働くことと暮らすことが繋がるワンライフスタイルを実践

2018.12.26 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

12月3日~12月6日の放送では、スマートフォン向けトラベルオーディオガイドを配信する株式会社on the tripに注目しました。

マイクロバスを6人乗り仕様にしたバンをオフィス 兼 住居とするon the trip。提供しているサービスは、美術館にあるような「音声ガイド」が、あらゆる旅先(神社・仏閣)で使う事ができる、というサービスということもあり、取材のために移動するのではなく、取材のためにオフィスが移動する、というスタイルをとっています。
on the trip代表の成瀬勇輝さんは、「このバンのオフィスは1950年代~60年代のアメリカ文学への憧れもある」、としながらも、現実的にも提供するサービスとの親和性、費用対効果を考えた上で、こうしたスタイルのオフィスを選択されたそうです。
実際に使用しているバンは、住まいも兼ねているためキッチン完備、太陽光パネルを設置して電気は自給自足ができるように工夫するなど、こだわりの仕様となっています。
住まいとオフィスが移動するというのは「究極の働き方」の1つともいえますが、現在、2人~4人のスタッフが、このバンを拠点に活動。約1年半、このスタイルでの仕事、暮らしを続けているそうですが、いままで大きなトラブルはないとのこと。
営業活動や出張が多い代表の成瀬さんやカメラマンのスタッフは別行動する機会も多く、お互いが干渉をし合わない文化が、このバンを活用するスタッフの中で育まれていることで、on the tripのバンでの仕事が円滑に回っているようです。

一方で、バンという限られたスペースの中で働き、暮らす、ということは、徹底的にオフィスの軽量化も求められます。ITの進化で、どこでも仕事ができる環境を整えることは可能になりつつありますが、必要最低限のオフィス空間をデザインしたことで、成瀬さんは、いわゆる一般的なオフィスが持つ1つの機能に気づいたといいます。
その機能が「偶発的なアイディアや発想を生む」ということ。
移動しない、いわゆる“居”を構えるオフィスは、そこを訪ねれば、誰かに会う事ができるコミュニティになっていますが、移動式オフィスはそうはいきません。
バンでの仕事、暮らしを始めた当初は、この点が1つの課題だったようですが、1年半に及ぶバンでの活動の中で、on the tripへの関心、注目が高まり、今では移動先のバンのオフィスに、人が訪ねてくる機会も増えているそうで、今後、移動しながらも「コミュニティ」としての機能を果たすオフィスへの成長を1つのチャレンジとしていきたいと力強く語って下さいました。
on the tripの働き方や暮らし方を、すべての人が実践するのは難しいかもしれませんが、最近は、さまざまな業種で、旅先での仕事を推奨するワーケーション(WORK+VACATION)も注目を集める機会がありますが、こうした旅先での仕事や暮らしについて、成瀬さんは「訪れた先々で、毎日が変わる。」と、ワンライフの魅力を紹介してくださいました。

働くことと暮らすことがワンライフでつながるon the tripは会議もユニークです。
お風呂がない、というバンの事情もありますが、会議は「サウナ」を利用することが多いそうです。最近は、スタートアップ企業の中に、こうしたスタイルを取り入れている会社も少なくなく、外部の会社の方と行くこともしばしばあるとか。
こうした働き方と暮らし方を実践する中で、on the tripの代表として会社をマネジメントしていく成瀬さんに「働くこと」について伺ったところ、ポイントの1つは「消費されているという意識」とお話してくださいました。
コンテンツを創ることが仕事であるon the tripの仕事。成瀬さん達も一時期、仕事が「おもしろくないな」と感じたことがあったそうです。その時に感じたのが「消費している、されている」という気持ちだったそう。

こうしたお話の中から番組が導き出した「WORK SHIFT」のヒントは『 仕事は・・・消費することではない。 』でした。
企業において、ヒトは財産。ただ、時に自分が「会社に消費されている」と感じていませんか?働く人も、マネジメントする立場の人も、時間や労力、ヒトを“消費”する、という考え方から、共に創る と 書くことができる「共創」という意識・志向を共有できるようになることでより“生産性”や“効率”を高めるコトができるのかもしれません。