J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。
D&Iを「経営戦略」として掲げる昭和シェル石油株式会社の取り組み
6月11日・月曜日~6月14日・木曜日の放送では、昭和シェル石油株式会社が取り組む「D&I=ダイバーシティ&インクルーシブネス」の取り組みに注目しました。ダイバーシティ&インクルーシブネスという理念を経営戦略に掲げることで「様々な人が働きやすい“環境の実現”と、企業としての“組織力”を高め、企業としての成長を目指している」と、お話してくださったのは昭和シェル石油株式会社、常務執行役員でD&I戦略担当の井上由理さん。取り組みが始まったのは2002年頃からで、日本の企業の中でも早い時期から継続して、この「理念」と向き合ってこられました。
2014年頃から、社会的にも女性のキャリア形成などが、一段と注目を集めるようになったことから、これまでの取り組みを振り返るともに、課題を見つけるためのアンケートを社内で実施。女性のキャリア形成に対する「悩み」を、より具体的に把握し、解決していくために発足した昭和シェルWomen’sネットワークという女性を中心とした活動体が、D&Iを「経営戦略」として掲げる礎になったそうです。
2日目の放送では、その具体的な取り組みの1つ「育休者向け職場復帰セミナー」についてご紹介しました。
昭和シェル石油株式会社、人事部勤労課の木下薫さんによると、昭和シェル石油では、女性社員が育児休職を取得した後、ほぼ100%で復職されているそう。ただ、その中でも、復職後、例えば、勤務時間が限られる、といったことなどから、自身のキャリア形成についての悩みを抱えている社員も多かったそうです。こうした課題に対し、復職するのは前提で「そこから、どう活躍するか」が大切であり、このセミナーでは、その「復職後のキャリア形成」を伝える場として開催したそうです。
セミナーに参加した社員、経営企画部の 海浪麻由美さんは「復職することへの不安はなかった」としながらも復職後の具体的な生活リズムのイメージなどが湧かなかったため“漠然とした不安”があったそうです。ただ、セミナーでは、実際に復職した社員のリアルな声を聴くことができたそうで、そうした“漠然とした不安”が払拭できたとお話をしてくださいました。こうした取り組みを含めて、昭和シェル石油では、様々な研修やミーティングに参加、活躍する女性社員が増えているそうです。
3日目の放送では、社員の個性を大切にする昭和シェル石油のさまざまな取り組みに注目しました。
その1つが「匠ネットワーク」と呼ばれるもので、人事部勤労課の木下薫さんによると、匠ネットワークは、過去に55歳以上の社員を集めたワークショップを開催し、そこからでてきた意見をまとめたもので、ここに集められた知識や経験を社内のイントラで公開し、他の社員が閲覧、必要であれば、ベテラン社員にアドバイスをもらえるという仕組みとなっているそうです。社員の経験は「会社の財産」。その知見が後進の社員の働き方を、より進化させていく「サポート」となっています。
また、コミュニケーションの形の1つとして「ONE ON ONEミーティング」という形を採用しており、上司と部下が2週間に一度、1対1でミーティングを行う事で、目前の業務だけではなく、これからのキャリア形成など、より具体的なコミュニケーションを図る場となっているそうです。働き方改革が問われる中、とかくテクノロジーによるイノベーションが注目されがちですが、企業という組織の根幹である<ヒト>に重きを置いたイノベーションの形が昭和シェル石油の取り組みにはあるのかもしれません。
最終日の放送では、これからの昭和シェル石油の取り組みについても伺いました。
当初は女性社員の活躍を目指し始まった昭和シェルWomen’sネットワークの活動ですが、
期を重ねるごとに、その対象は、女性だけではなく全社員に広がっていきます。
2017年には、そうした風土を、より根付かせていくために「D&I風土醸成チーム」が発足し、全社員に、そうした意識を届けていく活動を始めたそうです。育休者向け職場復帰セミナーを開催した後には「子どもがいる男性社員のためのワークショップ」を開催、今後は、男性、女性に限らず、それぞれの「ワーク」と「ライフ」のバランスに気付いていける仕組みをつくっていくことを進めていくそうです。
最後に、4日間に渡ってご紹介した昭和シェル石油株式会社の働き方から導き出した「WORK SHIFT」のヒントは『“本気の本音に耳を傾けよう”』でした。
会社をつくるのは、そこで働く【人=社員】。そうした【人】の本音に耳を傾けることで見つかるはずの「課題」を見逃していませんか?今回、注目した昭和シェル石油株式会社は、その「社員」の声に向き合い理解することで、【働く】という環境や仕組みに「イノベーション」を起こしています。