J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で
様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。
2月11日から2月14日までの4日間は、異分野の知識を組み合わせて新しい知識を製造する「知識製造業」を掲げ、子どもたちへの教育に関する事業を中心に、ベンチャー企業の育成や、企業の新規事業の開発などを行う株式会社リバネスの働き方・組織改革に注目しました。
初日の放送では、リバネスのオフィス、そして、会議の在り方について、リバネス代表取締役 グループCEOの丸 幸弘さんに伺いました。
丸さんご自身がデザインしたというオフィスは、「どれだけ物事が見える化できるか」にこだわり、ITインフラを積極的に導入することによって、オフィスで今、何が起きているか?をリアルタイムで把握できるような仕組みになっているそうです。
そして、リバネスにおける「会議」も特徴がありました。最近は、会議を時間で区切る企業も増えていますが、リバネスでは「盛り上がっている会議」については、限られた時間で終えるのではなく「もう1コマ続けよう!」というスタイルをとっているそうです。
もちろん、無駄な会議は減らす、ということですが、議論が白熱しているからこそ、続けて議論した方が効果的な会議もあります。こうした「ルール」に捉われないスタイルは、生産性を高めるための1つのアプローチといえるのかもしれません。
2日目の放送では、リバネスの人事における仕組みに注目しました。リバネスには、そもそも「人事部」がありません。代表の丸さんによると、創業当時から、社員の評価を決め、給与を決める、ということは「自分でも苦手だった」と感じており、その役割を人事部という部署を設けて担当してもらうことに疑問があったからなのだそう。
では、どんな仕組みをとっているのか?それが、リバネスが開発した「PMTマトリックス」と呼ばれる仕組みです。「P」・・・パートナー(その人と対等に仕事をすることが多いのか)、「M」・・・メンター(その人に教えることが多いのか)、「T」・・・トレーニー(その人に教えられるコトが多いのか)、を図式化したもので、この指標によって、社員同士のコミュニケーションとその関係性が可視化されているそうです。人と人の関係は、あくまでシンプルであり、このPMTマトリックスを導入したことで、例えば、感情に左右されずに社員の評価が可能になった、ということです。
3日目の放送では、このPMTマトリックスの具体例を、リバネス取締役CIOの吉田丈治さんに伺いました。リバネスでは、半年に1回、「全社員が全社員に対して」、このPMTマトリックスの指標について回答をしているそうです。こうした回答からのモデルケースとして、例えば、グループCEOの丸さんには、全社員からの「M(メンター)」としての数が多く集まっていることが可視化されています。こうした「M」が多い人材には、たくさんの知識が集まってくることが多い、ということが分かります。「P(パートナー)」が多い人材は必ずしもリーダーシップをとるわけではないものの、いろいろな人に頼られる傾向が高いとのこと。最後に「T(トレーニー)」は、新人を指すケースが多いそうですが、この「T」は、いろいろなことを吸収している、ともとることができ、誰から学んでいるか?が可視化されることで、将来的な伸びしろを図ることにも役立っているそうです。
「誰が、誰とコミュニケーションしているのか?」、そこで「どんな関係性があるのか?」
が可視化されることで、その人のもとに流れているコミュニケーション流量を測定することができ、いわゆる人事の機能にも役立てられているそうです。
グループCEOの丸さんが将来的なビジョンとして、「いつか自分より多くの「M」を獲得する人材が現れたら、もしかしたら「引退」の時期なのかもしれない」と語るように、客観的に会社をマネジメントしていくイノベーションとして期待されています。
最終日の放送では、リバネスが大切にしている、もう1つの取り組みに注目しました。その仕組みが「QPMIサイクル」というもの。これは仕事に対する向き合い方、思考に影響するもの。このQPMIは、Q=Question / P=Passion / M=Member & Mission / I=Innovation を指し、さまざまなプロジェクトに取り組む根底には、このQPMIのサイクルがあり、リバネスで働く全ての社員の基本姿勢となっているそうです。
4日間にわたって紹介してきた株式会社リバネスの取り組みから番組が導き出した「WORK SHIFT」のヒントは『うちの会社ってなぁーに? を可視化する時代へ?!』でした。
今回の取材で1つのキーワードにもなっている「可視化」という言葉。会社内におけるコミュニケーションとその関係性を可視化することで、そのデータを人事に応用しているリバネスですが、こうしたデータの蓄積が、いずれ「会社」のステータスを示す数値にもなるのかしれません。つまり、その会社の「カラー=特徴」が可視化される時代がやってくる、ともとれます。自分にあった会社、働きやすさと相性を、こうした仕組みによって、よりその人とのマッチングを整えていくことが可能な時代が、近い将来に訪れそうです。