J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。
5月28日~5月31日の放送では、「職住接近湘南スタイル」を提案する「湘南Work」の働き方をご紹介しました。
湘南エリア・・・首都圏の人たちにとっては、ある種「憧れの地」かもしれません。海があって山もあり、食べ物もおいしい・・・ということで、県外からの転入者も多い、人気エリアです。
そんな中で活動する「湘南Work」。
代表の河野竜二さんによると、「湘南には都内に通勤する人が多い。通勤に長い時間を取られるのではなく、暮らしも仕事も湘南の中で完結することで、より豊かなライフスタイルが実現できるのではないか?」という思いから、昨年(2017年)9月に「湘南Work」を立ち上げました。湘南の事業者に取材してウェブ上で配信。また「湘南シゴト会議」というイベント開催し、事業者のヴィジョンを、湘南で働きたい人に伝える…という活動を始めました。「湘南に住居を構え都内で働く」というスタイルで暮らしている方も、実際、多いわけですが、2016年の総務省の調査では、神奈川県は、睡眠時間が7時間31分と全国一短い一方で、通勤時間が1時間40分で全国一長い、という結果も出ています。河野さんも、かつては、藤沢から往復3時間かけて都内に通勤。ライフスタイルを変えたいと思ったのがきっかけだったそうです。昨年9月に立ち上げたということで、いまはまだ手さぐりのところもあるようですが、“満員電車に揺られ都内で働くだけじゃない。仕事も暮らしも諦めない”という「職住接近スタイル」が当たり前になる世の中に、豊かな未来を描いているようです。
2日目はまず、共同代表をつとめる小室慶介さんにご自身の経験をうかがいました。
小室さんももともと都内でサラリーマンをしていたのですが、“人生100年時代”の意識が当時からあり、限られた組織の中での人間関係に疑問を持ったことから、「地元の湘南で働くことを基軸にしていけたら、また新しいライフサイクルができるのではないか?」と考えたそうです。具体的なきっかけは東日本大震災。電車なら1時間で行けるところなのに、歩いて帰るのはキツイ、ということを実感したのだとか。それまでに日々なんとなく感じていたことを、震災をきっかけにハッキリと「実感」した、ということでしょうか。
また、河野さんは、「湘南は自然が豊か。おいしい食材もあって魅力的な人が多い。そんな地元の湘南を盛り上げたいと思ったとき、『働く』ということにフォーカスしたら次のステップにつながるのでは?と思った」と語ります。しかし同時に課題も見えてみたようで、「最近、鎌倉にはIT企業が増えている。反面、地場の産業では採用に苦しむなど、温度差がある」とのこと。IT関連をはじめ、新しい企業が数多く誕生する一方で、むかしからある企業のなかには、後継者不足や、「新しい何かをしたいんだけど、そういう人がいない」という悩みを抱えている企業も少なくないようです。
3日目は、「湘南で働く」ことの課題と「湘南Work」の役割について、さらにうかがいました。
「いい部分だけでなく厳しい部分も伝えるのが自分たちの役目。都内での働き方と比べると、収入や便利さなどでは差がある。それも含めてそういうライフスタイルを手に入れたいのか? しっかり考えないとミスマッチも起こり得る。都内で比較的自由な企業で働いていた人が、湘南の固い企業に入って溝ができるような例もある」と小室さん。何事にも、良い部分とそうでない部分があります。それをどのように折り合いをつけるか、ということかもしれません。ただし、湘南には、東京にはない良いところが、やはりあるようです。
河野さんは、「湘南で働く=ゆるく働く」ではない!と強調します。「東京に負けない活動をしている企業も多いので、湘南でキャリアアップをする!という意識付けが重要。ダラダラやるのでなく、仕事はめいっぱいやる。そしてオンとオフを切り替える。そういうライフスタイルが実現できる場所ではある」と語ります。たしかに、「湘南で働く」というと、なんとなく「ゆるゆると」というイメージがあるかもしれません・・・。でも、「仕事」は「仕事」。オンとオフの切り替えが大事です。その切り替えがしやすいのが「湘南」…ということかもしれません。
最終日、改めて、河野竜二さん、小室慶介さん、おふたりが考える「湘南の魅力」とは…
「ひとが良い。環境が良い。ひととしてのゆとり、魅力が自然とリンクして育まれている。楽天的だがしっかり考えている魅力的なひとがいて、魅力的な企業がある」だそうです。「海」と「ひと」・・・いいところですね。実はおふたりともサーファーで、日々、仕事とサーフィンを両立させて暮らしているのだとか。ただ、良いところばかりではありません。悪い意味での「ローカリズム」があり、外から来た人がなかなか馴染めないことも確かだそう。「でも、逆に知り合いがひとりいるだけで、一気に変わる場合もある。『湘南Work』は、そんな役割を果たせれば・・・」と意気込みを語ります。
そんなお話から導き出す「WORK SHIFTのヒント」は…『オンとオフをきっちり切り替えて、職住接近!』
どの土地でも、良いところ、そうでないところ、両方があります。それをありのまま受け入れて、しっかりと仕事をする。そして、オンとオフをきっちり切り替える。そうすれば、湘南でなくても、魅力的な「職住接近スタイル」は実現できるのかもしれません。