「ライドシェア」といっても日本版は規制ガチガチで普及にはほど遠い! 「軽バン貨物便」がお客も運べれば超便利だと思うがどうだ?

2025.05.25 07:00
この記事をまとめると
■日本型ライドシェアサービスが導入されてから1年が経過した
■いまだ完全マッチングサービス的なライドシェア導入に向けた指針は発表されていない
■ライドシェアのプラットフォーマーは配送に携わる軽バンに注目している
日本型ライドシェアがスタートして1年が経過した。
  海外のライドシェアサービスは、自家用車でお客を希望する目的地まで有料で乗せたいというひとと、そのようなサービスで移動したいというひとを、プラットフォーマーがスマホ(スマートフォン)アプリ上でマッチングさせるサービスとなる。プラットフォーマーとライドシェアドライバーの間には雇用関係はなく、ドライバー個々が個人事業主となり、プラットフォーマーのマッチングサービスを利用するという形になる。
  一方で日本型ライドシェアのドライバーは、サービスを実施するタクシー事業者とドライバーの間には雇用関係が存在するところが大きく異なる。ドライバー、車両、そして実際の運行などの管理業務はタクシー会社が行う。なお、稼働できる日や時間は決まっており、いつでもできるというわけではない。また、タクシー配車アプリを使って利用者が配車依頼をすることになる。
  たとえば金曜・土曜の深夜から早朝などと稼働時間が限定的なこともあり、1年経ってもあまり馴染みのないひとが大半のことと思う。運行管理する側のタクシー事業者の間でも積極的に取り組む事業者と否定的に捉える事業者とにわかれている。
  本来は2024年4月から日本型ライドシェアがスタートし、同年6月に諸外国のような完全なマッチングサービス的なライドシェア(完全ライドシェア)導入に向けた指針のようなものが政府から出る予定だったが、いまもって見送りとなっている。
  あるタクシー業界関係者は「完全ライドシェアサービスは日本にはなじまない」と語ってくれた。まず、何かあったときの責任の所在がはっきりしないことがある。日本型ライドシェアではドライバーとタクシー事業者との間には雇用関係があり、運行管理はタクシー事業者が行っているので、責任の所在はタクシー事業者となる。フードデリバリーサービスのタクシー版と考えれば、完全ライドシェアはわかりやすいのだが、フードデリバリーサービスで何かトラブルがあり、プラットフォーマーに問い合わせてもなかなか問題解決に至らなかったというひともいることだろう。完全ライドシェアでもそのあたりは曖昧になってしまうのではないかとされている。
  自己責任という考えが広く浸透している海外では完全ライドシェアは浸透しやすいが、日本の消費者はそのあたりが希薄ともいわれているので、責任の所在があらかじめはっきりしていないと、とくにライドシェアのようなサービスは浸透しにくいとの見方がある。
本格ライドシェアが導入されれば軽バンに脚光が当たる
  また、前出の関係者は、現状では日本において完全ライドシェアの進出可能性は低いとしながらも、もしサービスが始まったらとして次のように語ってくれた。「プラットフォーマーは、EC(ネットなどの通販)サイトで購入した商品を日々配送している軽自動車商用バン(軽バン)に注目するだろう」と語ってくれた。つまり、ECサイトで購入した商品の配送をしながら、空いた時間で「ひとも運ぶ」ようになるのではないかというのである。
  確かに筆者の自宅周辺でもECサイトで購入した商品を配送している軽バンをよく見かける。現状の軽バンではさすがにひとを運ぶことにはベストとはいえない。配送車両をN-BOXやスペーシア、タントなど乗用タイプでしかも荷物の積載容量の大きい車両にして、配送の合間だけではなく配送が終了してからライドシェアサービスを行うのではないかとも話してくれた。
  自宅から近くのスーパーまでなど、高齢とか小さい子どもがいるなどでなかなか近場でも歩いて移動するのがしんどいというひとの利用を細かくキャッチすれば、それはそれでいい稼ぎになりそうである。
  インドなど諸外国では、四輪車だけではなくバイクや三輪車も完全ライドシェアアプリで呼ぶことができる。筆者もインドでは距離のある移動は四輪車、ホテル近くのショッピングモールは三輪車と使いわけていた。
  折しも、アメリカで完全ライドシェアを手がける大手プラットフォーマーの幹部が、日本の地方部での高齢者をターゲットとした日常生活の移動手段というニーズに注目していると発言している報道を見た。
  近場の移動ならば軽自動車でも十分、そしていまやECサイトで購入した商品を配送するために、昼夜を問わず軽バンは走りまわっている。貨客兼用でコスパも十分にいい。ただ、さまざまな規制が多い日本なので、欧米や新興国なみに完全ライドシェアサービスが利用できるようになるにはまだまだ検討するだけでも相当にハードルが高いことも間違いない事実である。

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