2025年5月、グンゼ株式会社は中期経営計画「VISION 2030 stage2」を公表しました。本計画では、「社会的価値」と「経済的価値」の創出を両立するサステナブル経営を加速させ、持続可能な事業基盤の構築を通じたグローバル企業への成長を掲げています。
そして、グンゼは、創業の精神である「共存共栄」のもと、地域社会の活性化や課題解決に向けた連携を重視してきました。第19回目となる本レターでは、豊かな未来を次世代へつなぐ、グンゼの「地域への貢献」活動の最前線をご紹介します。
滋賀県守山市「もりやま夏まつり」で地元高校生と一緒にワークショップを開催
7月、滋賀県守山市で開催された「もりやま夏まつり」に、今年も協賛企業として参加しました。地域貢献と住民の皆さまとの交流を目的としたこの取り組みも、今回で4回目を迎えます。
今年度は、同市守山工場で製造しているラベル用収縮フィルムを使用した「オリジナルボトル作成ワークショップ」を出店しました。来場された皆さまに収縮フィルムへ絵や文字を描いていただき、熱を加えてボトルに密着させることで、世界に一つだけのオリジナルボトルが完成します。ものづくりの楽しさを体験していただく貴重な機会となりました。
今回は、新たな試みとして地元守山北高校の「地域協働研究同好会」に所属する生徒の皆さんと一緒に出店しました。「地域との交流・貢献」という共通の想いが結んだ今回の協働は、次世代を担う若者たちと共に地域を盛り上げる有意義な活動となりました。
当日は夕刻でも気温が30度を超える猛暑となりましたが、高校生と従業員が一体となり、用意した400本すべてのボトルを笑顔でお届けすることができました。今後も地域と共に歩み、次世代へつながる活動を大切に推進してまいります。
高校生チームがフィルム取付けコーナーにてボトルに熱収縮ラベルを装着
【コラム】グンゼ株式会社と「もりやま夏まつり」に出店して
滋賀県立守山北高校のみらい共創科は、「学校の教室ではなく、地域に出て、地域をフィールドとして学ぶ」という先進的なコンセプトのもと、昨年に新設された学科です。地域社会と深く連携しながら生徒を育成することを最大の目的とし、社会に開かれた実践的な学びを展開しています。
今回の「もりやま夏まつり」への出店は、同科の授業の一環として、グンゼ株式会社守山工場でインターンシップの練習を兼ねた工場見学を実施したことがきっかけとなりました。祭りに参加したのは、同科の理念をさらに発展させるため、放課後の課外活動として組織された「地域協働研究同好会」の生徒たちです。
この同好会では、週2回程度の活動を通して、地域のボランティア活動への参加や地域課題について主体的に考える学びに取り組んでいます。地域への貢献と、生徒たちが多様な人々と交流する機会づくりの双方を実現する場として、この夏祭りでのワークショップの共同運営を選びました。
当日は、生徒たちが自ら制作したボトルを見本として展示し、来場した子どもたちと積極的に交流しました。自分たちが作った作品を喜んでもらい、感謝の言葉を受ける経験は、生徒たちにとって大きなやりがいと達成感につながりました。
また、世代の異なる地域住民との交流は、生徒たちの精神的な成長を大きく促しました。大人と接する中で話し方や考え方がより成熟し、小さな子どもたちと関わる場面では、普段とは違う頼もしい「お兄さん・お姉さん」としての一面を見せるなど、確かな成長の姿がうかがえました。
今回の取り組みは、みらい共創科と地域協働研究同好会が掲げる「地域協働」の理念を体現するものであり、夏祭りの活気づくりに貢献するとともに、未来の地域社会を担う主体的な人材を育む貴重な教育実践の機会となりました。
地域の命を守るセーフティネットへ。グンゼスポーツ全店で「着衣泳体験会」を実施
~水難事故から身を守る、服を着たまま「浮いて待つ」生存スキルを地域へ還元~
毎年、夏を中心に川や海での痛ましい水難事故のニュースが後を絶ちません。特に子どもの事故では、服を着たまま水に転落し、パニックになって溺れてしまうケースが目立ちます。こうした地域の安全課題に対し、スポーツクラブを運営するグンゼスポーツでは、「地域密着のセーフティネット(安全網)」としての役割を果たすべく、スイミングスクール実施全店で「着衣泳体験会」を実施し、延べ294名のお客様に参加いただきました。
レッスンでは、地域の子どもたちや保護者が実際に衣服を着た状態でプールに入水し、命を守る3つの知恵を実践的に学びました。
①「泳げない」を知る:濡れた服が体に張り付き、普段通りに体が動かない「驚きと焦り」をまず体感。
②「浮いて待つ」の習得:体力を温存して救助を待つための正しい姿勢(背浮き)を練習。
③「身近なモノ」の活用:ペットボトルなどを浮力体(浮き輪の代わり)にする方法を体験。
参加した子どもたちからは「服が重くてびっくりした」「いざという時の行動が分かって安心した」との声が上がり、地域の防災意識を高める場となりました。地域の健康を支えるインフラであるスポーツクラブが、命を守る学びの場へと進化しています。グンゼはこれからも、地域の皆さまが安全・安心に暮らせる社会づくりに貢献してまいります。
服を着たまま無理に泳がず、あお向けで浮いて救助を待つ練習
【コラム】着衣泳体験会を実施して
