暮らすように働く!築100年の古民家オフィス

2018.09.05 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で
様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

8月13日・月曜日~16日・木曜日の放送では、大丸や松坂屋などの百貨店をもつJフロントリテイリンググループ、株式会社 大丸松坂屋百貨店が新しく開いたオフィス「未来定番研究所」に注目しました。

未来定番研究所は「5年先の未来の定番になるような生活を提案する」というコンセプトのもと、オウンドメディア「Future Is Now」の運営、クリエイターや目利きとの企画制作、全国に18店舗ある百貨店のブランディングや社内コンサルティングなどを担う部署。
その未来定番研究所がオフィスを構えているのは、谷中にある築100年の古民家です。

なぜ、古民家にオフィスを開いたのか?未来定番研究所、未来定番研究所長の今谷秀和さんによると、たくさんのクリエイターや目利きの方と会う機会が多い中で、オフィスビルの入館手続きの手間を効率化できないか?ということがきっかけの1つで、そんな中で松坂屋、大丸、ともに江戸時代から続く歴史とも縁がある谷中の古民家と出会ったそう。
実際に業務を開始してから、ここで働く社員の意識の変化もあったそうです。
現在、こちらのオフィスには6名の社員が勤務しているそうですが、
デスクは「フリーアドレス」を採用。古民家という空間ということで、会議という会議を開くことはなくなったそう。また、オフィスを開設したきっかけの1つであった「人との出会い」は、もちろんのこと、この古民家のオフィスでは、鍵の施錠から、ゴミ出し、など、これまでオフィスビルでは誰かがやってくれていたことを社員が担います。また、住宅街にあるため、近隣の住民の方の声を聴き、屋根をたたく雨の音も感じることができる・・・。まさに「暮らすように働く」という空間の中で、社員の方、それぞれが自らオフィスを改善するための工夫をこらしたりするなど、仕事やオフィスとの向き合い方に対する意識の変化があったそうです。また、こうしたユニークなオフィスは、同じ会社の他部署の社員の方が訪問してきた時にもいい刺激になっているようで、これまでの「当たり前」に対する価値観、大胆な発想・ひらめきにも影響しているようです。

古民家オフィスとはいっても、実際の業務には支障がないようにデザインされています。2Fの執務スペースは畳ではなくフローリングを採用。当然、Wi-Fiも完備されています。また、押し入れだったスペースに大型のデスクトップパソコンを設置。
日本家屋のスペースを有効的に活用した、このオフィス。実際に、ここで働く菊田麻也さん、佐々木秋乃さんは「暑い時は簾をかけてみたり、オフィスをよりよくするための工夫を自分たちからするようになった。」と、暮らすように働くオフィスを実感する一方、「以前は人に会いに行くことが多かったことが、この古民家のオフィスには人が訪れてくれることが増えた。また、訪れた人たちが、このオフィスを驚き、喜んでくれる」とお話してくださいました。そして、こうしたオフィスだからこそ、1つの話が膨らみ、お仕事関係の方とのお付き合いの関係が、これまでよりいい関係になっている実感もお話してくださいました。
他にも未来定番研究所では、会社全体で取り組むペーパーレスなど、働き方、業務改善に向けた取り組みが進んでいます。また、業務の内容上、フレックス制を採用。
「店舗」での業務に従事する社員さんなど、この未来定番研究所の働き方が、全ての社員さんに当てはまるわけではありませんが、小売業界において「こういう発想がある」という、新しい働き方を提案する未来定番研究所は、これからの「業界」におけるモデルケースの1つになる可能性があるのかもしれません。

4日間に渡ってご紹介した株式会社 大丸松坂屋百貨店「未来定番研究所」のオフィス・働き方から番組が導き出した「WORK SHIFT」のヒントは
『オフィスに対するステレオタイプは「ボーダレス時代」に!』でした。
古民家のオフィスは「暮らすように働くオフィス」というお話がありました。
そこでは、鍵の施錠やゴミ出しなど、これまでのオフィスビルでの勤務にはなかった「不便」はあるかもしれませんが、その不便さも含めた「オフィス」で、四季を感じ、その日の天気を知り、ご近所さんの声を聴く。個人の働き方として「テレワーク」も浸透しつつある社会において、オフィスというステレオタイプに捉われない「柔軟さ」が求められているのかもしれません。