200年以上続く老舗・船橋屋が「新しい改革」で若者に注目されるワケ

2019.01.18 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

12月24日〜12月27日の放送では、株式会社 船橋屋についてご紹介しました。

1805年から続く老舗で、「くず餅」の製造・販売を行っている、船橋屋。老舗でありながら、現在では新卒採用のエントリーが、ピーク時には1万6000人を超えるなど、若い世代も注目する企業として、その働き方に大きな注目が集まっています。

“職人”が作り出す「くず餅」の伝統を受け継ぎつつ、老舗から現代の社会へと順応する様々な「改革」を行ってきています。

8代目、現在の代表、渡辺雅司さんが、昔ながらのやり方、老舗ならではの経営など、会社が抱える課題への「改革」をスタート。そこには、社員の活気を取り戻すため、老舗として現代を生き残っていく!という思いがあったそうです。

改革を進めていくにあたり、まず向き合ったのが、「くず餅」を製造する“職人”たち。執行役員企画本部本部長の佐藤恭子さんにお話を伺ったところ、当時の船橋屋には、他部署との“横の繋がり”があまりなかったとの事。

その繋がりを生みだすため、部署を超えたプロジェクトへの取り組みをスタート。さらに、そのプロジェクトに若い社員を“巻き込む”ことで、新しい風を会社へと積極的に取り込んだそうです。

初日、月曜日は、こうした取り組みによって、職人、世代を超えた社員を“巻き込む”ことで、部署を超えた様々な“横の繋がり”を生み出していった改革のスタートについて伺いました。
2日目は、縦型の会社の体制から、「風通しの良い職場」への改革に注目!

以前は新入社員の配属を、現場の職人たちがあまり歓迎していなかったという状況があったそう。こうした状況を改善するため「改革」を行ったのが新卒採用。その採用の面接の場に、各部署の部門長、店長を参加させることで、「自分が面接した新入社員なら」と、新入社員にたいして愛着を持って、迎え入れられるように変えたそう。

お話を伺った、執行役員企画本部本部長の佐藤さんは、「ルール・仕組みを変えるだけではやらされているだけになり、人、職場は変わらない」とおっしゃっていました。

さらに、職人の仕事に評価基準を設け、そのレベルに合わせて手当てを設定する、職人を抱える製造業ならではの取り組みについても教えていただきました。
3日目は、株式会社 船橋屋が進める女性の活躍推進に注目!

「くず餅」の製造、販売を行う職業柄、女性社員も多い「船橋屋」。シフト制で、年中無休の販売店舗を運営していく中で、出産・育児など、環境の変化によって、仕事を続けることが難しい状況もあったそうです。

そこで、シフト制でありながらも、土日にしっかりと休めるよう対応をし、時短勤務も含め、どう働きたいのか?という社員の思いに応えられるように向き合うことで、女性が働き続けられる環境を整えているそうです。

「どう働きたいのか?」を社員、職人たちが、しっかりと向き合う。その思いに会社として応えていくことで進む、船橋屋の「改革」が見えてきました。
最終日は、新しい制度を作るだけでなく、「人材」によって改革を進める船橋屋に注目!

その原動力となる「新入社員」への取り組みについて、執行役員企画本部本部長の佐藤恭子さんにお話を伺いました。

船橋屋では、入社前の内定者研修で、様々な研修を導入。その段階で、同期、そして先輩社員との、横と縦の繋がりをしっかりと構築。この繋がりがあることで、安心して入社をしてもらうことが出来ているそうです。

入社したタイミングで、すでに相談ができる“同期”“先輩”が職場にいる。これだけで、仕事へのモチベーションも変わってきますよね?

さらに船橋屋では、毎年4月に「ビジョン発表会」、10月には、そのビジョンの進捗状況の報告する「取り組み発表会」を設けているそう。
ここで、各部署、プロジェクト、各店舗の1年後のビジョンを発表し、「何をしたいのか」という目的意識を、はっきりと持ってもらう。さらに、他のチームの発表を受け、自分たちでも生かせる事がないかと、みんなで共有し、自己成長する事が出来る機会となっているそうです。


これまでのお話から導き出す「WORK SHIFTのヒント」は・・・
『やりたいからやる! 働き方も、仕事も、これが最大の原動力!』

4日間のお話で、何度も登場した「やらされる。のではなく、何をやりたいのか?」
職人・社員を巻き込み、一人ひとりの“やりたいという意思”を原動力にする事で、働き方、職場、そして会社を変える事ができる。

この職人、そして社員の意識の変化、「人材改革」の結果が、老舗でありながら、現代の若い世代が注目する企業へと「改革」を続ける、株式会社 船橋屋の今へと繋がっているようです。