日本の働き方を根本から変えていく?KOKUYOが考える“働き方改革”のアプローチに迫る

2018.05.09 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。
1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

4月16日から19日の放送では、文具やオフィス家具のモノづくりから広く働き方を提案し続けているコクヨ株式会社の“働き方”の考えをシェアしました。

コクヨといえば、キャンパスノートに代表される文具メーカーとしての顔に加えて、オフィス家具の製造・販売、そしてオフィス空間のデザイン構築、そこからさらに働き方のコンサルティングなど今までに多くの企業の働き方改革の実現を支援してきています。
コクヨにおける“働き方改革”コンサルティングの責任者であるワークスタイルイノベーション部 部長の鈴木賢一さんによりますと、コンサルタントをしている会社の8割近くが「働き方改革がうまくいってない」と答えているそうです。そのほかにも、年間50社以上も働き方改革についてコンサルタントをしている鈴木さんからのメッセージは続きます。
「働き方改革は風土改革〜組織の文化を変えていかなくてはいけない」
「それでも、まだオフィスが単にデスクや椅子が並んでいる場所という考え方がメイン。しかし、単に机や椅子が並んでいるだけではダメなんです」
「働き方改革は経費ではなく投資になります。これから価値を生み出すのは人材。人に投資をして、そこから大きな価値をリターンとして得るのが企業の大きな目的になる」
そして、「オフィスのあり方そのものも、これから変わっていきます。そこに目を向けて働き方改革も併せて考えていくことが重要です」という鈴木さんのメッセージ、重みがありました。
2日目の放送では、多くの企業の働き方改革の実現を支援してきているコクヨに日本における働き方の考えの移り変わりについて伺ってみました。
「高度成長期の日本は、成長している企業に追いつけとばかりに明確な目標に達成意欲を作ってそれを成し遂げていくのが主流でした。ただ、現代は、明確な目標が与えられるよりは目標そのものを創る時代に変化してきています。前提を変えるようなイノベーションが期待されているんです」(鈴木賢一さん)
そしてコクヨは日本だけではなく、海外にも広く目を向けています。
社内には世界各国のグローバルな働き方を研究している「ワークスタイル研究所」という部署があり、年に2冊「WORKSIGHT」という雑誌を発行しています。紙質も豪華で、デザインもとってもクール!美容室やカフェに置いてあっても遜色ありません。もちろん中身も充実していて、世界各国の最新のオフィス環境や働き方が写真付きでレポートされています。まさにビジュアルで感じる「働き方改革」??
実際に、働き方改革を声高に叫ぶよりも、時代に合わせた働き方をソフトに提案していく・・・コクヨが考える働き方改革の提案がそこにあるのかもしれません。
多くの企業にオフィス構築を通した働き方を提案しているコクヨですが、それでは、そのコクヨはどのようなオフィスで働いているのでしょうか?
ということで、3日目の放送では、コクヨの働く環境について伺いました。
まず出てきましたのが、アクティビティ・ベースド・ワーキング(=ABW)という言葉です。これは仕事内容に合わせて働く場所や時間などを選ぶ働き方のことを示します。例えば、集中作業を静かな部屋で行い、打ち合わせをソファ等で行うなどフレキシブルに場所を選んで働くスタイルや、さらに自分の固定席を決めない「フリーアドレス」などが挙げられます。
そんな環境で仕事を続けているコクヨですが、およそ半世紀前の1969年より、「ライブオフィス」という実験を続けています。コクヨの社員が実際に働いている現場を見学できるのがライブオフィスで、全国28カ所で運用しています。いわば、生きたショールームです。コクヨはこのライブオフィスという実験を通じて、働き方を提案し続けています。昨年に移転したコクヨ東京品川シーズンテラスオフィスももちろんフリーアドレス、見学も可能です。さらにオフィスにある会議スペースには壁がありません。開放的である一歩、職場で大声を上げることができないので、昨今問題になっている、パワーハラスメントが起きにくい仕組みにもなっています。しかも新オフィスで、今年は初めて入社式も実施したそうです。職場での入社式ということでいきなり和気あいあいの空気になったというエピソードもありました。
最終日の放送では、コクヨの提案する様々な働き方改革から生まれた「椅子」を紹介しました。
「ing(イング)」と名付けられたこの椅子についてマーケティング本部 提案マーケティング部の佐藤詠美(さとうえみ)さんに伺いました。
「ingは座面が動いて、ゆらゆらするので楽しいんです。それだけではなく集中度が上がって仕事が捗ります。仕事の生産性を上げていくことで働き方改革に貢献できるのではないかと思います」
昨今、座りすぎによる健康被害が叫ばれていて、多くの会社で立ったまま仕事をする、スタンディングデスクが取り入れられています。コクヨもスタンディングデスクを作っていますが、逆に座っていても健康にいい椅子を作ればいいのでは?そんな思いからこのingの開発につながったということです。ingに座ったお客さんの反応も聞いてみました。
「初めてingに座ったお客様ですが、驚きとともにとっても楽しそうに座ってくれます。楽しいというのはとてもプラスのイメージ。そんな気分で仕事に向かえるのはいいですよね。今、多くの企業は働き方改革の課題のもと、いろんなアプローチで解決策を提示しています。コクヨはその提案の一つとして、ingに座って体を動かして快適にワークする、体と心のマイナスをゼロに、さらにプラスにするというようなアプローチをとっているんです」(佐藤さん)

そして、今週のお話から導き出した「WORK SHIFT」のヒントは・・・・
『働き方改革で、オフィスと仕事はもっと“楽しくなる”』
およそ50年前から続いている「ライブオフィス」に「ワークスタイル研究所」が発行する雑誌「WORKSIGHT」
そして不思議な座り心地の椅子「ing」など、オフィスを「楽しい」環境づくりにすることこそ、コクヨの働き方改革の本質があるのかもしれませんね。