ワークライフバランスの先を行く、ライフワークインテグレーションとは

2019.04.17 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

3月25日・月曜日~28日・木曜日の放送では、日本とサンフランシスコに拠点を置く、デザイン会社「btrax」に学ぶ、グローバル基準の働き方をご紹介しました。
2004年にサンフランシスコでスタートし、2013年から日本にもオフィスをオープン。
その業務は「デザイン会社」という枠を超え、従来のグラフィックデザイン業務に加えて、企業の課題を解決するための「デザイン思考」を活用したワークショップを行ったり、新規事業を作り出すためにクライアントと取り組んだり、と革新的なデザインとビジネスソリューションを提供する、デザインコンサルティング業務となっています。
そんなbtraxのCEOのブランドン・ヒルさんにお話を伺いました。
1日目の放送では、btraxの本拠地であるサンフランシスコ流の働き方にフォーカス。
日本でも数多くの大手企業と取り組みを行っているbtraxですが、日本企業のカルチャーを変革するためには、管理職側のマインドセットを行うために必ず、サンフランシスコに来てもらってのワークショップを行うそうなんです。
最先端のIT企業が集まり、優秀な人材が多いサンフランシスコ、その働き方は、「いつどこで、何をしていても構わない」、「なるべく管理しない」、というもの。景気が良く、人材の取り合いにあるというサンフランシスコ。会社の規模に関わらず、より良い労働環境や楽しい職場を提示しないと、良い人材を確保できないという状況にあるようです。
2日目の放送では、そんな自由な働き方が浸透してきているというサンフランシスコ流の働き方で新たな流れとなっている「ライフ・ワーク・インテグレーション」について教えていただきました。
「ワークライフバランス」と違って、バランスを取るのではなく、「仕事」と「プライベート」を柔軟にインテグレート(統合)し、両方の充実を求めるという「ワーク・ライフ・インテグレーション」。
仕事もプライベートも人生の一部、として捉える、「ワークライフバランス」の一歩先を行く考え方として、現在、日本の企業でも注目する人が増えているようです。
またbtraxでは、オフィスにも自由度があふれていて、ルーフトップで会議をしたり、仮眠が取れる部屋があったり・・・行っている業務によって、一番合った環境で集中して仕事ができるよう工夫されているようです。

もはや、自分の家のような感覚で働けたり、反対にサンフランシスコでは、全員リモートワークという会社も出ているそう。「仕事」「プライベート」と分けるのではなく。両方最大限に楽しむ、という考え方が若い世代だけでなく、広く浸透してきているようです。
3日目は、btraxがコンサルティング業務を行う中で見えてきた、日本企業の中での変化についてご紹介しました。最近では変化しないと人が辞めるようになってきたという日本。自分たちも魅力的な会社になるために、努力を続ける企業も出てきているといいます。ですが、働き方に関する変革を起こそうとしても、なかなか変えられない、というのは、大企業ならではの悩み。実際にbtraxでは5年以上かけて変革に取り組んでいるクライアントもいるそうですが、まずは、一つの部署だけ、もしくはチームごとで、試しにやってみる、というアプローチを進めているそうです。

そして、変革に必要なのは「ダイバーシティ」と答えるブランドンさん。
今後、人手不足が深刻化する日本社会に置いて、様々な国籍、性別などの人たちとともに働く時代となる中、どんな価値観でも心地よいと感じられる現場作りが重要とお話されていました。
4日目は、btraxの新しい働き方をご紹介しました。
サンフランシスコでは、より自由度溢れる、好きな場所で、好きな時間に働くという傾向が強くなる中、btraxでは、東京と福岡と半々で働くスタッフもいるそう。物理的なオフィスがある都市でなくても働ける、そんな働き方を今後より増やしたいとお話されていました。
そんなリモートの一歩先を行く、ボーダーレスな働き方。
勤務地を限定しないことで、グローバル規模で、世界中の優秀な人材も取り込めるというメリットもあるそう。
そして、そんな働き方を実現するのに大切なのが、「どこでも繋がれる」というネット環境。
ネット上のやりとりでもジョークを交えたり、コミュニケーションを考えたアプローチが重要なようです。

最後に、4日間に渡ってご紹介してきた株式会社btraxの取り組みから
番組が導き出した「WORK SHIFT」のヒントは、『 ワークライフバランスから、ライフワークインテグレーションの時代へ』でした。

「仕事」と「プライベート」の時間のバランスを取ることが推奨された時代から、もはや、「仕事」と「プライベート」を分けることなく、統合させる時代。
こういった柔軟なマインドを持てるかどうかが、この先、優秀な人材確保や企業の生き残りにつながってくるようです。