個人投資家の「大型株」「高配当株」志向が一段と強まる ――「日経マネー」の調査で判明

2025.06.20 14:00
株式会社 日経BP
毎年恒例、「個人投資家調査2025」の結果を公開

 株式会社日経BP(本社:東京都港区、社長CEO:井口哲也)が発行する月刊マネー情報誌『日経マネー』は、2025年4~5月に「個人投資家調査2025」を実施しました。今回の結果から、日本の大型株、高配当株の人気が前年と比べて一段と拡大したことが明らかになりました。また、NISA(少額投資非課税制度)の拡充2年目となる25年は、1年目(24年)よりさらに積極的に同制度を活用する意向を持つ個人投資家が多いことが分かりました。
 「個人投資家調査」はウェブアンケートとして毎年春の同時期に実施しており、25年は9163人の有効回答が集まりました。同種の調査としては日本最大級(日経マネー編集部調べ)で、今回で19回目となります。調査結果を基にした特集「個人投資家調査2025 となりの億万投資家大研究」を、『日経マネー2025年8月号』(25年6月20日発売)に掲載しています。
大型株、高配当株を選好する個人投資家が増加
 個人投資家の投資スタイルを問う設問では、日本の「大型株・優良株中心の王道投資」が前回調査(24年)に引き続きトップ。全体に占める割合は25.5%と、前回から3ポイント強上昇しました。また、2位の「高配当株・優待株などの利回り投資」も前回から3ポイント以上伸び、こうした日本株を選好して投資する個人の姿勢がより強まりました。
■自分の投資スタイルに最も当てはまるのは? (上位6つ)
注:25年は投資をしていると回答した8730人を集計、24年は同1万233人を集計

 24年は3月に日経平均株価が史上初めて4万円を突破し、その後もおおむね高値圏で推移。同年8月に歴史的な株価急落があったものの、相場は短期間で回復しました。この間、市場で資金の流入が目立ったのが、海外投資家が主に投資対象とする優良な大型株。個人投資家も好業績の大型株を投資先の主力に据える人が増えたと見られます。

 また、高配当株志向も強まりました。他の設問で株の銘柄を選ぶ基準について尋ねたところ、断トツの割合となる50%超の人が選択基準の一つとして「配当利回りの高さ」を挙げています。東京証券取引所が近年取り組む市場改革の後押しにより、株主還元を強化する企業の動きが一段と広がっていることが大きな理由と考えられます。

 一方で、投資信託やETF(上場投信)による国際分散投資、米国株や先進国の株式投信を使った先進国投資の割合は減少しました。
2度目の暴落時には「追加投資」する人が増えた
 今回の調査では、日銀の追加利上げをきっかけに日本株が急落した24年8月と、トランプ関税ショックがあった25年4月に、それぞれ相場暴落に個人がどう対応したのかも聞きました。

 24年8月の暴落時は、「特別なことはせず、様子見していた」との回答が約60%。アンケートの自由記述では「あまりにも急激な値下がりで、何もできずに見ているだけだった」との声も目立ち、初心者はもちろん、投資経験がそれなりにあっても、歴史的な暴落を目の前にして「思考が止まった」人は少なくなかったと見られます。
■「24年8月」と「25年4月」の相場暴落時にどう対応した?
注:回答数は24年8月が7780人、25年4月が7830人

 一方で、手元資金を利用して追加投資をした人も約23%いました。資金に余力があり、株価が安いところで買いに動けた人は、結果的にその後の相場の戻り局面で利益を得られました。

 その時の経験があったためか、2度目の暴落となった25年4月には様子見や資産を売った人が減り、追加投資をした人の割合が約30%に高まりました。全体相場の急落を「買いの好機」と捉える人が増えたと考えられます。
2年目の「新NISA」はより積極的な活用を図る
 24年に大幅拡充された新NISAは、投資をしている回答者の約88%が利用しており、前回の調査から約2ポイント増加しました。つみたて投資枠(年120万円上限)と成長投資枠(年240万円上限)の両方を利用している人が最も多く、約56%を占めました。
■NISAの投資枠はどう使っている?
注:投資をしていると回答した8730人が対象


 また、制度拡充2年目となる25年に予定するNISAの利用額は、つみたて投資枠が平均73.6万円、成長投資枠が平均160.2万円でした。どちらの枠も、年間投資上限額の6割強に相当します。併せて聞いた1年目(24年)の年間利用実績の平均値と比べると、つみたて投資枠は3.5万円の増加、成長投資枠は2.4万円の増加となり、2年目はより積極的に活用しようとする個人投資家の意向が見て取れます。
注:回答数はつみたて投資枠5601人、成長投資枠6291人

 予定利用額の内訳を見ると、上限額までフル活用を目指す人と、限定的な利用(つみたて投資枠は30 万円未満、成長投資枠は60万円未満)にとどめる人とに二極化しています。投資枠を使い切ろうと意気込む人が多い一方で、収入や投資余力を考慮し、身の丈に合った使い方をしている個人投資家も少なくないことが分かります。

 『日経マネー2025年8月号』ではこの他、多岐にわたる調査結果を基に、投資で利益を上げている人の銘柄分析の方法や売買ルール、株式相場の展望や有望視する投資テーマ、東証改革やトランプ政策の注目点などについて取り上げています。

【調査概要】
月刊誌『日経マネー』が毎年実施しているインターネット調査。個人投資家の運用成績を中心に、投資スタイルや投資対象の銘柄などを調べている。2025年は19回目で、調査実施期間は4月10日~5月6日(集計は日経BPコンサルティング)。有効回答数は9163人だった。告知は日経BP、日本経済新聞社、協力を得た企業や株式アナリストなどの識者、個人投資家のサイト・メルマガ・ブログ・SNSなどで行った。


【お問い合わせ】
本リリースの内容に関するお問い合わせは、日経マネーの問い合わせフォーム(
)よりお願いいたします。取材のお申し込みは、日経BPのコーポレートサイトお問い合わせページ(
)からお願いいたします。

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