今回の着衣泳体験会では、泳ぐ技術を教えることよりも、水の事故に遭った際に「どうすれば自分の命を守れるか」を体験してもらうことを重視しました。特に小学生には、海や川などで一人になった場合を想定し、慌てて泳ごうとせず、あお向けで浮いて救助を待つことの大切さを伝えました。
普段は水着で泳いでいる子どもたちも、衣服を着たまま水に入ると「重い」「動きにくい」と驚く様子が見られました。こうした実体験を通じて、水中では普段と同じように体が動かないことを知ることが、いざという時の冷静な判断につながると考えています。また、未就学児は保護者と一緒に体験することで、子どもだけでなく保護者にも水の事故への備えを学んでいただきました。
先行実施店舗でのニーズの高まりを受け、今年からスイミングスクールを実施する全店舗で無料開催しています。西宮店では、約30人が体験し、保護者からも高い関心が寄せられました。
グンゼスポーツは、単に水泳や運動を学ぶ場ではなく、地域にとって身近な「サードプレイス(第三の場所)」として、子どもたちの成長と安全を支える存在を目指しています。今後も学校や地域と連携し、水泳技術だけでなく、安全に水と関わる力を育む活動にも取り組んでいきます。
グンゼスポーツ西宮店で着衣泳体験会を担当した栄インストラクター(左)、杉尾インストラクター(右)
地域とともに歩む、次世代育成と未来への投資。「京都学び育みマルシェ2026」に出展
~「肌着のひみつを学んでモノづくり体験」ブースで、子どもたちに「科学の目」と
「モノづくりの楽しさ」を届ける~
グンゼは京都府が主催する「京都学び育みマルシェ2026」に出展しました。地域社会への貢献と次世代を担う子どもたちの育成を目的に、主に小学生とその保護者を対象とした体験型ブースを展開しました。ブースでは、「肌着のひみつを学んでモノづくり体験」をテーマに、普段身につけている肌着にどのような技術や工夫が込められているのかを、楽しみながら学べる機会を提供しました。身近な衣服を題材に、素材や機能について考え、モノづくりの技術や工夫に触れることで、子どもたちの「なぜ?」「どうして?」という好奇心を引き出すことに努めました。
このマルシェは、京都府が府民に「学ぶ」「働く」ことの魅力を伝え、自己成長やスキルアップを応援するイベントです。グンゼはその趣旨に賛同し、モノづくりの楽しさや科学への興味を育む学びの場として地域の子どもたちに届けました。
グンゼは創業以来、「人間尊重」「優良品の提供」「共存共栄」を経営方針に掲げ、地域社会とともに歩んできました。現在も、社会課題の解決と企業の成長を両立するサステナブル経営を推進しています。
肌着は、健康や快適な暮らしを支える身近な存在です。だからこそ、「どのようにつくられ、どんな工夫がされているのか」を知ることは、科学的に考える力や、より良い未来を考えるきっかけになると考えています。今回の出展を通じて、子どもたちにモノづくりの魅力を伝えるとともに、地域とのつながりを深め、次世代の育成に貢献します。グンゼはこれからも、京都府をはじめとする地域社会と連携し、子どもたちの学びと成長を応援する活動を続けてまいります。
【コラム】「京都学び育みマルシェ2026」に出展して
今回の出展は、地域への貢献と、次世代を担う子どもたちとの接点づくりが目的です。創業の地・京都で、地域の子どもたちにグンゼを知ってもらう機会を持つことは、これからの企業活動においても重要だと考えています。まずは「グンゼ」という社名を知り、覚えてもらうこと。そして、普段何気なく身に着けている肌着にどのような技術や工夫が施されているのか、興味を持ってもらうこと。今回の出展が、子どもたちやその家族とのつながりを深め、未来につながるきっかけになればと考えています。
グンゼの肌着に使われている技術や素材の力については、デモンストレーションを通じて紹介しました。「アセドロン」の吸汗速乾機能や「THE GUNZE」の消臭機能を実際に見てもらうことで、その特徴を分かりやすく伝えました。また、端をカットしても繰り返し洗濯してもほつれにくい特許技術「CUT OFF(カットオフ)」については、サンプルをハサミでカットしてもらい、機能を実際に体験してもらいました。
そして、「肌着の機能」説明を「実験」により分かりやすく伝える視点を変えた提案により、子どもや保護者の方々が体験に引き込まれる姿がとても印象的でした。普段、我々が当たり前に感じている「吸汗速乾」や「消臭」といった機能の価値に対し、新鮮でダイレクトな驚きの声をいただき、機能の魅力を直接届ける重要性を改めて実感しました。一方で、長年ご愛用くださる世代からの温かいお声に感謝しつつも、若い世代や子どもたちにおける当社の認知には伸び代があることを痛感いたしました。
グンゼではこれまでも、直接訪問できる近畿圏の小中学校などで「肌着教室」を開催し、肌着の役割や大切さを伝えてきました。今回のマルシェでも、こうした活動の一環として、子どもたちが実際に触れ、体験できる機会を設けました。これからも地域とのつながりを大切にしながら、肌着が持つ技術や役割を次世代に伝えていきたいと考えています。
カットオフ素材を使い、世界に一つだけのオリジナルアイテムづくりを体験してもらう、アパレルカンパニー西谷さん(左)、上原さん(右)