男性育休推進でみんなをハッピーに!積水ハウスが取り組む働き方とは。

2019.02.13 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で
様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。
1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

1月21日~1月24日の放送では、積水ハウス株式会社が取り組む働き方改革をご紹介しました。

積水ハウスでは、昨年7月に「男性社員1ケ月以上の育児休業完全取得」を宣言。9月から運用が開始されています。
全社をあげたこの取り組みを推進することにより、「キッズ・ファースト企業」として子育てを応援する社会を先導したい、とのことなのですがそもそも「働き方改革」はいつごろからスタートしたのでしょうか?
ダイバーシティ推進部の森本泰弘さんに伺いました。
積水ハウスでは2006年に、①女性の活躍の推進②ワークライフバランスの推進③多様な人材の活用を3つの柱とする人事基本方針として「人材サステナビリティ宣言」を出し、その中で「働き方改革」の推進を始めました。
が、実はその少し前に発表した中期経営ビジョン「S-Project」の中で既に、女性活躍を推進するという流れを作っています。これは、「女性の活躍なしに会社の発展はない」として、女性活躍に最大の焦点を当てたものです。
現在、社員は、男性8割・女性2割。住宅メーカーは昔から「男性社会」の傾向がありますが、女性の社会進出や働き手の減少などを考えると「女性社員の活躍なしには会社の発展はありえない」といいます。また、住宅を提案する上で、女性営業からの提案はお客様により響く、とのこと。
今回、男性社員の育休が改めて取り上げられたわけですが、女性についての育児休業制度は、以前からしっかりと態勢を整えていました。
2日目は、「男性社員1ケ月以上の育児休業完全取得」と同時に推進している、多様な人材が活躍できる働き方改革「わくわく ドキドキ 心躍る職場づくり」の取り組みをご紹介しました。
積水ハウスでは「ESG経営」・・・つまり、「E」=環境(environment)、「S」=社会性(social)、「G」=企業統治(governance)それぞれを強化することで持続可能な会社に発展して行こうという経営・・・を推進しています。
この中で「S」にあたるのが「働き方改革」。
「わくわく ドキドキ 心躍る職場づくり」とは、わくわくドキドキする職場で、生産性を高めながら仕事ができる環境を作りあげて行こう、というもので、具体的には、IT環境を整えること、iPadなどを使って現場で仕事ができるようにすることによって働き方を変えていこう、という取り組みです。
これまでに、iPadやiPhoneをグループ会社や協力工事店に4万5千台超を配布済み。
住宅メーカーとして、お客様の情報を得て、工場でそのプランを形作るための部材を生産し、加工するのが基本的な業務なわけですが、これまでどうしても縦割りになっていたのも事実。
2010年から、コア情報を一元化することによって情報をスピーディに引き出し加工できるようになり、これがモバイル端末でも閲覧可能になったことで、この改革が一気に進んだということです。
やはり、技術の革新が、働き方改革にも、直接関わってきているわけですね。
3日目はまず、「男性社員1ケ月以上の育児休業完全取得」制度の誕生には、どのような経緯があったのかを伺いました。
2018年に仲井社長がストックホルムを訪問したところ、公園でベビーカーを押しているのがほとんど男性だということに驚いたそうです。調べてみると、福祉国家のスウェーデンは日本とはかけ離れた制度がありました。積水ハウスも以前から女性活躍推進は進めていたものの、どうしても、子育ては女性が負担を強いられている。「男性が育児・家事に本格的に参画しないことには女性の活躍はない」ということで制度化することになったということです。
実は、以前から育休制度自体はあったのですが、これまで、有給として認められていたのは最長4日まで。
それが今回、子供が3歳の誕生日を迎える前日までなら1ケ月(または31日)までは、最大4分割して(毎月1週間ずつ4か月・・・のように)有休を取ることができる、という制度となったそうです。
さて、この制度が始まったのが昨年9月。実際、どの程度の方が利用しているのでしょうか。
これまでに申請してきたのは、なんと600人超。そのうち、すでに休業を開始または取得済みの方は、500人以上とのこと。
取得済みの方々の感想として、「子供との貴重な時間を体験した」「奥様の苦労がよくわかり深く感謝した」という声が続々。
業務をいったん同僚に渡すので、そこにコミュニケーションが生まれ、仕事の平準化、断捨離、横のつながりができた、と「働き方改革」が進んでいることを実感しているようです。
家庭内でも、職場内でも、良いことずくめのようです。
最終日は、「男性社員1ケ月以上の育児休業完全取得」制度を実施したことでどんなことが見えてきたのか?伺いました。
森本さんによると、「取得報告書の中に、さまざまな気付きや課題がちりばめられており、ダイバーシティ推進部としては<宝の山>。そこから得られる新たなイノベーションをどう社内に展開するか?さらに、社外にも公表することで、社会貢献をしていきたい」と語ります。
さらに、「『ESG経営』のリーディングカンパニーとして、積水ハウスが社会を先導できるか? 日本社会の中でどう貢献できるか?を視野に入れて、これから活動していこうと思っている」とのこと。これがひいては、優秀な人材の獲得にもつながり、お客様にアピールすることになる可能性も考えられます。
しかし、そんな中でもやはり、男性が長期で休むことにはハードルがあり、職種によってもさまざまな事情があります。
今後は、「イクボス」(上司)をどう育成するかも含め、育休の所得事例を活用しながら、どうすれば男性育休がどんどん浸透していくかを考えるのが課題ということです。

今週のお話から導き出す「WORK SHIFのヒント」は・・・『男性育休推進でみんなをハッピーに!』

男性の育休を推進することによって、家庭内にも職場内にもコミュニケーションが生まれ、働き方改革が進み、それが社会貢献へ、ひいては会社の利益にもつながる、というわけですね。