世代や役職の壁を越える銭湯部?社内部活動の意外なメリットとは

2018.10.12 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

9月17日・月曜日~20日・木曜日の放送では、
株式会社バスクリンの部活動にフォーカスして、より良い職場環境やコミュニケーションの場を創出するアプローチについてご紹介しました。
1893年創業の津村順天堂を前身に持つ株式会社バスクリン。
大企業といえば、歴史を重んじ、年功序列、役員と若手社員では大きな壁がありそうなイメージですが、株式会社バスクリンでは、そんな社員たちのコミュニケーションの壁を越えるアプローチが「部活動」という形で進められています。

1日目の放送では、会社公認の初の文化系部活動として、2015年にスタートした「バスクリン銭湯部」についてご紹介しました。
現在は部員10名で、下は20代から上は60代まで。会社では話すこともなかったメンバー同士が一緒に銭湯をめぐり、その模様をネットに配信、他にも銭湯とのコラボ企画を実行したりと、社外にも積極的なアプローチを行って活動の幅を広げています。元々、漢方薬を作る中で余った生薬の残りをお風呂に入れたことが始まりという「入浴剤」。お風呂に生薬を入れると体が温まる、湿疹が軽減される、ということが分かり「入浴剤」として銭湯に販売したところ、好評を得て広まったというのがスタートなんです。
そんな入浴剤普及のルーツである「銭湯」は、最盛期に比べ、いまや20分の1に減少。そんな状況から「銭湯を盛り上げたい」、また2020年に向けて日本の文化の一つである「お風呂」を見直したい、という部長を務める高橋正和さんの気持ちからスタートしたのだそうです。銭湯のリラックスした空間だからこそ生まれる自然なコミュニケーション。そんな中で、様々なチャレンジを試みてきたベテラン社員の貴重な話が聞けたり、自分の部署以外のことを知れたりと部活を通して大きな気づきが芽生えているようです。
2日目は、この部活動を通して生まれた新たな活動についてご紹介しました。社員10名の「バスクリン銭湯部」。活動の中で得られる貴重な会話や知識などを銭湯をめぐる中で築かれる世代や役職を越えたコミュニケーション。
それを部内だけでなく、幅広く知ってほしいと、ベテラン社員から若手社員への伝承の場として社内勉強会「バスクリン大学」を開設。ベテランにとっては当たり前になってしまうことも、若手にとっては新鮮な話だったり・・・話す場がなかったベテラン社員と、話を聞きたい若手社員をつなぐ一つのアプローチとなり、様々な経験談やモノづくりの哲学を聞くことにより新たな会社の魅力も発見できたり。
先輩たちの話を聞くことで、若手も刺激を受け、部活を通してのコミュニケーションから、社員たちの間でも変化が生まれているようです。
3日目は、部活動を通しての社員たちの変化についてご紹介しました。社員たちの会話のきっかけや接点を増やすきっかけとなり、業務がスムーズに進んだりと、働きやすさに繋がっている「バスクリン銭湯部」。その活動は、銭湯めぐりだけでなく、ネットに記事を配信したり、また、異業種との共同企画を行ったりと、更に、社外にも大きな広がりを見せ、働き方の多様化が求められる現代において、一人ひとりがイキイキと働くための職場の取り組みに光をあてる「グッド・アクション2016」を受賞するなど、社外からも注目を集めています。
銭湯に入りながらショートフィルムを見る企画や銭湯に図書館を作り、親が読み聞かせをできる場を作ったり・・・確実に接点を広げる銭湯部ですが、さらに部員それぞれのモチベーションアップのきっかけにもなっているそう。ちなみに部長の高橋さん自身も、「お風呂」にまつわる知識を深めたいと温泉入浴指導員やサウナ・スパ健康アドバイザーなど様々な資格を取得されたそうです。
4日目は、部活動を通して考える世代間コミュニケーションについてご紹介しました。
社内だけでなく、社外、グループ会社など、様々なつながりを生み出している部活動。
その中でも30代という、まさに中間にあたる世代で、若手とベテランを繋ぐ役割の部長の高橋正和さんですが、両方の気持ちがわかるからこそ、若手社員には、話を引き出すきっかけを作り、ベテラン社員には、リスペクトをもって接し、話せる場作りをしているといいます。
まさに様々な世代からのヒントが集まる場所として部活動が機能しているようです。
最後に、4日間に渡ってご紹介してきた「バスクリン銭湯部」の取り組みから番組が導き出した「WORK SHIFT」のヒントは、
『  社内の連携を強めるヒントは、共有体験にあり 』でした。
「銭湯」という空間ならではのリラックスした場所だからこそ生まれるコミュニケーションで世代や役職などの壁を乗り越え、社員同士のリスペクトや意識を高める結果に繋がっている「バスクリン銭湯部」。
好きなモノやコトを一緒に体験したり、部活から派生した企画にチャレンジしたりという共有体験によって生まれる連帯感が、働きやすい環境づくりやイノベーションへのチャレンジに繋がっているようです。
株式会社バスクリンでは「銭湯部」でしたが、お酢の会社なら「寿司部」だったり、コーヒーの会社なら「純喫茶部」だったり・・・あなたの会社でも「部活動」いいかもしれませんよ。