JTBグループ 約2万9千人で取り組む働き方のアクション「ワークシフト2020」

2018.10.31 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

10月8日・月曜日~11日・木曜日の放送では、JTBグループが取り組む働き方改革「ワークシフト2020」に注目しました。
ICT=情報通信技術の進化を受けて、今年度から新しいグループ体制を取り入れたというJTB。「ワークシフト2020」は「ワークダイエット」、「ワークシンプル」、「ワークスマート」という3つの柱のもとグループ全体、約2万9千人で取り組むプロジェクトです。

「ワークダイエット」は、業務を可視化し、本質に絞ることを目指すという考え方で、例えば、会議を減らしたり、短縮する。また、出席者を厳選することや報告のための会議をしない.さらに、共有資料の一元化、RPAの活用などを積極的に行うことを目指すものです。「ワークシンプル」は、ワークフローや情報を整理し、複雑なものを分かりやすくすることで、業務上のストレスを軽減することを目指しています。「“探す”を簡単に」というキーワードのもと、毎月1回、キャビネットやフォルダの整理整頓を行うなどの取り組みが行われているそうです。そして「ワークスマート」では、クラウドを活用。他部門の社員との人的ネットワークの構築や企画書の共有などを行い、社内の叡智や強みを結集することを目指すというアクションです。
グループ全体 約2万9千人・・・こうした「意識」と「行動」を伝えていくことも大変そうですが、株式会社 JTB、執行役員、働き方改革・ダイバーシティ推進担当の髙﨑邦子さんは「こうしたアクションが社員に届かなければ意味はない」とし、「伝えていく」という課題に対しては「繰り返し、伝えていく、また、伝えていくアプローチを工夫する、ということが大事」とお話してくださいました。例えば、会議の目的を「“結論”を出す会議」とするためには、事前に会議参加者とコミュニケーションを図ることを心掛けているそうです。こうした積み重ねが、大きな働き方改革の成果に繋がっていくのかもしれません。

では、実際に、現場の社員の方は、ワークシフト2020プロジェクトのもと、どのように業務に臨んでいるのか?番組では、今回、お二人の社員にインタビューをしました。
最初にお話を伺ったのは JTB トラベルゲート横浜 国内旅行フロア・グループリーダーの徳野正樹さん。徳野さんが勤務する店舗では「ワークダイエット」の取り組みとして、会議に対する取り組み刷新。これまで複数ページに渡っていた資料をまとめることから始まり、その資料を共有フォルダに保存。会議参加者は事前に資料を閲覧しておく、などの取り組みを行った結果、これまでの会議より15分の時間短縮に繋がったそうです。
直接、お客さんが訪れる窓口業務を行う徳野さんの現場において、開店前の会議で15分短縮されることは、大きな成果となっているそうです。また、このJTBトラベルゲート横浜には45人が勤務。そのうち、8人の方が、育児などの理由から時短勤務で働いているそうですが、さまざまな条件の社員が働きやすいように「40種類」の勤務シフトがあるそうです。
そして、もうお一人 お話を伺ったのはご自身も時短勤務をされているという、株式会社JTB 新宿第二事業部・業務課の片山はるかさん。会社で取り組む「ノー残業デイ」について、こうした取り組みが始まったことで、部署全体で「時短勤務」の社員に対する理解が深まってきたことを実感できるようになった、とお話をしてくださいました。働き方の改革、というアクションから、社員それぞれの「意識」や「理解」も変わっていくことで、さまざまな環境や条件を抱える社員の方が、より働きやすい環境が整いつつあるようです。

この「ワークシフト2020」について、実はプロジェクトが立ち上がる前に、社員から意見やアイディアの募集を行ったところ、200に及ぶ、意見やアイディアが集まったそうです。こうした「社員の声」を聴く取り組みも具体的なアクションになっているそうで、全国175か所に職場単位で、ダイバーシティ推進委員長という役職が全国配置され、ネットワークを構築。各エリアで取り組んだ働き方に関するアクションを、他のエリアの職場でも取り入れられそうな事例を、共有することができるようになっているそうです。ここで共有された取り組みは、すでに、他のエリアでも採用される実例があり、非常に活況を呈しているとのこと。
今回、ご紹介したJTBグループの働き方から番組が導き出した「WORK SHIFT」のヒントは『 木も見て、森も見る!』でした。
「木を見て、森を見ず」、という“ことわざ”がありますが。JTBグループの取り組みは、「木も見て、森も見る」・・・つまり、現場(社員)も見ながら、会社全体を考える、取り組み。新しいルールや取り組みに対し「今はできない」と考えていても、それは「今は・・・」であって“永遠(えいえん)”ではないことが多いはずです。働き方改革は、そんな“ワークプラス”の志向を「会社」と「社員」が互いに信頼して持ち合うことが大切なのかもしれません。