婦として、「晩御飯は家族全員で温かいうちに食べたい」。さらに、子供の送迎や風邪ひいたときも柔軟にできたら・・・それを従業員の働き方に反映しているので、家庭を大切にしたいと思う方が働いているということです。
そして現在、3つの直営店を運営しているのですが、もう1店舗を6月ごろにオープン予定。
昨年災害があったときお客様が半分しか来なかったのですが、逆に、「災害があっても50人は来た!」と気づき、「最初から目標が50だったら、何もダメージはないはず」という仮説を立てたとか。
「目標が50なら赤字にならないんじゃないか?」という新しい着想で『佰食屋1/2』を作ろうとしています。売り上げは半分になりますが、従業員の数も半分にできないか?…いま5人でまわしているのを券売機を使ってふたりでできないか?と考えているとか。 
これが上手く行ったら、これを「働き方のフランチャイズ」にできるのでは?と大きく夢を膨らませています。

今週のお話から導き出す「WORK SHIFTのヒント」は・・・『逆転の発想でその先へ』。

「100食限定」「メニューは3つだけ」・・・できることからやろう!という逆転の発想から、コスト削減、フードロス解消、早い帰宅、さまざまな従業員の雇用、さらに、「働き方のフランチャイズ」に挑戦・・・と改革が進んでいるようです。

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